今年は阪神競馬場
2021年10月17日、今年は阪神競馬場で行われる第26回秋華賞。牝馬三冠の最終戦を「エリザベス女王杯」から引き継いで、もう20年以上も経っている。そりゃ、年も取るはずである。さらに前身の「ビクトリアカップ」となると、名前すら知らないファンも多いかもしれない。
個人的に秋華賞といえばブゼンキャンドルが勝って荒れに荒れた1999年が印象に残っているのだが、過去の成績を調べていると2008年に3連単で1000万馬券が飛び出していた。最近のことより昔のことの方を覚えているのも、年を取った証拠らしいです。
その大波乱となった2008年は11-8-16番人気の順番。一方の1999年は12-10-2番人気の順番だったが、当時は3連単の発売がなかった。馬連に関しては1999年の方が高配当だったが、何せ2008年は3着馬が超人気薄。もし3連単があっても、さすがに1000万は超えていなかったか。
そんな景気のいい馬券が出たのも10年以上も前の話。とはいっても、これまで3連単が4ケタ配当だったのが4回しかないという一筋縄ではいかないレースなのは間違いない。当たれば大きそうだが、果たして人気薄の馬が来るパターンは存在するのか。せっかくなので、1000万円馬券が出た2008年を含む過去15年の成績を基にして検証していきたい。なお、これまでの25回はすべて京都競馬場で行われており、阪神競馬場で行われるのは初めて、さらにフルゲートは16頭となるのでご注意を。
まずは所属別から。出走頭数は美浦107頭、栗東は160頭。連対数は美浦8(3勝)、栗東が22(12勝)となっている。勝率、連対率も栗東所属馬が大きく上回っており、栗東所属馬が有利とみたい。秋華賞は年齢と性別が限定されているので、ここで差のあるデータが出たのは大きい。
続いてキャリア。9戦以上で参戦した109頭のうち、勝ったのは2017年のディアドラだけ。キャリア13戦を消化しており、例外中の例外といえる。この馬はのちに世界を股にかけて活躍するのだが、秋華賞の時点でタフさの片りんを見せていたということ。またサンプルは少ないが、キャリア3戦以内(4頭)で馬券に絡んだ馬はいない(今回は該当馬なし)。
さて、荒れるケースが多いこのレースだが、前走で条件戦を使っていた組(39頭)から勝ち馬は出ておらず、2着が2頭いるだけ。格下が波乱を起こしているわけでないようだ。
では、前走で大敗して人気を落とした馬が巻き返しているのかといえば、そうでもない。前走6着以下(95頭)のうち、連対したのは2008年のブラックエンブレムだけ。そう、1000万円馬券が出たあの年である。3着馬も前走16着のしんがり負けから一変。データ上でも例外同士の組み合わせで、これを仕留めるの、やはり難しかったということになる。
秋華賞と相性がいいレースといえばローズS。ここ15年で7勝、2着9回、3着8回。馬券に絡んだ45頭のうち、実に30頭がローズSを使っていたことになる。しかし、ここ5年のローズS組は【0-1-4-26】となり、連対馬は1頭だけ。これはむしろ、マイナスデータの部類に入ってしまう。
5年前というと、ちょうど紫苑SがGⅢに格上げされた年。紫苑Sはオープン時代【1-0-0-38】だったのが、GⅢ昇格後は【2-3-0-20】となり、明らかに成績が上がっている。この上をいくのが直行のオークス組で、現在3連勝中。ここ5年は紫苑S組かオークス組しか勝っておらず、ローズSを外してこの2レースを狙い撃つのも、作戦としてはありだろう。
連対馬の体重を調べていると、前走馬体重が480~498キロに該当する馬の勝率の高さが目につく。これが当日馬体重(480~498キロ)になるとさらに上がり、該当する39頭から9頭の勝ち馬が出ている。
また生産者だが、牝馬の重賞レースでよく見かける、社台系が強いレースでもある。ノーザンファームが半分以上の9勝を挙げてトップ。これに社台ファームと白老ファームを合わせると、12勝、2着10回。荒れた2008年の1、2、3着馬も、すべて社台系の生産馬であった。
最後に秋華賞におけるプラスとマイナスデータを少々。まずプラスデータだが、前走で1番人気に支持されていた馬は10勝。勝率が20%近くあるのも見逃せないところ。また前走から継続騎乗だった馬は12勝。逆に乗り替わった馬は3勝、勝率も3%を切っている。
マイナスデータだが、前走で掲示板を外した馬の成績は【1-0-4-90】。この1着というのが、上記でも書いたブラックエンブレム。やはり2008年は荒れるべくして荒れたレースということだろう。また、前走で5番人気以下だった馬から勝ち馬は出ていない。ブラックエンブレムは前走が4番人気。15着と大敗し、本番で人気を落としていた。