5つのデータから絞れた馬は?
先週の『チャンピオンズC』は、本命にオーヴェルニュを抜擢したが、厳しい競馬を強いられ、6着に敗れた。ただ印を回した5頭のうち3頭が馬券に絡み、三連複とワイドが的中。ようやく今年の回収率が50%に近づいた。
今週予想するのは2歳女王を決める『阪神JF』。フルゲート18頭に対し、23頭が登録。2勝馬のルージュラテールが回避したため、収得賞金が400万円の11頭が7つの枠をめぐって抽選対象となっている。ここではルージュラテールを除く22頭を対象に進めていきたい。今回も過去10年(11~20年)のデータを用いて、複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップし、当てはまった馬を順番に消していく。
『前走から距離延長』×『母父サンデーサイレンス系』★0.0%★
まず取り上げたいのが前走からの距離変動別データだ。注目したのは前走1600m未満を走っていた「距離延長組」。過去10年で89頭が出走し、【4-2-3-80】(複勝率10.1%)。かろうじて10%と苦戦している。この条件に掛け合わせるのが血統データ。今回は母父サンデーサイレンス系をピックアップした。過去10年の成績は【0-0-0-17】(同0.0%)で、全17頭が馬券圏外に沈んでいる。
今年このデータに当てはまったのは3頭。いずれも賞金を満たしているキミワクイーン、ナムラリコリス、そしてラブリイユアアイズが消去対象となった。
【今年の該当馬】
・キミワクイーン
・ナムラリコリス
・ラブリイユアアイズ
『前走初角4番手以下』×『前走上がり4位以下』★2.8%★
続いては前走時の最初のコーナー通過順とその時の上がり3ハロン時計の組み合わせだ。初角を4番手以下で通過し、かつ上がり時計が4位以下だった馬は36頭が該当。その成績は【0-1-0-35】(複勝率2.8%)と、ほとんどが4着以下だった。唯一馬券に絡んだのが、15年2着のウインファビラス。阪神外回りで行われるこのコースでは、速い上がりを出せないと苦しい戦いを強いられる。
今年これに当てはまったのは、アネゴハダなど4頭。ヒノクニを除く3頭は抽選対象となっているが、運良く出走できたとしても消しとしたい。
【今年の該当馬】
・アネゴハダ*
・シンシアウィッシュ*
・タナザウィング*
・ヒノクニ
『非社台系生産』×『キャリア4戦以上』★4.1%★
続いては再三取り上げている生産者別データから、今回も非社台系生産馬を見てみよう。過去10年の成績は【1-4-7-99】(複勝率10.8%)。社台系生産馬の複勝率が26.9%なので、その差は歴然だ。掛け合わせる条件は、これまでのレース数。阪神JFを前に4戦以上走った非社台系生産馬は過去10年で49頭いたが、その成績は【0-2-0-47】(同4.1%)。キャリア3戦以下の【1-2-7-52】(同16.1%)を大きく下回っている。
今年は4頭がこの条件に当てはまった。小倉2歳Sを快勝したナムラクレアなど新たに3頭を消去リストに加えたい。
【今年の該当馬】
・サウンドビバーチェ*
・トーホウラビアン*
・ナムラクレア
・(ヒノクニ)
『3月以降生まれ』×『前走馬体重450kg未満』★5.3%★
続いては2歳戦ということで、誕生月に注目した。取り上げたいのは3月以降に生まれた馬。過去10年の該当馬成績は【5-5-4-98】(複勝率12.5%)で、1~2月生まれの複勝率24.2%に大きく劣る。ただし3月以降に生まれた馬でも前走時の馬体重が450kg以上なら、【4-4-3-44】(同17.0%)とまずまず。一方、前走時が450kg未満の小柄な牝馬は【1-1-1-54】(同5.4%)と苦戦傾向にあった。
今年これに当てはまったのは9頭。うち5頭はすでに消去済みで、その他の4頭のうち2頭は抽選対象となっている。C.デムーロ騎手が騎乗予定で注目される2戦2勝馬ナミュールは消しという結論に至った。
【今年の該当馬】
・(アネゴハダ*)
・(キミワクイーン)
・サク*
・シークルーズ*
・(シンシアウィッシュ*)
・ダークペイジ
・(トーホウラビアン*)
・ナミュール
・(ラブリイユアアイズ)
『騎手乗り替わり』×『今回1~3枠』★4.2%★
最後は騎手と枠順に注目した。まだキャリアが浅い2歳戦だけに鞍上の乗り替わりはマイナス要素になり得るだろう。前走と同じ騎手が騎乗した場合は【8-6-5-68】(複勝率21.8%)。一方乗り替わり時は【2-4-5-80】(同12.1%)と、数字にも表れている。今回は鞍上が乗り替わり、かつ1~3枠の内目の枠に入った馬を対象とする。この条件に該当した馬は過去10年で24頭いたが、その成績は【0-0-1-23】(同4.2%)。4~8枠の【2-4-4-57】(同14.9%)と比べても苦戦していることが分かる。最後の消去条件はこの組み合わせを採用したい。
4つ目のデータを終えて残っていたのは8頭。このうち鞍上の乗り替わりが予定されているのは全兄がステルヴィオという良血馬のステルナティーアなど4頭。同馬以外の3頭は抽選を控えているが、もし突破しても1~3枠に入ったときは消しとしたい。
【今年の該当候補】
・スタティスティクス*
・ステルナティーア
・スプリットザシー*
・パーソナルハイ*
5つの消去データを経て確実に残るのは、ウォーターナビレラ、エンタングルメント*、サークルオブライフ、ベルクレスタの4頭。今のところ本命はサークルオブライフかベルクレスタのどちらかにするつもりだ。
抽選突破が条件の1戦1勝馬エンタングルメントは、鞍上が策士の横山典弘騎手。息子の活躍が目立ったこの1年だが、そろそろ父の威厳を見せたいところだろう。出走が叶えば、大穴候補として狙ってみたい。
【ライタープロフィール】
八木 遊
野球兼競馬ライター。スポーツデータ会社やテレビ局の校閲職などを経てフリーに。2021年から、恥を覚悟でTwitter(@Yuuu_Yagi11)にて全重賞の予想、買い目、年間収支を掲載中(12月5日時点の回収率は48.8%)。
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