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【2022年引退調教師(後編)】堀井雅広、高橋祥泰、古賀史生、柄崎孝師の成績と活躍馬 アポロマーベリックや皐月賞馬ドクタースパート

2022 2/8 17:00高橋楓
2022年2月定年となる調教師の通算成績,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

2年連続最優秀障害馬アポロマーベリック!「堀井雅広」調教師

私がまだ秋田県に住んでいたころ地元の高校に通っていたのだが、校舎までの急な坂道にズラッと桜が植樹されていた。その道を「桜坂」と地元民は呼んでいたのだが、今でもハッキリとその風景を思い出す事が出来る。

3年間落ちこぼれで赤点ばかりだった私にとって、高校時代はあまり振り返りたくないのだが、あの桜坂は入学と卒業を思い出す一つのトリガーになっている。さて、競馬界は免許更新の関係で2月末が別れの季節。そこで先週に引き続き、ご勇退される調教師の方々の成績や主な活躍馬を振り返ってみたい。

堀井雅広 調教師 成績一覧(1951年12月4日うまれ),ⒸSPAIA


まずは1951年12月4日うまれの堀井雅広調教師。1995年3月のデビュー以降、2月4日までに[433-481-547-6417]の成績をあげ、重賞は17勝している。

キャリアハイは2001年の[25-19-18-278]で全国リーディング31位。この年はシベリアンメドウが京王杯2歳Sを制する等活躍した。2021年以降も[18-20-30-280]と安定した成績を残している。

堀井雅広 厩舎 主な活躍馬一覧,ⒸSPAIA


次に堀井厩舎の主な活躍馬を振り返ってみたい。
マイネルレコルト(2002年産・19戦4勝・04年 朝日杯FS)
アポロマーベリック(2009年産・31戦7勝・13年 中山大障害)
マイネルモルゲン(2000年産・37戦7勝・04年05年 京成杯AH連覇)

堀井厩舎と言えばアポロの冠やマイネル軍団が頭に浮かぶ。GⅠ制覇を果たしたマイネルレコルトもいるのだが、個人的にはアポロマーベリックが印象的だ。

父が同じ冠のアポロキングダム。五十嵐雄祐騎手とのコンビで2013年の中山大障害から2014年の中山グランドジャンプまでの3連勝、そして連覇を目指しレッドキングダムと対戦した中山大障害は実に思い出深い。

惜しくもレース中の事故により血を繋ぐことは出来なかったが、紛れもなく時代を彩った1頭だった。

1分32秒6の衝撃、タイキフォーチュン!「高橋祥泰」調教師

高橋祥泰 調教師 成績一覧(1952年1月31日うまれ),ⒸSPAIA


続いて1952年1月31日うまれの高橋祥泰調教師。1983年10月の初出走以降2月4日までに[624-677-620-5900]の成績を記録し重賞は12勝している。

キャリアハイは2000年の[29-22-24-164]で全国リーディング14位。2021年以降は[16-25-14-172]という成績を残している。

高橋祥泰 厩舎 主な活躍馬一覧,ⒸSPAIA


主な活躍馬を振り返ってみよう。
タイキフォーチュン(1993年産・15戦4勝・96年 NHKマイルカップ)
サウスヴィグラス(1996年産・33戦16勝・03年 JBCスプリント)
スマイルカナ(2017年産・17戦5勝・20年 ターコイズS)

他にも2月6日に東京新聞杯で好走したカラテや、珍名馬として人気だったモグモグパクパクも高橋祥泰厩舎の所属馬だ。活躍馬の中で印象的なのは第1回NHKマイルカップ優勝のタイキフォーチュン。直線半ばではすでに大勢を決していてゴールした瞬間に柴田善臣騎手が右手をあげたのだが、「1分32秒6」という勝ちタイムが聞こえてきた時には度肝を抜かれた。

それまでのコースレコードが、オグリキャップがアメリカ遠征を計画し、武豊騎手と初めてコンビを組んだ1990年の安田記念で記録した「1分32秒4」。そのタイムに若駒の4歳馬(現在の3歳馬)が0.2秒まで迫ったのだ。“外車”こと外国産馬のスピードに驚愕し、今後の日本競馬はどう発展していくのか妙に気分が高揚した思い出がある。

トキオパーフェクトと見た夢!「古賀史生」調教師

 古賀史生 調教師 成績一覧(1951年10月4日うまれ),ⒸSPAIA


次は1951年10月4日うまれの古賀史生調教師。1989年3月のデビュー以降2月4日までに[531-511-453-4634]の成績を記録し重賞は10勝。

キャリアハイは1998年の[30-24-10-118]で全国リーディング12位だった。この年は後にも登場するトキオパーフェクトやシンコウスプレンダで重賞3勝など大活躍の1年だった。

古賀史生 厩舎 主な活躍馬一覧,ⒸSPAIA


それでは古賀史生厩舎の活躍馬を振り返ってみよう。
トキオパーフェクト(1995年産・97戦19勝・98年 クリスタルC)
シンコウスプレンダ(1994年産・33戦9勝・98年 京成杯AH)
サーガノヴェル(1999年産・17戦4勝・02年 クリスタルC)

東北人の私としてはトキオパーフェクトが特に印象的だった。第3回NHKマイルカップに4戦全勝で登場し、エルコンドルパサー、ロードアックスと共に3強対決の一角だった本馬。ここでは距離の壁もあり惨敗したが、次走の中日スポーツ賞4歳Sでスプリント戦なら誰にも負けないスピードを披露したのがたまらなく格好良かった。

JRAでは28戦し[7-2-0-19]だった本馬だが、その後岩手競馬に移籍し[12-11-7-39]と活躍した。テレビの中で活躍していた馬が目の前で走っている事に当時の私は興奮したものだ。古賀厩舎×米国産馬のイメージはこの頃に強烈に記憶に刷り込まれたのだろう。

ドクタースパート&的場均で初GⅠ制覇!「柄崎孝」調教師

柄崎孝 調教師 成績一覧(1951年11月24日うまれ),ⒸSPAIA


最後に1951年11月24日うまれの柄崎孝調教師。1987年3月のデビュー以降[277-323-334-4825]で重賞は10勝。キャリアハイは1994年の[20-14-14-129]で全国リーディング63位だった。

柄崎孝 厩舎 主な活躍馬一覧,ⒸSPAIA


柄崎孝厩舎の主な活躍馬を振り返ってみよう。
ドクタースパート(1986年産・18戦7勝・89年 皐月賞)
トーワトリプル(1986年産・10戦4勝・90年 日経新春杯)
ゴールデンアイ(1988年産・41戦7勝・93年 函館記念)

やはり筆頭格はドクタースパートだろう。ハイセイコー以来2頭目になる地方競馬出身のクラシック制覇を成し遂げた。また、騎乗していた的場均騎手は嬉しいGⅠ初制覇となった。また、柄崎厩舎の活躍馬の中ではゴールデンアイも忘れられない。

というのも私の父が大好きな馬だったのだ。93年の函館記念を11番人気ながら直線で最後まで粘り込み重賞初制覇。お小遣いを運んできてくれた。そしてその年の天皇賞(秋)では17番人気ながら4着で複勝まであと一歩に迫った。

このレースを父と一緒に自宅のテレビで見ていたので、落ち込んでいるものかと思い振り返ってみると、渾身のガッツポーズをしている姿があった。ライスシャワーとナイスネイチャの馬連とゴールデンアイの複勝を買っていたはずなのだが。よくよく聞いてみると買っていたのは枠連。ナイスネイチャと同枠のヤマニンゼファーが勝ち、ライスシャワーと同枠のセキテイリュウオーが2着に入り、こっそり買っていた代用馬券が的中していたのだ。

しかし、家族の前で喜んでしまったのがいけなかった。そこそこの金額で購入した馬券は全額家族サービスに使う羽目に。ゴールデンアイの名前を目にすると、当時の思い出が鮮明に蘇ってくる。

2週にわたって本年で勇退する調教師7名の成績を振り返ってきたが、管理していた活躍馬の名前を見るたびに懐かしい気持ちと、あと1か月という寂しい気持ちとが入り混じる。残りの期間でしっかりとその雄姿を目に焼き付けたい。

《ライタープロフィール》
高橋楓。秋田県出身。
競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』にてライターデビュー。競馬、ボートレース、競輪の記事を中心に執筆している。

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