傾向解説
天皇賞(春)の最重要ステップレースに位置づけられる阪神大賞典。別定GⅡという実績馬が出走しやすい条件から他の3000m超の重賞よりもレースの格が高い一戦です。昨年は本レースの勝ち馬であるテーオーロイヤルが天皇賞(春)も制しています。
本記事では血統面を中心に、阪神大賞典のレース傾向を整理していきます。
まず紹介したいデータは単勝オッズ別成績。前述の通り、別定GⅡという賞金面でも斤量面でも実績馬が出走しやすいレース条件のため、芝3000m戦という特殊な条件ではあるものの、地力の足りない馬が適性だけで逆転できるようなレースとはいえないでしょう。
格上馬の出走頭数によってはチャンスが生まれますが、連対馬20頭中19頭が単勝オッズ19.9倍以下、勝ち馬においては10頭中9頭が同9.9倍以下というデータからも、ある程度人気を集めるような格上馬から狙うのが好手といえそうです。
<単勝オッズ別成績(過去10年)>
19.9倍以下【10-9-6-23/48】
勝率20.8%/連対率39.6%/複勝率52.1%/単回収率77%/複回収率115%
20.0倍以上【0-1-4-65/70】
勝率0.0%/連対率1.4%/複勝率7.1%/単回収率0%/複回収率61%
血統面ではディープインパクトやステイゴールドなどサンデーサイレンス系の中でも長距離適性の高い種牡馬に注目です。
ディープインパクトやステイゴールドの直仔は少なくなってきましたが、2021、22年の1着馬ディープボンドはディープインパクト系キズナ産駒、2022年の2、3着馬はステイゴールド系オルフェーヴル産駒と孫世代においても両父系のスタミナはしっかりと継承されています。
また、昨年は6番人気2着のワープスピードが母父ディープインパクトと母方に持つ形でも好走。特に小柄な馬はステイヤーの可能性が高いため、馬体重にも注目してみるとさらに適性評価の精度は高まるでしょう。
ちなみに、ステイゴールド内包馬の成績は特筆するほどではありませんが、人気薄での4~5着が非常に多い点は特徴的。昨年も7番人気4着プリュムドールと8番人気5着ゴールデンスナップがともにステイゴールド系ゴールドシップ産駒でした。適性面についてはディープインパクトとともに最上位の評価を与えたい名種牡馬です。
<血統別成績(単勝オッズ19.9倍以下・過去10年)>
ディープインパクト内包馬【4-3-2-6/15】
勝率26.7%/連対率46.7%/複勝率60.0%/単回収率104%/複回収率172%
ステイゴールド内包馬【2-1-1-5/9】
勝率22.2%/連対率33.3%/複勝率44.4%/単回収率80%/複回収率75%