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ルメール騎手が月間19勝でリーディング快走 福永祐一騎手は年間100勝&通算2500勝達成【9月終了時点の騎手リーディング】

2021 9/30 06:00三木俊幸
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福永騎手は2位川田騎手を猛追

秋競馬が始まって早くも3週間が過ぎ、クラシック最終戦に向けた前哨戦も終了。今週末からは秋のGⅠシリーズも開幕し、より一層盛り上がりを見せていくだろう。そんなGⅠ戦線でも活躍が期待される騎手たちは9月4日〜26日までの開催9日間にどのような活躍を見せたのか、リーディングトップ5の成績と様々な記録達成について振り返っていこう。

2021年9月終了時点の騎手リーディングインフォグラフィック,ⒸSPAIA


リーディングトップは変わらずルメール騎手。9月は3→4→2→3→1→1→1→4→0と前半から好調を持続し、全騎手の中で最多となる19勝を上積み。年間勝利数を141勝まで伸ばした。重賞レースでは札幌2歳Sをジオグリフで、セントウルSをレシステンシアで勝利しており、年間の重賞勝利は11勝となっている。

対照的に2位の川田将雅騎手は前半4日間で6勝をあげたものの、後半5日間はわずか2勝止まりで年間勝利数は113勝。また月間の勝率は19.0%と川田騎手としては低い数字となっている。重賞では4回騎乗して、3着内に入ったのは京成杯AHのグレナディアガーズ(3着)のみと低調な結果に終わった。

3位の福永祐一騎手は、2→1→1→1→4→3→0→1→2とコンスタントに勝利を積み重ね、月間勝利数はルメール騎手に次ぐ15勝。年間勝利数を107勝にまで伸ばしている。また8月終了時点で2位川田騎手との差は13勝あったが、6勝差にまで猛追。賞金ランキングでも24億3,940万9,000円で2位に浮上した。

4位は松山弘平騎手。日別の勝利数は1→1→1→2→1→1→0→1→3と複数勝利は2日しかなかったものの着実に11勝を積み重ね、年間94勝。2年連続の年間100勝達成まであと6勝となっている。松山騎手の特徴と言えば騎乗数の多さ。9月の騎乗機会89回は、全騎手の中で最多の数字だった。

5位も8月末と変わらず、横山武史騎手。前半3日間は未勝利だったものの、その後7勝を上積みして年間76勝となっている。重賞レースでは先週末のオールカマーをウインマリリンとのコンビで勝利。今後どこまで年間重賞勝利数を伸ばせるのか注目が集まる。

父子で札幌リーディングジョッキーに

9月5日に終了した夏競馬のリーディング騎手とサマージョッキーズシリーズの優勝騎手は次の通りとなった。3、4回新潟開催は15勝をあげた福永騎手が2年連続3回目のリーディングを獲得。3、4回小倉開催は21勝の松山騎手、そして1、2回札幌開催は横山武騎手が20勝をあげてそれぞれリーディングジョッキーに輝いた。なお1992年、1996年、2012年に父の横山典弘騎手も同リーディングを獲得しており、父子での札幌リーディングジョッキーとなった。

9月12日まで行われたサマージョッキーズシリーズは、最後まで激しい争いが繰り広げられたが、京成杯AHで3着となり合計29ポイントとした川田騎手が2度目のシリーズ王者の称号を手にした。

イメージ画像,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)


デビュー25年目での2500勝達成

最後に節目の記録達成についても触れておきたい。9月18日、中京4Rでアスクドゥラメンテに騎乗し、勝利した福永騎手は12年連続13回目となるJRA年間100勝を達成。さらに、激しい雨が降る中で行われた26日の中京4Rではドライスタウトで1着となり、「25年6カ月26日」「44歳9カ月18日」でのJRA通算2500勝に到達。相次いて節目の記録を打ち立てた。

イメージ画像,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)


19日の中京6Rでギブミーラブに騎乗した松山騎手は史上45人目・現役30人目となるJRA通算10000回騎乗を達成した。デビューから「12年6カ月19日」「31歳6カ月19日」での記録達成は、三浦皇成騎手が持っていた史上最速、最年少記録をそれぞれ更新となった。

「感謝の気持ちを忘れずに、これからもいいレースをしていきたい」というコメントからは、謙虚な松山騎手の人柄を感じ取ることができる。技術はもちろんだが、それこそが多くの騎乗数を得られる理由なのかもしれない。

ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在は競馬ライターとしてだけでなく、カメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場で取材活動を行っている。

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