注目は「菊花賞組」VS「ジャパンカップ組」
毎年、有馬記念が近づくと思い出す雪景色。私が秋田県に住んでいた時代にJRAの馬券が購入できるのは、テレトラック横手内のウインズ横手だけだった。
携帯電話があれば馬券を購入できるのだが、どうしても有馬記念だけは紙の馬券を握りしめたく、父を助手席に乗せ競馬談義に花を咲かせながら雪降る中で車を運転したのは良い思い出だ。
最後に一緒に買った馬券は親子で大ファンの武豊騎手騎乗、トレイルブレイザーだった。競馬ファンの夢をのせた有馬記念。今年はどんなドラマが待っているのだろうか。

はじめに過去10年間で馬券に絡んだ馬のローテーションを振り返ってみよう。
菊花賞 [4-1-2-4]
ジャパンカップ [2-3-6-48]
天皇賞(秋) [1-2-1-13]
凱旋門賞 [1-0-1-4]
コックスプレート [1-0-0-0]
アルゼンチン共和国杯 [1-0-0-5]
金鯱賞 [0-2-0-13]
エリザベス女王杯 [0-2-0-16]
好成績は前走で菊花賞、ジャパンカップを使われてきた組。まず菊花賞組は勝ち馬であれば[3-0-2-0]と複勝率100%。今年はタイトルホルダーが挑んでくるので注目だ。
2着以下だと[1-1-0-4]で4着からこのレースを勝ったブラストワンピース、16着から巻き返したトゥザワールドがいる。今年の場合4着のステラヴェローチェ、9着アサマノイタズラも出走が決まれば軽視はできない。
続いてジャパンカップ組。勝ち馬は[0-1-1-3]、2着馬は[0-0-0-5]と意外にも結び付かない傾向がある。2014年ジェンティルドンナは4着から、2017年キタサンブラックは3着からの巻き返しだった。また過去には2011年エイシンフラッシュが8着、トゥザグローリーは11着、2013年ゴールドシップは15着から馬券圏内に入っている。
ジャパンカップ組は有馬記念までにどれだけ余力が残っているか、もしくは回復しているかが大きなポイントになる。また、前走GⅡ以上のレースを走ってきた馬しか馬券に絡んでいない事は覚えておきたい。

また、年齢別の成績も振り返ってみたい。
3歳 [4-2-2-14]
4歳 [2-5-2-36]
5歳 [4-3-5-44]
6歳 [0-0-1-16]
7歳以上 [0-0-0-17]
勝ち馬は3~5歳馬で占められている。6歳馬以上で馬券に絡んだのは2018年の3着馬シュヴァルグランのみ。5歳馬までで馬券は組み立てるのが良さそうだ。
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まずは騎手部門。近10年間の成績をいつもならば5位までランキング化しているのだが、4位が同率で8人もいて大混戦。今回はベスト3を紹介していく。
1位 戸崎圭太 [9-8-2-30]
2位 C.ルメール [6-5-6-9]
3位 横山典弘 [6-1-7-30]
注目はC.ルメール騎手。勝率23.1%、連対率42.3%、複勝率65.4%と驚異的な数字を叩き出している。クロノジェネシスを有終の美に導けるか注目だ。そして今年は残念ながら騎乗がなさそうだが、吉田隼人騎手は[4-2-2-11]で勝率21.1%、複勝率42.1%のハイアベレージを記録している。

次に種牡馬編。
1位 ステイゴールド産駒[21-18-15-99]
2位 ディープインパクト産駒[9-8-12-91]
3位 ハーツクライ産駒[8-10-8-67]
4位 キングカメハメハ産駒[4-7-9-64]
5位 ルーラーシップ産駒[4-1-2-25]
断トツの1位はステイゴールド産駒。ただ1頭驚異的な数字をあげているが、直仔は不在で孫世代が2頭。今回は有馬記念という事もあり、登録馬の父について近10年間の当該コースでの種牡馬成績を列挙してみたい。
ヴィクトワールピサ産駒 [1-2-1-5]
エピファネイア産駒 [2-0-0-0]
オルフェーヴル産駒 [0-0-2-12]
キズナ産駒 [0-0-1-1]
キングカメハメハ産駒[4-7-9-64]
ゴールドシップ産駒 [0-3-0-3]
ディープブリランテ産駒 [0-1-0-6]
ドゥラメンテ産駒 [0-0-0-0]
ハーツクライ産駒[8-10-8-67]
ハービンジャー産駒 [3-0-4-19]
バゴ産駒 [1-0-0-2]
ブラックタイド産駒 [1-2-1-5]
ルーラーシップ産駒[4-1-2-25]
ロードカナロア産駒 [1-1-2-4]
出走馬が確定した際にはこれを参考に絞り込んでいきたい。
ステラヴェローチェが菊花賞4着から巻き返す!
本命は3歳馬のステラヴェローチェを指名する。2011~20年の菊花賞で神戸新聞杯の勝ち馬は[5-0-1-1]と好相性だったのだが、馬券圏内を外す結果となった。
ここまで良馬場では[0-1-1-2]に対し稍重以上だと[3-0-1-0]と成績がハッキリしている点が気がかりではあるが、父バゴということで良でも荒れた馬場なら苦にしないだろう。最後の切れ味は馬場不問なだけに外から飛んでくる姿を期待したい。
対抗は現在グランプリ3連覇中のクロノジェネシス。こちらもバゴ産駒である。昨年の有馬記念は中団でドッシリと構えて早めに先団にとりつくというレースを披露した。あとは海外帰りで、どこまで本調子に戻っているかが重要なチェックポイントだ。
3番手はエフフォーリア。距離がもてばという条件はついてくる。父エピファネイア×母父ハーツクライの配合の産駒は、イメージとしては2400mくらいがベストかと思いきや、勝ち星の最長はエフフォーリアの2000m。その点だけがどうしても気がかりとなっている。
配合を気にせず父エピファネイアのみに絞ると距離の融通はきいているのと、シンボリクリスエス以来史上4頭目の3歳馬による天皇賞(秋)制覇を称え3番手に推したい。以下、本来ならば本命候補だったタイトルホルダー、今年大ブレイクの母父キングヘイローのアサマノイタズラ、ディープボンドまで印を回したい。
タイトルホルダーは自分のペースで走れれば頭まで考えたいが、何がなんでも逃げたいパンサラッサが出走予定なだけに展開に注文がつきそうだ。
◎ステラヴェローチェ
◯クロノジェネシス
▲エフフォーリア
△タイトルホルダー
×アサマノイタズラ
×ディープボンド
《ライタープロフィール》
高橋楓。秋田県出身。
競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』にてライターデビュー。競馬、ボートレース、競輪の記事を中心に執筆している。
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