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【阪神JF】アタマはベルクレスタ、相手候補はサークルオブライフ、ステルナティーアなど 上位拮抗の2歳女王決定戦!

2021 12/5 17:00勝木淳
阪神JFインフォグラフィック,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

キャリア4戦ナムラクレアは……

白毛馬初のGⅠ制覇からもう1年。ソダシが歩んだアルテミスS、阪神JF、桜花賞という道のりは牝馬クラシックの表街道。阪神JFと桜花賞のつながりは以前から強固なものだったが、そこにアルテミスSが加わるかどうか。今年はこれが焦点のひとつになりそうな組み合わせだ。ここでは過去10年分のデータから阪神JFの傾向を探っていく。


過去10年阪神JF人気別成績,ⒸSPAIA


もはや昔話に近いが、阪神芝1600mがおむすび型の紛れやすいレイアウトだった頃、このレースは波乱が多かった。92年9番人気スエヒロジョウオー、12番人気マイネピクシー、05年8番人気テイエムプリキュア、9番人気シークレットコードなどあげればキリがない。06年ウオッカが勝利した年から現在の外回りコースになり、堅い決着が目立つようになった。それでもこの10年で1番人気は【4-1-1-4】勝率40%、複勝率60%。勝利数と馬券圏外は同じ4頭。ここ4年は9、1、6、1着と白黒交互、相撲用語でいうヌケヌケ。今年は負ける番だろうか。

それでも極端な波乱は少なく、この10年、勝ち馬はすべて5番人気以内。複勝率ベースでみても6番人気以降は確率で見劣る。ヒモ荒れはないわけではないが、直近5年では19年6番人気2着マルターズディオサ、20年6番人気3着ユーバーレーベンがもっとも人気薄で、基本は上位堅実だ。


過去10年阪神JFキャリア別成績,ⒸSPAIA


昨年のソダシはキャリア3戦。このレースで好走した馬のキャリアとしては多い方で、2戦【5-4-5-32】勝率10.9%、複勝率30.4%がもっともいい。3戦も【4-3-4-51】勝率6.5%、複勝率17.7%で悪くなく、4戦だと【0-3-0-30】複勝率9.1%、5戦以上は【0-0-0-23】。キャリア2、3戦から選びたい。

なお抽選待ち必至のキャリア1戦は【1-0-1-12】勝率7.1%、複勝率14.3%。11年4番人気1着ジョワドヴィーヴル、12年10番人気3着レッドセシリアと好走例はたった2頭だ。2戦ステルナティーア、ダークペイジ、ナミュール、3戦はウォーターナビレラ、サークルオブライフ、ナムラリコリス、ベルクレスタ、ラブリイユアアイズなど候補は多い。重賞勝ち馬ではナムラクレアがキャリア4戦と危険水域にいる。


アルテミスS組はベルクレスタに逆転の予感

さすがにキャリア2、3戦組は数も多いので、ここからは前走成績をもとにもっと具体的な好走パターンを出し、絞っていきたい。


過去10年阪神JF前走クラス別成績,ⒸSPAIA


前走クラス別成績をみると、もっともいいのは前走GⅢ【7-5-5-57】勝率9.5%、複勝率23.0%。1勝クラス【1-4-2-42】勝率2.0%、複勝率14.3%、オープン【1-1-1-18】勝率4.8%、複勝率14.3%と比較しても好走確率は圧倒的。まずはここから。


過去10年阪神JF前走アルテミスS組着順別成績,ⒸSPAIA


まず前走アルテミスS【3-3-3-15】勝率12.5%、複勝率37.5%からみてみよう。14年から20年まで19年を除くすべての年で馬券に絡む有力ステップだ。その着順別成績をみると、前走1着【2-1-1-3】勝率28.6%、複勝率57.1%、前走2着【1-1-1-1】勝率25%、複勝率75%と好走馬が強力。

凡走組では5着【0-1-0-3】、6~9着【0-0-1-3】。掲示板を外して本番好走は20年ユーバーレーベンのみ。同馬は翌年のオークス馬。そう簡単ではなさそうだ。となると、1着サークルオブライフ、2着ベルクレスタを上位にとりたい。2頭を位置取りで比較すると、ベルクレスタが当てはまる先行【2-0-1-6】勝率22.2%、複勝率33.3%、一方サークルオブライフの中団は【0-3-1-4】複勝率50%。軸候補としては互角も、単勝ならベルクレスタが面白い。


過去10年阪神JF前走ファンタジーS組着順別成績,ⒸSPAIA


次に目立つのはファンタジーS【3-1-1-34】勝率7.7%、複勝率12.8%。主要ステップながら、以前からあまり相性のいいレースではない。しかし、18年ダノンファンタジー、19年レシステンシアと連勝し、盛り返しつつある。その着順別成績はアルテミスSより厳しく、2着以内【3-1-0-12】勝率18.8%、複勝率25%。残るは3着【0-0-1-1】で、4着以下は【0-0-0-21】。今年はウォーターナビレラ、ナムラクレアが好走ゾーン。5着アネゴハダはちょっと厳しいか。

今年のファンタジーSは昨年と同じく阪神芝内回り1400m。同じ競馬場でも内回りと外回りの差は大きく、昨年は1、2、5、10着馬が出走、本番4、6、5、8着だった。その前は2年連続で勝ち馬を出しただけに、今年も評価は下げるべきかもしれない。

最後に牡馬相手の重賞で走ったステルナティーア、ラブリイユアアイズについて。前者のサウジアラビアRC組は【0-0-1-1】。昨年4番人気14着だったインフィナイトが記憶に新しいところ。好走はその前年にあたる19年3番人気3着クラヴァシュドール。いずれもサウジアラビアRCはステルナティーアと同じ2着だった。

ラブリイユアアイズの京王杯2歳Sは【0-0-1-3】。16年3番人気3着レーヌミノルがいる。同馬は京王杯2歳S2着。凡走3頭は同5着以下だった。3着ラブリイユアアイズは悪くない。ただし、今年の京王杯2歳Sはスローペースの前残りで、とりたてて強調材料がないレースではあった。

ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュース公式コメンテーターを務める。共著『競馬 伝説の名勝負 2000-2004 00年代前半戦』(星海社新書)。


阪神JFインフォグラフィック2,ⒸSPAIA,ⒸSPAIA



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