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中谷潤人の盟友オラスクアガがフライ級の主役に? 京口紘人に判定勝ちでV2

2025 3/20 06:00SPAIA編集部
京口紘人に右をヒットするアンソニー・オラスクアガ,ⒸNAOKI FUKUDA

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京口からダウン奪い判定3-0

プロボクシングのWBOフライ級王者アンソニー・オラスクアガ(26=アメリカ)が13日に両国国技館で行われた2度目の防衛戦で京口紘人(31=ワタナベ)に判定勝ちした。

IBFミニマム級、WBAライトフライ級に続いて3階級制覇を狙った京口と一進一退の攻防を繰り広げたが、持ち前の強打で徐々にペースをつかむ。11回には左アッパーが顎をかするようにヒットし、同時に右を放った京口がバランスを崩してダウン。これが決定打となり、114―113、117―110、118―109のユナニマスデシジョンで王者の手が上がった。

オラスクアガは2020年9月にプロデビュー。わずか3戦目でWBAラテンアメリカの地域タイトルを奪い、2023年4月には6戦目で当時WBA・WBCライトフライ級王者だった寺地拳四朗(33=B.M.B)に挑戦した。

結果的には9回TKOで敗れたが、試合後に拳四朗が涙をこぼすほどの死闘。元々、拳四朗と対戦予定だった別の選手がマイコプラズマ肺炎に感染して欠場したための代役だったが、オラスクアガはこの試合で一気に評価を高めた。

そして、2024年7月に加納陸(大成)とのWBOフライ級王座決定戦に3回KO勝ちしてベルト奪取。アマチュアで23戦、プロでも9勝(6KO)1敗と10戦しかしていないものの、スーパーフライ級転向を視野に入れるWBA・WBC同級王者の拳四朗がベルトを返上すれば、フライ級を制圧する可能性もある。

アメリカ・ロサンゼルスのジムで現WBCバンタム級王者・中谷潤人(M.T)と一緒にトレーニングを積んでいることは知られているが、帝拳がプロモートしている上、U-NEXTのライブ配信で日本での知名度も高いことから、今後も日本のリングに上がる機会は多いだろう。

WBA・WBC王者の寺地拳四朗はスーパーフライ級転向も視野

現在のフライ級戦線は、WBAとWBCがオラスクアガvs京口と同じリングでユーリ阿久井政悟との統一戦を制した寺地拳四朗、IBFはアンヘル・アヤラ(24=メキシコ)が王座に就いている。

3月29日に愛知県国際展示場で矢吹正道(LUSH緑)と初防衛戦に臨むアヤラは18戦全勝(8KO)。身長168センチとフライ級にしては長身で、右構えから左ジャブを中心に組み立てるボクサーファイターだ。

長身のわりにベタ足気味でフットワークはあまり使わず、好戦的な一面をのぞかせる。王座を獲得したデーブ・アポリナリオ(フィリピン)戦ではボディブローでダウンを奪って6回KO勝ちしており、KO率以上にパワーもありそうだ。

アヤラはその後の統一戦にも意欲を見せており、42勝(35KO)4敗のIBF1位フェリックス・アルバラード(ニカラグア)との指名試合のタイミングもあるが、オラスクアガとの統一戦が近いうちに実現する可能性もある。

拳四朗は一度勝っているオラスクアガとの再戦には後ろ向き。拳四朗がフライ級に留まるか、3階級制覇を狙ってスーパーフライ級に上げるかで状況は変わるが、今後はオラスクアガがフライ級戦線の中心となるかもしれない。

アンソニー・オラスクアガ

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