完成度と仕上がりの早さ
2021年9月5日に小倉競馬場で行われる第41回小倉2歳S。何度か距離変更されている新潟2歳Sと違って、こちらは第1回から一貫して1200mで行われている。
新潟2歳S以上に完成度、仕上がりの早さが求められるこのレース。ほぼ同時期に行われる2歳重賞・新潟2歳Sと、どう傾向が違うのか。そのあたりも比較しながら、いつも通り過去10年のデータを基に検証していきたい。
東で行われる新潟2歳Sはマイル戦。距離を嫌った美浦所属馬がこちらに回ってきてもおかしくないのだが、ここ10年で美浦所属馬の出走は10頭だけ。単純計算すると1年に1頭しか出走していないことになる。今年も登録は1頭だけ。デビューして間もない2歳馬だけに、遠い小倉へ遠征するリスクを考えるとこんなものなのだろうか。
性別だと、牡馬が12連対、牝馬は8連対。ともに5勝ずつ挙げており、勝率、連対率でも大きな差はついていない。
キャリア1戦の馬が11連対。連対馬の半分以上を占めるのは新潟2歳Sと同じだが、キャリア2戦の馬も7連対しており、勝率と連対率もキャリア1戦の馬とほぼ変わらない。
キャリア3戦の馬も馬券に絡んでいるが、このあたりは新潟2歳Sでは見られなかったデータだ。ただし、キャリア4戦を超えてくると馬券に絡んだ馬がいなくなる。
新潟2歳Sは連対馬20頭すべてが前走1着だった。この小倉2歳Sも前走1着馬が強く、20頭中19頭がそれに該当。残る1頭は2017年のアイアンクローで、フェニックス賞3着からの参戦だった。そのアイアンクローはコンマ2秒差の3着。よって、前走でコンマ3秒以上負けて3着以内に入った馬はいないことになる。
前走1着馬の内容を見比べてみると、コンマ6秒以上で勝った馬が8連対。勝率、連対率もよく、これは新潟2歳Sと傾向が同じ。違うところでは、秒差なしの接戦で勝った馬の成績もいいこと。新潟2歳Sは勝率0%だったが、小倉2歳Sでは2頭の勝ち馬が出ている。
前走人気に関しても、新潟2歳Sとよく似たデータが出ている。前走1番人気が14連対と好成績を挙げており、逆に5番人気以下だった24頭すべてが連を外している。
前走クラスを比較してみると、新馬組が11連対、未勝利組が5連対。これも新潟2歳Sと似ているが、違うのはオープン経由組も4連対と頑張っている点。前走でダートを使った馬は11頭いるが、連対した馬はいない。
前走距離はというと、同距離の1200mを使っていた馬が18連対。3着まで広げると28頭が該当する。距離は違えど、前走と同じ距離を走っていた馬が好成績を残しているのは新潟2歳と同じだ。前走1000m、および1400mを使っていた馬はすべて馬券外。意外だったのは、前走で1600mを使っていた馬。3戦2勝と好成績を残しているが、今年は該当馬がいなかった。
最後に小倉2歳Sのプラスとマイナスデータを少々。まずはプラスデータ。このレースは武豊、浜中、和田竜、国分優騎手が2勝以上を挙げている。確定前の原稿になるので断言はできないが、このうちの何人かは騎乗予定があるようなのでマークが必要だろう。種牡馬では唯一2勝挙げているダイワメジャー産駒に注目したい。
また、外国産馬の成績も【2-1-0-3】と連対率が5割。仕上がりの早さといえば、今も昔も外国産馬が上なのかもしれない。今年はデュガが登録しているが、この馬はデビュー戦がオープン(3着)。もし参戦してくれば珍しいパターンでの出走となる。
一方のマイナスデータだが、前走、当日にかかわらず、馬体重が438キロ以下だった馬から勝ち馬は出ていない。また、前走で差し、追い込みの競馬をした馬からも1着馬はなし。といっても、このレースは逃げ馬が強いわけでなく、本番で逃げた馬は【0-1-0-9】。連続開催の最終週なので納得のいく数字だが、夏休みを挟んだ今年はどうなるのか。あと、九州産馬も3着が最高で、連には届いていない。