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【府中牝馬S】実績馬に漂うキケンな香り サラキアに続く穴候補はミスニューヨーク!

2021 10/10 17:00勝木淳
2021年府中牝馬Sに関するデータ,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

秋の府中で貴重な荒れる重賞

オールカマーの1、2、4着馬が早々にエリザベス女王杯参戦を表明。ラヴズオンリーユーが米国遠征のため不在であっても、牝馬チャンピオン決定戦はハイレベルな予感。そのステップレースの府中牝馬Sは直近10年で良馬場はたった5回。ここ2年はやや重、重で行われ、人気薄が激走した。移ろいやすい秋の空がレースの難易度をあげる。ここでは過去10年間のデータをもとにレース傾向について考えていこう。


過去10年府中牝馬S人気別成績,ⒸSPAIA


1番人気は【1-3-2-4】勝率10%、複勝率60%、勝ったのは18年ディアドラのみ。GⅡのわりに1番人気の信頼度は低い。5番人気以内の確率は悪くないものの、10番人気以下が2勝(12年10番人気マイネイサベル、15年11番人気ノボリディアーナ)、秋の府中で貴重な荒れる重賞である。


過去10年府中牝馬S年齢別成績,ⒸSPAIA


年齢別成績をみると、4歳【6-5-4-43】勝率10.3%、複勝率25.9%、5歳【4-4-3-46】勝率7%、複勝率19.3%が主力。勝ち馬はこの2世代から出ており、6歳【0-1-2-13】複勝率18.8%が2、3着に来るといった感じ。なお6歳の複勝回収値は44なので、そこそこ人気になる実績馬を押える程度でよさそうだ。つまり穴は主力の4、5歳馬から出ている。


マジックキャッスルがキケンなワケ

次に前走に関するデータを中心にみていき、波乱の使者となり得る馬を探していく。


過去10年府中牝馬S前走クラス別成績,ⒸSPAIA


GⅠのステップレースという位置づけのGⅡのわりに前走GⅠは【0-2-2-16】複勝率20%と勝った馬がいない。牝馬の休み明けだけに本番を前に仕上げ途上というケースが多い。ヴィクトリアマイル以来のデゼルは今年1月の休み明けは3着、不安はある。

重賞ならばGⅢ【5-7-6-53】勝率7%、複勝率25.4%。なかでも夏のクイーンS【3-4-3-21】が好相性。有力馬マジックキャッスルなど複数がここに当てはまるので、さらに掘り下げよう。


過去10年府中牝馬S前走クイーンS組位置取り別成績,ⒸSPAIA


クイーンS組の取捨は位置取り別成績が明瞭で、逃げた馬【0-0-0-1】、先行【0-0-0-6】と前に行った馬の成績が悪く、中団【3-4-1-7】勝率20%、複勝率53.3%、後方【0-0-2-7】複勝率22.2%と差してきた馬がいい。札幌(今年のクイーンSは函館)と東京のコース形態を考えれば納得のデータ。マジックキャッスルはクイーンSでイメージを一新した先行策を披露した。長い目でみればこの脚質転換はいい方向に出る可能性はあるが、府中牝馬Sではマイナス材料。敗退組のシゲルピンクダイヤなどを再評価したい。


過去10年府中牝馬S前走関屋記念組前走人気別成績,ⒸSPAIA


GⅢ組でクイーンS以外に評価できるのは関屋記念【0-2-2-2】。距離こそ異なるが、牡馬相手に直線の長いコースで競馬した経験がいきるということだろう。ここは関屋記念での人気をみると、好走はすべて2番人気以内【0-2-2-0】。今年はシャドウディーヴァが該当する。

その他強調したいのは前走オープン【3-1-0-6】勝率30%、複勝率40%。その単複回収値は587、156。穴はここから出現する。なかでも前走小倉日経OPに出走した馬が【2-0-0-0】。15年11番人気ノボリディアーナ、20年7番人気サラキアが勝利した。

今年はミスニューヨークがスタンバイ。ただし、前出の勝った2頭は小倉日経OP2着以内で、3着だったミスニューヨークはどうだろうか。これまでの戦歴をみると秋華賞5着など力は申し分ないが、小回りコースに良績が集中、東京コースの経験はない。だが、小倉日経OPを勝ったプリンスリターンは次走ポートアイランドSも勝っており、レベルの裏づけはある。穴の4歳馬、今年も小倉日経OP組の一発があるかもしれない。

ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュース公式コメンテーターを務める。共著『競馬 伝説の名勝負 1995-1999 90年代後半戦』(星海社新書)。


府中牝馬Sインフォグラフィック2,ⒸSPAIA



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