「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」

【京都記念】地力最上位はサンレイポケットも注目は4歳世代

2022 2/10 06:00坂上明大
イメージ画像,ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

素質馬2頭の個性に注目

昨年同様に阪神芝2200mに舞台を移して行われる京都記念。別定戦でドバイシーマクラシックや大阪杯のステップに使われる反面、GⅡで賞金が高いだけにここを目標とする馬も多い。純粋な地力だけでなく、調整面にも気を使わなければならない一戦だ。

2022年京都記念の参考レース

【ジャパンC】
乾燥した馬場状態で時計は速め。内外の極端なバイアスはなく、東京競馬場らしい末脚の伸びる馬場状態であった。レースはアリストテレスがハナを切ったが、向正面でキセキがマクッて行く展開に。キセキの後半1600mは11.5-11.2-11.3-11.6-11.7-11.8-12.2-12.6程度。前半1000m62.2のスローペースではあったが、後半はしっかりと持続力が求められる展開となった。

4着馬サンレイポケットは先行策から息の長い末脚。上位馬には一気に突き放されたが、ラスト1Fでは差を詰めており、ジャングルポケット産駒らしい素晴らしい持続力を見せた。持ち味が活きる阪神芝2200mも合うだろう。ただ、フォトパドックを見る限りでは久々の分、やや余裕残しの仕上げになりそうだ。

6着馬ユーバーレーベンは休み明け2戦目でパンプアップ。中団馬群で脚をタメ、直線は上がり3F2位タイの末脚で追い込んだ。ブライアンズタイムの影響が強い腹袋の立派な馬体で、タフな競馬になればなるほど力を発揮する。阪神芝2200m替わりも大歓迎だ。

超スローペースの前残り競馬

【チャレンジC】
マイネルフラップが先手を取り、ソーヴァリアントが2番手でピッタリマーク。前後半1000m62.9-58.1のスローペースだが、3番手以降は追いかけることをしなかった。直線向かい風も相まって前有利と評価。

4着馬ジェラルディーナは中団のインで折り合いに専念したが、それでも終始行きたがる面を見せ、直線でも目立った脚は使えなかった。展開が向かなかった面はあるが、今回も逃げ馬不在の顔ぶれだけに折り合い面が課題となりそうだ。

メンバーレベルに疑問符

【中山金杯】
年末開催のAコースからCコースに替わって仮柵が6m外へ移動。ただ、傷んだ部分はカバーされたが、例年のような極端な内有利のトラックバイアスとはならなかった。レースは前半1000m62.0とスローペースで流れたが、1000m過ぎでジェットモーションがマクッていったことで1000~1200mは11.0を計時。ペースアップが早過ぎたため、十分に差しが届く展開となった。

1着馬レッドガランは好位追走から抜け出して善戦続きに終止符。Kingmambo+Roberto配合馬らしい機動力と馬力を武器に、2着馬に2馬身半差のつける快勝を挙げた。ただ、2着馬スカーフェイスはチャレンジCの5着馬で、3着馬ヒートオンビートも同レースの2着馬。そして、そのチャレンジCもメンバーレベルに疑問符がつく顔ぶれだっただけに、GⅡのここで威張れるようなレースではなかったか。

4着馬タガノディアマンテは後方のインでジッと脚をタメたが、末脚はレッドガランと同程度。それであれば、前半で脚を使っているレッドガランの方が当然評価は高い。

今週も4歳世代に注目

地力最上位はサンレイポケットだが、調整面も考慮すればユーバーレーベンの方が期待は大きい。休み明けの牝馬で冬毛も伸びているが、筋肉の張りは良く、1週前追い切りでは同馬らしい伸びやかな走りを見せた。また、今週も強い4歳牡馬勢は軽視できず、Sadler's Wells的な底力が持ち味のレッドジェネシスにも注目したい。

注目馬:ユーバーレーベン、レッドジェネシス

※記事内の個別ラップは筆者が独自に計測したものであり、公式発表の時計ではありません。

ライタープロフィール
坂上明大
1992年生まれ、岐阜県出身。元競馬専門紙トラックマン(栗東)。2019年より競馬情報誌サラブレにて「種牡馬のトリセツ」「新馬戦勝ち馬全頭Check!」などの連載をスタートさせ、生駒永観氏と共同執筆で『血統のトリセツ』(KADOKAWA)を上梓。現在はYouTubeチャンネル『競馬オタク』を中心に活動し、パドック解説や番組出演、映像制作、Webメディアでの連載もこなす。



《関連記事》
【京都記念】波乱の目はなし!? ハイブリッド式消去法が導いた結論はガチガチ本命決着
【京都記念】2200mならレッドジェネシス 侮れない2頭、レッドガラン、アフリカンゴールド!
【共同通信杯】ジオグリフより世代屈指の決め手アサヒ、スピード上位のダノンスコーピオンを評価!

 コメント(0件)
    SPAIAちゃんねるバナー