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【スプリンターズS】とにかく1枠を買うべし 東大HCが「中山芝1200m」を徹底分析

中山芝1200mインフォグラフィックⒸSPAIA
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スプリントGⅠに相応しいコース

10月4日に中山競馬場で行われるスプリンターズS。その舞台でもある中山芝1200mの特徴について分析していく。

外回りコース、2コーナー奥の下り坂をスタート。しばらくの間下り坂が続くため、序盤が速い展開になりやすいことが特徴だ。最後には中山名物の高低差2m超えの急坂が待ち受け、厳しいペースで削られたスタミナの底力を試される。タフさ・スピードの両方を兼ね備えた実力馬が栄冠を手にする、スプリントGⅠの舞台としてふさわしいコースといえる。

このコースが舞台の重賞は2レース。今週行われる短距離王決定戦・スプリンターズSと、高松宮記念の重要な前哨戦として位置付けられ、ナックビーナス4年連続2着の記録もあるGⅢオーシャンSだ。以下、使用するデータは中山競馬場で路盤改修が行われた後の2014年12月6日以降のものとする。

重賞はとにかく1枠を

まずは枠順別成績から分析する。

中山芝1200m枠順別

6枠が勝率11.1%と圧倒的に優勢。唯一の勝率10%超えで、次に高い4枠の7.4%と比較しても抜けた数字だ。反対に最も勝率が低いのは2枠で【16-24-29-311】、勝率は4.2%と低調。

中山芝1200m重賞枠順



重賞に限定すると1枠が【2-3-3-14】複勝率36.4%と走りに走っており、ハイペースをロスなく立ち回って結果を残すパターンが多い。15年以降のスプリンターズS5レースの内、4レースで馬券になっており、18年にはラインスピリットが13番人気で3着。穴馬の台頭も十分見込める枠だ。ちなみに、1枠が馬券に絡まなかった16年は1枠1番のビッグアーサーが1番人気に推されながら、直線で「前が壁」になった例のレースである。

逆に8枠は【0-1-0-21】と不調で、馬券圏内に入ったのは2016年スプリンターズSのミッキーアイルのみ(2番人気2着)。流れが厳しくなりやすい上級条件で外を回るロスは極めて痛く、外枠の割引が必要だろう。



中山芝1200m脚質別



脚質別成績では逃げが当然優勢も、複勝率37.7%は先行馬の34.2%とそれほど差がない点に注意したい。実際、前走で4コーナーを2〜4番手で通過した馬をベタ買いするだけで単勝回収率は128%、複勝回収率も94%ある。したがって馬券の面では、人気になりがちな逃げ馬よりも番手で運べる馬を重視した方がおいしい配当を手にしやすい。

重賞では逃げ馬の複勝率が5割を超えているものの、勝ち切ったのは2019年オーシャンSのモズスーパーフレアのみ。そのモズスーパーフレアも同年のスプリンターズSでタワーオブロンドンに差し切られたように、GⅠでの逃げ切りは至難の業。今年も逃げが予想される同馬は2・3着に据えると良いだろう。期間内の重賞11レースのうち8度、4角7番手以下通過の馬が制しており、1着は中団から直線でキレ味を発揮する差し馬に期待したい。

モズスーパーフレアは血統◎

中山芝1200m種牡馬別

複勝率順の種牡馬別成績ではアドマイヤムーン・ダイワメジャーが1・2位だが、残念ながらスプリンターズSに産駒の出走はない。3位を確保したロードカナロアはダノンスマッシュ・ダイアトニックなど有力馬の出走が多いが、同産駒は2〜6番人気で【0-1-4-23】と連対率がわずか3.6%にとどまっており、3勝クラス以上での連対は一度もない。1番人気をグランアレグリアに譲りそうな2頭には気がかりなデータだ。

グランアレグリアはディープインパクト産駒初のスプリントGⅠ制覇を目指しての参戦だが、同産駒は中山芝1200mで【5-1-3-56】。複勝率が13.8%と芳しくない上に、挙げた5勝も全て3勝クラス以下。中山の路盤改修以前まで遡ってもオープン以上では【0-1-2-16】と苦戦している。データの不安材料を全て跳ね返しての戴冠なるか注目したい。

血統上強調できるのはモズスーパーフレア。同馬は父Speightstown、母父Belong to Meという血統背景だが、この「父ミスタープロスペクター系×母父ダンジグ系」で3番人気以内に支持された馬は18年9月以降【6-4-1-1】、複勝率91.7%を誇る。唯一の着外も3着からアタマ差の4着だ。さらに前走4番人気以内だった牝馬に限ると【5-3-0-0】と8戦してパーフェクトで連対している。

ルメール、音無師の得意舞台

中山芝1200m騎手別

先ほど血統別データでグランアレグリアの不安を書き立てたばかりだが、騎手別成績ではルメール騎手が複勝率55.3%でトップ。1・2番人気×美浦所属馬では【8-1-5-5】複勝率73.4%、また1・2番人気×前走1着馬なら【2-2-2-0】と馬券圏外が一度もない。今年はスプリンターズS連覇がかかっており、腕をぶしていることだろう。

M.デムーロ騎手はそのルメール騎手(勝率31.6%)を上回る勝率37.1%。また、単勝回収率179%が素晴らしい。この回収率から分かるように、人気馬ばかりで勝利しているわけではない。今年の騎乗馬と同じレッドの冠で連覇した16-17年以来の勝利を狙う。ダイアトニックとのコンビを結成した横山典弘騎手も勝率14.9%、複勝率35.1%と好相性。名人芸を存分に堪能したい。



中山芝1200m調教師別

続いて調教師別成績。スプリンターズSに出走させる中では音無師が複勝率52%という高水準。モズスーパーフレアで挑んだ5戦は3勝2着2回のパーフェクト連対を達成、回収率も単複とも100%超えの優秀な成績だ。

グランアレグリアを管理する藤沢和雄調教師も【3-2-3-11】とまずまずの成績。ダイアトニック・ダノンスマッシュの2頭出しで臨む安田隆行調教師はスプリント戦に強いイメージもあるが、意外にも25戦して1勝のみにとどまっている。その他、サンプルが少ないものの、ライトオンキューの昆貢調教師は【2-0-1-2】、ミスターメロディの藤原英昭調教師は【2-0-0-6】となっている。

中山芝1200データ