ロードカナロアも敗れた北のスプリント戦
今週は函館スプリントSが開催される。3歳と古馬が激突する一戦で、過去には多くの波乱も巻き起こった。
世代間の力関係が明らかになるだけでなく、洋芝であることも含めて荒れる要素は少なくない。今回はそんな函館スプリントSの記録を振り返る。なお、データは前身の札幌スプリントS時代を含む1994年以降とする。
多くのファンにとって印象深い一戦といえば、2012年のロードカナロアの敗北だろうか。
前走の高松宮記念ではGⅠ初挑戦で3着に敗れたが、1200m戦では7戦6勝と素晴らしい成績を収めていた4歳馬。夏の始動戦として選ばれた函館スプリントSは必勝と思われたなか、そこに立ちふさがったのが1歳上のドリームバレンチノだった。
直線でゴチャついたロードカナロアを尻目に、3/4馬身差で勝利。秋にGⅠを制して世界へと羽ばたく強豪を撃破したドリームバレンチノは、翌年の2013年秋からダートに転向。2014年のJBCスプリントを制覇した。
圧倒的な人気を背負ったロードカナロアの単勝オッズは1.3倍。これはレース史上2番目の単勝オッズだった。1位は2002年のショウナンカンプで1.2倍。しかし、こちらも結果は4着に終わった。ロードカナロアに次ぐ歴代3位の単勝オッズとなった2014年のストレイトガールも単勝1.6倍で11着に敗れている。
過去に単勝1倍台の人気を集めた馬は7頭いるが、勝ったのは2頭だけ。優勝馬の最低オッズは2003年の勝ち馬ビリーヴの1.7倍となっている。前走の安田記念では12着と大敗を喫していたが、大得意のスプリント戦では信頼度も高く、アグネスソニックやタイキトレジャーといった牡馬の強豪をおさえて圧倒的な支持を集め、2馬身差の快勝を収めた。
ちなみに、過去に1番人気で函館スプリントSを制したのはキンシャサノキセキやカレンチャンなど9頭。このなかで最もオッズが高かったのは2009年のグランプリエンゼルで、単勝オッズは4.1倍だった。この年は2着にタニノマティーニが入り、1着は斤量51kgの3歳牝馬、2着は斤量57kgの牡馬という対照的な2頭でのワンツーだった。