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【フェアリーS】勝ち馬は逃げ差し両極端 「隠れた勝ちパターン」重賞大敗スプリットザシー

2022 1/7 17:00佐藤永記
フェアリーSの差し馬成績,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

先行では勝てない特殊重賞

1月の3歳牝馬限定マイル重賞であるフェアリーSは、この条件ならではの「特殊さ」を持っている重賞だ。さらにいえば、前月に関西では2歳牝馬限定のマイルGⅠ・阪神JFが開催されており、ほぼそちらに出なかった馬が出走してくる。そのため出走馬の状況はさまざまとなり、レベルも年によって差が激しい。過去10年の脚質別成績を見ても、逃げ馬4勝、差し馬6勝で、先行馬がなんと0勝という極端な結果となっているのだ。

結果をさらに深堀りしてみると、今年はどちらが有力なのか分かるかもしれない。まずは逃げから見ていく。

フェアリーS過去10年脚質別成績


直近10年で4勝している逃げ馬だが、その前走でも逃げていた馬は2020年のスマイルカナただ1頭だけ。他の3頭は前走逃げではなかった。2016年勝ち馬のビービーバーレルは前走赤松賞では先行して3着。2015年勝ち馬のノットフォーマルも赤松賞で4角11番手から8着。2013年勝ち馬のクラウンロゼは前走が新馬で2番手から勝っての2戦目だった。

その後ターコイズSを勝つ実力があったスマイルカナ以外は、前走逃げていなくても「誰も逃げないなら逃げる」という馬が逃げ切っていることになる。そう考えると今年の出走馬は前走逃げている馬にブルトンクール、ポケットシンデレラの2頭がいる。いずれもマイル以上の距離で新馬か未勝利での逃げ切りだが、基本は逃げ希望だろう。今年の出走馬からは「意外な逃げ馬」は出てこない可能性が高いのではないかとみる。

差し馬で面白い前走重賞大敗組スプリットザシー

フェアリーS過去10年差し馬の前走脚質別成績


意外な逃げ馬が出てこない年は、差し馬からかもしれない。ちなみに、過去10年で差して勝った6頭のうち、前走戦法で逃げや先行だった馬はゼロ。昨年勝ち馬のファインルージュが前走未勝利勝ち時16頭中5番手からの競馬で、先行だったとも言えなくもないのだが、スタートからカカり気味のところ、鞍上のルメール騎手が手綱を引っ張って抑え、なんとか下げようとしていたが下がりきらずの5番手から勝ったもの。やろうとしたことは差しだったと考えれば、フェアリーSでの差し切り勝ちに繋がる内容だったといえよう。

フェアリーS過去10年差し馬の前走着順別成績


さらに、フェアリーSを差して勝った馬の前走成績は1着が4頭、10着以下での大敗が2頭とこれも両極端。2017年の勝ち馬ライジングリーズンは前走がアルテミスS13着、2012年の勝ち馬トーセンベニザクラは阪神JF10着の重賞大敗組だった。重賞を2ケタ着順で大敗した馬、に該当するのはスプリットザシーになる。隠れた勝ちパターンなので単勝を持っておきたい。

順調に前走も差しか追込みで勝った馬からはエリカヴィータ、スクルトゥーラ、ニシノラブウインクの3頭となる。人気寄りではあるが、これらには逆らわずに狙いたいところだ。

<ライタープロフィール>
佐藤永記
20代を公営ギャンブラーとして過ごし、30歳から公営競技の解説配信活動を開始。競馬を始め多くの公営競技ファンに各競技の面白さや予想の楽しみを伝えている。現在はYoutubeで配信活動を続けながらライターとして公営競技の垣根を超えて各所で執筆中。

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