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【スプリングS】本命は前走2歳レコード更新のキングスコール 注目馬は穴馬激走の好走条件にただ一頭該当

スプリングSの前走1800m組の成績(過去10年)

ⒸSPAIA

混戦模様の前哨戦

今週日曜日、中山競馬場でGⅡ・スプリングSが行われる。新馬戦で阪神JF3着馬を負かしてレコード勝ちしたキングスコール、アイビーS2着のピコチャンブラックや1勝クラス勝ちから連闘で出走のレーヴブリリアントなど12頭が出走予定。今年は有力馬だったデンクマールが回避し混戦模様だ。

皐月賞との間隔が短いため、近年は有力馬の出走が減ってきているが、それでも直近の勝ち馬ベラジオオペラ(24年大阪杯勝ち馬)やシックスペンス(重賞3勝)はその後一線級で活躍している。今年はどの馬が制するのか。過去10年データから考えていく。

前走距離と当日人気が重要

スプリングSの前走距離別成績,ⒸSPAIA


<スプリングS 前走距離別成績>
同距離【4-2-3-33】
勝率9.5%/連対率14.3%/複勝率21.4%
距離延長【3-2-4-25】
勝率8.8%/連対率14.7%/複勝率26.5%
距離短縮【3-6-3-39】
勝率5.9%/連対率17.6%/複勝率23.5%
(うち3番人気以内)
同距離【2-1-1-4】
勝率25.0%/連対率37.5%/複勝率50.0%
距離延長【2-2-2-2】
勝率25.0%/連対率50.0%/複勝率75.0%
距離短縮【0-4-1-9】
勝率0.0%/連対率28.6%/複勝率35.7%

1800mという距離のため、2000mを使ってきた中距離馬とマイラーがぶつかる本レース。前走距離別で両者を比較していく。

まずは最多の4勝を挙げる同距離組。複勝率では他の組に劣っているが、当日3番人気以内なら【2-1-1-4】で単勝回収率も61%から135%にアップする。人気馬に限ると信頼度は高まる。

競馬場別では東京組が【3-1-1-15】と多く好走している。ここにダノンセンチュリーが該当するものの、初戦のレース内容が物足りない。前半1000m63秒2という超スローペースで後半800mが47秒3。同日、小雨が降り続いた後に行われたセントポーリア賞(前半1000m60秒8、後半800m47秒4)と比べるとかなり見劣りする。そのため今回は見送る。

その他、小倉【0-0-0-3】、京都【0-0-1-5】とどちらも振るわない。なお、キングスコールと同じ札幌からの直行はデータがない。

次に距離延長組。こちらは同距離組以上に人気馬の成績がよく、3番人気以内は複勝率が75.0%。また、人気問わず前走中山が【1-1-2-3】、そのうち前走1勝クラス勝利だと【1-1-1-1】で、23年のメタルスピード(8番人気3着)など穴馬が激走した例もある。連闘だがレーヴブリリアントは侮れない。

最後に距離短縮組。全体の複勝率は他と大きく変わらないが、3番人気以内が【0-4-1-9】複勝率35.7%と他と比べ苦戦している。

その中で頑張っているのが【0-1-2-3】の前走ホープフルS組(※GⅡ時代含む)。22年にはサトノヘリオスが前走13着から3着に好走した。

最後に前走に限らず「1800m以下のJRA1勝クラス以上で連対歴がある馬」という条件でみると【6-6-7-44】複勝率30.2%。当日2番人気以内なら【3-5-3-5】複勝率68.8%だった。アイビーS2着のピコチャンブラックには重い印を打つ。

休養明けも能力はメンバートップ

◎キングスコール
7月開催の札幌芝1800m新馬戦を1分47秒8で勝利。ソダシが持っていた2歳レコードを0秒4塗り替えた(斤量はソダシより1kg重かった)。2着馬は後の阪神JF3着馬テリオスララであり、相手も申し分ない。

スプリングSで前走新馬、未勝利勝ちは【0-0-1-17】と結果が出ていないが、そもそも5番人気以内の馬が1頭しかおらず、その馬が3着だった(21年ボーデン)。

骨折して7か月半ぶりは不安材料だが、前走同様の力が発揮できれば圧勝するだけの力は間違いなくある。本命評価は揺るがない。

◯ピコチャンブラック
福島の新馬戦を1秒1差で逃げ切り勝ちし、1番人気のアイビーSは2着。同レースは2番手から上がり3F33秒9の脚を使っており、走破時計1分46秒0も優秀。内容は悪くなく、勝ち馬が強かったと考えていい。

その勝ち馬マスカレードボールはホープフルSで大敗。しかしその後は共同通信杯を勝利しているように能力は高い。本馬も前走は大敗したが悲観する必要はない。キングスコールほど飛びぬけた力は見せていないが、今回のメンバーなら好走可能だ。

▲マテンロウバローズ
マイルで2戦2勝。距離延長の上位人気馬は信頼度が高いというデータがあった。前走は2着とタイム差なしだが、前半4F48秒1というスローペースを最後方から差し切っており、評価できる。

しかし本レースは先行有利の傾向があり、過去10年で追込【0-0-1-36】、前走追込【0-0-1-15】と苦戦している。その点で3番手評価とした。

以下レーヴブリリアントまで印を回す。馬券は◎◯-4頭の馬連で勝負する。

▽スプリングS予想▽
◎キングスコール
◯ピコチャンブラック
▲マテンロウバローズ
△レーヴブリリアント

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。


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