今年の小倉は例年ほど時計が速くない
過去10年では、馬券に絡んだ30頭のうち半分に当たる15頭が6番人気以下の馬となるなど、波乱の決着となることが多い北九州記念(GⅢ・芝1200m)。今年は同レース連覇を狙うアレスバローズ、3歳馬で現在5連勝中のディアンドルなど好メンバーがそろった。実績ある馬がしっかりと結果を残すのか、それとも今年も荒れるレースとなるのか、先週の馬場傾向と過去10年の上がりタイム、各馬の適性から分析していく。
先週末の8月10日、11日に小倉競馬場で行われた芝のレースの結果は以下の通り。
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芝1200mでは7レースが行われた。土曜日に行われた3歳以上1勝クラスを勝利したメイショウキョウジがマークした1:08.0が最速だったが、例年の小倉競馬では1勝クラスでも1:07秒台の決着となることも多いだけに、特段速い時計が出る馬場ではないと言える。
勝ち馬の上がりタイムも全体平均で35.5、1200m戦に限定すると35.1となっており、33秒台の上がりで勝利した馬はいなかった。しかし、先述したメイショウキョウジが34.0を使っているので、重賞クラスであれば、33秒台の上がりを使う馬が勝ち負けすることになるだろう。
脚質別では依然として、逃げ・先行が有利ではあるものの、全く差しが決まらないわけでもない。重賞クラスの1200m戦であれば、先行争いが激しくなることも多いので、差し馬も押さえておいた方がよさそうだ。
33秒台前半の上がり決着にはならない?
続いて過去10年の北九州記念で3着以内に入った馬の上がりタイムを見ていく。
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勝利した10頭うち、半分にあたる5頭が33秒台の末脚を使っており、平均すると33.9というデータが見られた。なお2着馬の平均は34.2、3着馬の平均は34.3となっている。しかし、先週の1200m戦で勝利した馬の平均の上がりが35.1だったことを考慮すると、2013年や2015年のような上がりタイムにはならないのではないだろうか。
平均の上がりタイムから予想を行うという観点からは、33.9という数字を基準として考えていくが、平均が33.9より速い馬と遅い馬を比較する場合は、平均が34秒台の馬を優先するべきだと考える。
0.1秒の差であれば実績を信頼
これらのデータを踏まえて、今年のメンバーからピックアップしたのは以下の5頭。
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最も33.9に近かったのは1200mで馬券に絡んだ時の平均上がりが34.0だったディープダイバー。しかし、1200mで馬券に絡んだのは3走前の1回のみ。この距離自体2回しか使っていないだけに、どこまで信用していいのか、迷うところだ。
次に近かったのは+0.2で34.1だったアレスバローズ、そして-0.2で33.7だったミラアイトーンの2頭。
アレスバローズは、昨年の北九州記念の優勝馬でコース実績は文句なし。ハンデは昨年の56kgから57.5kgになるが、前走のCBC賞では2着となっていることからもこなしてくれそう。ディープダイバーとの差が0.1秒しかないのであれば、実績を信頼してこちらを本命とする。
ミラアイトーンは1200mを使われるようになって4連勝。高い適性を見せてくれている。しかし能力の高さを感じるがゆえに、いずれのレースももっと突き抜けても良さそうだという印象を受けた。56.5kgという斤量はやや見込まれた感もあり、平均上がりも33.7と基準より速いので、上記2頭より評価は上げられない。
3歳馬ディアンドルは前走の葵Sでは着差以上の完勝を見せた。上がり平均が34.5と特別切れるタイプではないが、先行脚質でハンデ52kgもプラスに働くだろう。以下、平均上がりが33.6と切れる脚が使えるカラクレナイも押さえておく。
▽北九州記念予想▽
◎アレスバローズ
○ディープダイバー
☆ミラアイトーン
△ディアンドル
△カラクレナイ
予算5000円の馬券は◎アレスバローズから馬連で印4頭へ各1000円で狙ってみる。今週末は札幌記念と北九州記念の2レースともに馬券対決となっているので、ここで好成績を残して更なるプラス収支にしていきたいところだ。
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