ドゥラドーレス1.45.7に続けるか
昨年はエフフォーリアが1.47.6で快勝。2着ヴィクティファルスはスプリングS優勝、3着はダービー馬シャフリヤール、5着ステラヴェローチェと世代屈指のハイレベルレースだった。かつて共同通信杯からクラシック直行はゴールドシップ、イスラボニータ、ディーマジェスティが皐月賞を制し、必勝ローテとされていた。エフフォーリアの皐月賞はディーマジェスティ以来5年ぶりの記録。今年、それに続く馬が現れるだろう。
舞台の東京芝1800mは開幕週セントポーリア賞でドゥラドーレスが1.45.7を記録。共同通信杯でこれを上回る時計は記録されていない。ウィズグレイスが前半1000m58.3で飛ばしたことも大きく、単純な評価はできないものの、当日良馬場であれば、今年も高次元の争いを期待したい。ここでは過去10年間のデータを使用し、共同通信杯の傾向を探っていきたい。
1番人気は【1-3-1-5】勝率10.0%、複勝率50.0%、イメージほど強くない。ただエフフォーリアも4番人気だったように、時期的に比較が難しく、序列を決めにくいという側面もある。各馬の戦歴を注意深く検討したい。
一方で4番人気以内は【8-7-8-17】で上位評価された馬は手堅く、大荒れは想定しにくい。しいてあげれば、6番人気【2-1-0-7】勝率20.0%、複勝率30.0%が面白い程度。基本的に頭数も少なく、堅いレースだ。
ポイントはキャリア4戦以内
次はキャリアに注目する。3歳2月の重賞とあって、キャリアは予想する上で大事な指標になるので、見ていきたい。
新馬勝ちたての1戦は【1-2-2-6】勝率9.1%、複勝率45.5%、複勝回収値146で、新馬組は複穴っぽい馬も出現する。成績がいいのは2~4戦で【9-7-7-49】。5戦は【0-0-0-10】、6戦以上【0-1-1-13】、やはりキャリアが少ない馬に注目したい。
まずは新馬組について距離別成績をみる。同距離1800mの新馬だった馬は【1-2-1-1】勝率20.0%、複勝率80.0%と好成績。また2000mも1頭しかいないが、【0-0-1-0】。20年2番人気3着フィリオアレグロがいる。今年はダノンベルーガが出走予定。好素材が集まる中距離新馬勝ちは注目だ。逆に1600m以下だと【0-0-0-5】。
次はキャリア2戦以上について掘り下げよう。前走未勝利だった馬は【0-0-0-9】とさっぱり。ジュンブロッサムなど過信禁物だろう。注目は前走1勝クラス【4-2-2-26】勝率11.8%、複勝率23.5%だ。
新馬組と同じように前走1勝クラスの距離別成績を出すと、1600m【1-0-1-3】勝率20.0%、複勝率40.0%、1800m【0-2-0-7】複勝率22.2%と好走できるものの、回収値はイマイチ。いいのは前走2000m【3-0-1-15】勝率15.8%、複勝率21.1%、単勝回収値138。見つけたら注意しよう。
アサヒかダノンスコーピオン
最後に今年の出走予定馬に多い前走重賞組について探っていく。重賞組は【4-5-6-31】勝率8.7%、複勝率32.6%、単複回収値は69,113。重賞からここに来る馬は当然人気に支持される馬も多いが、穴っぽいところも出現する。しっかり検討したい。
アサヒが当てはまる前走東スポ杯は【2-1-1-2】勝率33.3%、複勝率66.7%と好成績。上がり3位以内だった馬は【1-1-1-1】。アサヒはキャリア4戦、つねに決め手上位の馬だけにここも有力だろう。
朝日杯FS組は【0-3-0-3】複勝率50.0%で勝ち馬が出ておらず、取り扱いに注意したい。昨年ステラヴェローチェも1番人気5着。マイルから中距離へのシフトも課題だが、なにより12月のGⅠと春クラシックの狭間で、ひと叩きといったニュアンスもあり、見極めが難しい。今年も3着ダノンスコーピオン、5着ジオグリフと上位人気が予想される馬が出走する。過去のデータから朝日杯FS組はある程度流れに乗っていた馬の成績がよく、評価するならジオグリフよりダノンスコーピオンではないか。
ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュース個人オーサーを務める。共著『競馬 伝説の名勝負』シリーズ全4作(星海社新書)。
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