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【京成杯AH】2歳マイル王グレナディアガーズ「復権」は枠次第! ハイブリッド式消去法が導き出した本命候補3頭は

2021 9/8 06:00八木遊
過去10年の京成杯AH『前走非重賞』かつ『前走2着以下』の成績,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

5つのデータから絞れた馬は?

先週予想したのは『新潟記念』。4番人気パルティアーモは、直線伸びを欠き11着に敗れた。勝った12番人気のマイネルファンロンは、5つ目のデータで消去していた。

今週は、日曜中山メインの『京成杯AH』を予想する。新潟開催だった2014年を含めた過去10年(11~20年)のデータから、複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップ。除外対象と抽選対象馬を含めた全20頭から当てはまった馬を消していく。

『関西馬』×『前走0秒8差以上で負け』★0.0%★

まずは東西の所属別データから。関東馬の【7-4-4-66】(複勝率18.5%)に対し、関西馬は【3-6-6-56】(同21.1%)と、複勝率は拮抗している。ただし、前走0秒8以上の差で負けていた関西馬は【0-0-0-19】(同0.0%)で全滅。狙うなら同条件で【2-2-2-26】(同18.8%)の関東馬の方だろう。

最初の消去データに当てはまったのは今年と2年前のニュージーランドTを勝った2頭。バスラットレオンは上位人気が見込まれているが、ここは消しという判断を下したい。

【今年の該当馬】
・バスラットレオン
・ワイドファラオ

『前走非重賞』×『前走2着以下』★3.2%★

続いては前走クラスと着順の組み合わせを取り上げる。重賞以外からの参戦は過去10年で47頭いて、【5-1-1-40】(複勝率14.9%)とまずまず。ただし、前走を勝っていないと好走率は大きく下がる。前走1着馬の【5-1-0-10】(同37.5%)に対し、2着以下は【0-0-1-30】(同3.2%)。唯一馬券に絡んだ昨年3着のボンセルヴィーソは、同舞台のダービー卿CTで2着の実績があった。

今年このデータに当てはまったのは、4頭。ベステンダンクの他、除外対象のトラインとレッドヴェイロン、さらに抽選対象のスマートリアンを消去する。

【今年の該当馬】
・スマートリアン**
・トライン*
・ベステンダンク
・レッドヴェイロン*

『今回斤量54kg以上』×『前走から斤量2kg以上減』★3.8%★

続いては、ハンデ戦で取り上げることが多い斤量に関するデータ。今回斤量が54kg以上、かつ前走から2kg以上斤量減の馬は過去10年で【1-0-0-25】(複勝率3.8%)と苦戦していた。3つ目の消去データとしてこれを採用する。

このデータに当てはまったのは3頭。すでに消去された2頭に加え、3連勝中の上がり馬カレンシュトラウスもここで消去対象となった。

【今年の該当馬】
・カレンシュトラウス
・(バスラットレオン)
・(ベステンダンク)

『前走から距離延長』×『前走上がり4位以下』★4.5%★

4つ目は距離変動別データを取り上げたい。前走で同距離1600mを走っていた馬が圧倒的に多いが、注目したいのは距離延長組。過去10年の成績は【3-0-1-30】(複勝率11.8%)とやや苦戦している。距離延長組の好走条件は前走で上がり3位以内の脚を使っていたことで、その成績は【3-0-0-9】(同25.0%)。一方、4位以下だと【0-0-1-21】(同4.5%)と好走率は一気に下がる。

今年このデータに当てはまったのはコントラチェックとステルヴィオの2頭。ステルヴィオの前走はダート戦なので度外視することも考えたが、今回58kgを背負って7か月ぶりの実戦。ここでの復活はないとみる。

【今年の該当馬】
・コントラチェック
・ステルヴィオ

『前走馬体重460kg以上』×『今回馬番14~16番』★0.0%★

4つのデータを終えて、過半数の11頭がまだ残っている。最後のデータでどこまで減らすことができるか。取り上げたのは前走の馬体重と今回馬番の組み合わせだ。前走460kg以上だった馬が今回14~16番という外目の枠に入った場合、苦戦は免れない。過去10年の同条件の成績は【0-0-0-19】(複勝率0.0%)と好走例がなかった。逆に前走460kg未満で同馬番の場合は【0-3-0-3】(同50.0%)と半数が2着に好走していた。

最後のデータで消去対象になり得る前走460kg以上だった馬は以下の8頭。上位人気濃厚のグレナディアガーズとカラテは、14番枠より外に入った場合は消去対象となる。

【今年の該当候補】
・カテドラル
・カラテ
・クリノプレミアム
・グランデマーレ**
・グレナディアガーズ
・シャインガーネット*
・マイスタイル
・レイエンダ

以上、5つの消去データを経て、確実に残るのはアカノニジュウイチ、スマイルカナ、マルターズディオサの牝馬3頭。最終追い切りと当日のパドック、さらに先週の反省を踏まえて当日のトラックバイアスも加味した上で本命を決めたい。

【ライタープロフィール】
八木 遊
野球兼競馬ライター。スポーツデータ会社やテレビ局の校閲職などを経てフリーに。2021年から、恥を覚悟でTwitter(@Yuuu_Yagi11)にて全重賞の予想、買い目、年間収支を掲載中(9月5日時点の回収率は31.1%)。

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