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【京都記念】2200mならレッドジェネシス 侮れない2頭、レッドガラン、アフリカンゴールド!

2022 2/6 17:00勝木淳
京都記念インフォグラフィック,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

クセが強い阪神芝2200m

京都記念は今年も春の阪神開幕週。関西圏は変則開催のため、春が関東よりはるか先にやってくる。とはいえ、まだまだ2月2週目、暦は春でも寒の底からは抜けられない。それでも春の阪神がはじまる。気分だけでも春めいていきたい。

伝統の京都記念は近年、ドバイ遠征の壮行レースという顔がある。今年もここに出走するオークス馬ユーバーレーベンがドバイシーマクラシックに登録。ドバイに限らず、春への始動戦であり、GⅠへの挑戦権をかけた戦いでもある。ここでは12年以降、阪神芝2200m、古馬3勝クラス以上の19レースのデータから好走傾向を調べていく。

阪神芝2200mといえば、宝塚記念と同じ。スタート直後に正面直線部分を目一杯使い、勝負所は内回り、400mで割れない、いわゆる非根幹距離であり、変則的な舞台。そのためか施行回数が少なく、クセが強い。コース傾向をつかめば京都記念に限らず、おいしい馬券にありつける可能性はある。


過去10年同条件人気別成績,ⒸSPAIA


まず人気別成績から。1番人気は【5-5-3-6】勝率26.3%、複勝率68.4%。勝率は若干劣るものの、複勝率は合格ラインにあり、軸としては頼りになる。2番人気【5-1-3-10】勝率26.3%、複勝率47.4%、3番人気【3-2-1-13】勝率15.8%、複勝率31.6%、堅実なのはここまで。4番人気から8番人気までは1勝ずつ、複勝率は6番人気31.6%までは横一線。ざっくりとらえれば、6番人気以内で決まる確率が高いコースだ。


過去10年同条件種牡馬別成績,ⒸSPAIA


次に血統面。種牡馬別成績をみると、中距離でありながらディープインパクトは【2-6-6-44】勝率3.4%、複勝率24.1%、着度数別3位で勝ちきれない。これも阪神芝2200mの特殊性を示すデータのひとつ。宝塚記念も12年以降だと伏兵の激走はあるものの、勝ったのは16年8番人気マリアライトのみ。同馬はエリザベス女王杯V、目黒記念2着、日経賞3着と非根幹距離に強かった。今年は2200mの京都新聞杯を勝ったレッドジェネシスやマカヒキなどが控える。

トップはキングカメハメハ【4-4-1-21】勝率13.3%、複勝率30.0%、次位ステイゴールドは【4-1-0-13】勝率22.2%、複勝率27.8%と勝率が高い。宝塚記念での強さを考えれば納得だ。ここ2走重賞善戦中のアフリカンゴールドがいる。ステイゴールド系に広げれば、ゴールドシップのユーバーレーベン、オルフェーヴルのタガノディアマンテ、ディアマンミノルなど候補は多い。


距離延長は先行、短縮は差し馬に注目

上位人気堅実、ステイゴールド系に注意といった基本的なデータを抑えたところで、ここからは前走距離に注目、好走パターンについてさらに掘り下げたい。


過去10年同条件前走距離別成績,ⒸSPAIA


まず前走2200m【1-2-1-24】勝率3.6%、複勝率14.3%は取り扱いに注意。このデータから日経新春杯組のアフリカンゴールドなどを軽視するのは危険だ。というのも、そもそも2200mはレース数が少なく、重賞でなければ、2000mや2400mと比べるとレベルも低く、ほかの距離からきた馬に劣りがち。それが距離別データに表れているといえる。日経新春杯は残り1000m付近からペースアップ、最後の800m11.8-11.4-11.8-11.9の持続力勝負。先行して5着に踏ん張ったアフリカンゴールドの評価は下げたくない。

残りの2200m未満【9-10-7-84】勝率8.2%、複勝率23.6%、2200m超【9-7-11-77】勝率8.7%、複勝率26.0%と互角。


過去10年同条件距離延長組着順別成績,ⒸSPAIA


前走2200m未満のいわゆる延長組の前走着順をみると、1着が【1-3-2-16】勝率4.5%、複勝率27.3%と勝ちきれないのは気になるが、これは昇級馬も含まれるので、気をつけたい。2着【2-2-1-8】勝率15.4%、複勝率38.5%、3着【3-1-1-4】勝率33.3%、複勝率55.6%と基本好走組がいい。中山金杯組なども侮れない。


過去10年同条件距離延長組脚質別成績,ⒸSPAIA


延長組の前走位置取り別成績を出すと、逃げ【1-1-2-6】勝率10.0%、複勝率40.0%、先行【4-3-1-18】勝率15.4%、複勝率30.8%と前にいく馬の成績がいい。ここに中山金杯を勝ったレッドガランも当てはまる。差してきたジェラルディーナなどより上位に評価したい。


過去10年同条件距離短縮組着順別成績,ⒸSPAIA


短縮組も着順別成績をみると、前走2着【2-1-2-6】勝率18.2%、複勝率45.5%、5着【1-1-2-6】勝率10.0%、複勝率40.0%と掲示板以内がいい。一方で前走10着以下も【3-1-1-15】勝率15.0%、複勝率25.0%と油断できない。前走菊花賞13着レッドジェネシス、ジャパンC14着マカヒキと万葉S5着ディアマンミノルなどが当てはまる。


過去10年同条件距離短縮組脚質別成績,ⒸSPAIA


短縮組の前走位置取り別成績は延長組とは異なり、先行【1-2-4-22】勝率3.4%、複勝率24.1%に対し、中団【3-1-3-27】勝率8.8%、複勝率20.6%、後方【3-2-0-16】勝率14.3%、複勝率23.8%。後ろに控えた組も十分戦える。逃げた馬【0-1-2-4】複勝率42.9%に注意しつつ、控えた組も狙ってみたい。上記3頭はいずれも前走中団か後方、狙いは立つ。

ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュース個人オーサーを務める。共著『競馬 伝説の名勝負』シリーズ全4作(星海社新書)。


京都記念インフォグラフィック2,ⒸSPAIA



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