過去には一流馬も輩出のレース
クラスターCは藤田菜々子騎手騎乗のコパノキッキングに注目が集まったが、結果はヤマニンアンプリメがねじ伏せて交流重賞2連勝。当日はイベント出演のために訪れた金沢競馬場で観戦していたが、久しぶりに予想も馬券も当たった。北陸という方角がよかったのかも。これから毎週金沢で競馬観戦……というのはさすがに無理なので、大阪にいても当てることができるように頑張りたい。
8月12日(月)はクラスターC 傾向から藤田菜七子騎手騎乗のコパノキッキングに不安あり?
南ではサマースプリントシリーズの北九州記念が行われる。このレースが1200mのスプリント戦になったのは2006年から。それまで小倉の短距離戦といえば北九州短距離ステークスだった。
今でこそ北九州短距離ステークスは3勝クラスの格付けだが、過去にオープン特別で行われており、カルストンライトオやビリーヴ(この時は1600万下)などのGI馬を輩出するなど、夏の小倉名物として人気があった。北九州記念もスリープレスナイトやビッグアーサーという後のGI馬が上位に名を連ねている。ここでいい結果を出せばスプリンターズSも視野に入る。新たなスター候補が誕生することを期待したい。
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これまでサマーシリーズのデータを検証していて、上り馬より実績馬有利のレースが多かったように思う。しかし、このレースは傾向が違うようだ。
連対率で見れば、前走で重賞を使った組より、条件戦から挑んできた馬の方が数字がいい。ローテーションを見ても、中2週で挑んできた馬が勝率、連対率ともにトップ。これは、まさに夏の上り馬が活躍している証拠である。
ハンデは重すぎず、軽すぎずが理想
次に前走1着だった馬の成績を見てみると、10連対と優秀。この数字も上り馬が活躍している裏付けか。
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年齢別成績では4歳馬がトップで、5歳馬の数字も悪くない。ベテランより若い世代が活躍のレースといえるだろう。
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脚質別の成績はどうだろうか。
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脚質で目につくのは逃げ馬の成績の悪さ。このレースは現地で何度も見たことがあるが、確かに前崩れになる印象が強い。実際のデータでは先行馬、差し馬が双璧なのだが、ともかく逃げ馬は評価を下げたい。
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ハンデ戦ということで牡馬・セン馬、牝馬に分けてみたが、ともにハンデが軽すぎるとよくない模様。牡馬に関してはハンデが重すぎてもよくないようだ。牝馬は重いハンデの馬も連対しているが、活躍の中心は牡馬と同じで手頃なハンデを背負った馬になる。
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最後に面白いデータを。過去10年で3連単100万馬券が2回、99万馬券も1回出ている。とにかく荒れるレースなのだが、8番人気の馬が何と5勝。当日の8番人気を推測するのはかなり難しいので予想の要素からは外すが、何も考えずに8番人気を買ってみても面白いかもしれない。
シャドウノエルで間違いなし?
九州記念のワードは「勢い」と「荒れる」。データを重視しつつ、うまく人気薄を拾っていければと思う。決して膨らんだ負債を一気に取り返そうとしているわけではない。
①前走が条件戦
②前走1着馬
③4歳馬、次点で5歳馬
④逃げ馬以外
⑤手頃なハンデを課せられた馬
さすがに全ての条件を満たす馬はいないかと思ったが、1頭だけいた。前走で「3勝クラス」を「勝ち上がった」「52キロ」の「4歳」牝馬、シャドウノエルだ。
デビューが3歳の7月と遅かった馬で、キャリアもまだ8戦。それを思えばスピード出世といえるだろう。馬の個性を見極めるのが上手な角居厩舎所属で、この馬は小倉と福島で合計4戦。ローカルの小回り向きとみて間違いない。
母はフランス産だが、その父は日本の重賞で活躍したサンデーサイレンス産駒のディヴァインライト。3代母はヴェルメイユ賞(仏GI)を勝ち、ジャパンカップでも2着したマジックナイトという、まさに和洋折衷な母系。前走勝ちの手綱を取った内田博騎手が小倉までかけつけるのだから勝算ありなのだろう。「勢い」「荒れる」のキーワードともぴったり。北九州記念の軸馬はこの馬以外に考えられない。
続いて相手。次点は前走条件以外を満たしているカラクレナイ。データ上は4歳馬が最有力といっても、4歳同士で決まったのはここ10年で1度だけ。4歳馬の相手としては次点の5歳でも何ら問題なし。
押さえには年齢とハンデが一致したアンヴァルとラブカンプー、そして前走着順とハンデが一致したディアンドルの3頭。
人気馬ではミラアイトーンがハンデ、モズスーパーフレアは脚質で減点。ともにデータ上はかなり確率が低いので消し。昨年の覇者アレスバローズに至っては全て一致せず。これも自信を持って消せる。
結論はシャドウノエルが中心で、カラクレナイを本線にアンヴァル、ラブカンプーが押さえ。馬券はシャドウノエルからカラクレナイに馬連2000円、アンヴァル、ラブカンプーに馬連1000円ずつ。最近は2、3着が多いので余った1000円でシャドウノエルとカラクレナイのワイド1000円を押さえる。
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《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想や「最終逆転」コーナーを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて地方競馬を中心に予想・記事を執筆中。