5つのデータから絞れた馬は?
今週は8月1日に函館競馬場で行われる『クイーンS』を予想する。過去10年のうち9回は札幌開催だが、同じ洋芝の1800mが舞台ということで、過去10年の当該レースのデータを使用する。今回も複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップし、当てはまった馬を消していく。
登録があったルビーカサブランカは27日に同レースを回避し、自己条件戦に出走することが発表された。残った14頭を対象に絞っていきたい。
今週は8月1日に函館競馬場で行われる『クイーンS』を予想する。過去10年のうち9回は札幌開催だが、同じ洋芝の1800mが舞台ということで、過去10年の当該レースのデータを使用する。今回も複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップし、当てはまった馬を消していく。
登録があったルビーカサブランカは27日に同レースを回避し、自己条件戦に出走することが発表された。残った14頭を対象に絞っていきたい。
まず注目したのは前走からの距離変動。最も好成績を残しているのは距離延長組で【4-5-5-22】(複勝率38.9%)。距離短縮組も【3-3-5-41】(同21.2%)と悪くない。一方、苦戦しているのが前走も1800mを走った同距離組。その成績は【3-2-0-32】(同13.5%)と大きく見劣る。これに血統データを掛け合わせてみると、サンデーサイレンス(SS)系の父を持つ馬が【0-0-0-23】(同0.0%)とサッパリだったことが判明した。
今年このデータに当てはまったのは3頭。ジェンティルドンナの全妹で上位人気が見込まれるドナアトラエンテは真っ先に消しとなった。
【今年の該当馬】
・アラスカ
・イカット
・ドナアトラエンテ
続いては東西所属に注目。関東馬は過去10年で【3-3-4-37】(複勝率21.3%)。関西馬の【7-7-6-58】(同25.6%)とほぼ互角と言っていいだろう。関東馬にとって重要なのは前走場所。中央4場から参戦してきた関東馬は【3-3-4-17】(同37.0%)と好走は多い。一方、前走がローカルだと【0-0-0-20】(同0.0%)と一度も馬券に絡んでいなかった。
今年この条件に当てはまったのは3頭。すでに消去済みのアラスカとドナアトラエンテに加え、サトノセシルが消去対象となった。
【今年の該当馬】
・(アラスカ)
・サトノセシル
・(ドナアトラエンテ)
3つ目の消去データでは生産者を取り上げる。いわゆる非社台系の牧場で生産された馬は過去10年で【4-4-7-57】(複勝率20.8%)とまずまずの成績を残している。クイーンSで好走できるかどうかは、前走脚質が重要で、逃げもしくは後方からという極端な競馬をした馬は【0-0-0-19】(同0.0%)と好走例がなかった。ちなみに前走先行した馬は【3-2-0-20】(同20.0%)、前走中団から差した馬は【1-2-7-16】(同38.5%)と高い確率で馬券に絡んでいる。
今年この消去データに当てはまったのは3頭。新たにローザノワールとラキが消去リストに加わった。
【今年の該当馬】
・(サトノセシル)
・ローザノワール
・ラキ*
続いて目を付けたのは前走のレース種別だ。マーメイドS組が中心となるが、前走がハンデ戦だった馬は【2-5-4-38】(複勝率22.4%)という平均的な成績。この中で前走馬体重460kg未満だった小柄な馬体の持ち主は【0-0-0-12】(同0.0%)と苦戦している。13年2番人気のマルセリーナ、14年3番人気のディアデラマドレなどがこれに掛かり馬券圏外に消えている。
今年この消去条件に当てはまったのは1頭だけ。近親にブエナビスタなど活躍馬が多数いる良血のマイエンフェルト。前走は50kgとハンデに恵まれ、2勝クラスを勝ち上がった。格上挑戦となるここではさすがに荷が重いだろう。
【今年の該当馬】
・マイエンフェルト
最後の消去条件は前走からの間隔と前走人気の組み合わせで絞ってみる。まず前走からの間隔が詰まっていると凡走傾向は強い。具体的には、中5週以下だと【1-3-2-36】(複勝率14.3%)。北海道開催とはいえ、暑い時期に連戦となる馬はやや苦戦気味だ。特に前走で5番人気以下だった場合は【0-1-0-17】(同5.6%)。唯一の馬券圏内は13年に8頭立てで8番人気ながら2着に入ったスピードリッパー。当時は惨敗続きの5歳馬だったが、2歳夏に洋芝で3戦1勝、2着2回という実績があった。
今年この条件に当てはまったのは3頭。新たに対象となったのは前走マーメイドSを逃げ切ったシャムロックヒル。札幌では2戦2勝(函館では2戦していずれも4着)と洋芝をこなせることは証明済み。しかし、前走から一気に斤量が5kg増えるのは明らかなマイナス材料になるだろう。
【今年の該当馬】
・(アラスカ)
・シャムロックヒル
・(ローザノワール)
5つの条件を経て、最終的に残ったのは、ウインマイティー、クラヴァシュドール、シゲルピンクダイヤ、テルツェット、フェアリーポルカ、マジックキャッスルの6頭とやや多め。GⅠでも好走実績があるマジックキャッスルに逆らうかどうかの判断はレース当日に下したい。
【ライタープロフィール】
八木 遊
野球兼競馬ライター。スポーツデータ会社やテレビ局の校閲職などを経てフリーに。2021年から、恥を覚悟でTwitter(@Yuuu_Yagi11)にて全重賞の予想、買い目、年間収支を掲載中(7月25日時点の回収率は25.9%)。
《関連記事》
・【クイーンS】マジックキャッスルもいいが、あえて狙おうシゲルピンクダイヤ 覚えておきたいデータ
・【クイーンS】3歳馬、リピーター不在で混戦模様!好走の鍵は「秋華賞出走経験」 クイーンSの歴史を振り返る
・「関東馬の復権」「G1のルメール・川田・福永理論」 2021年上半期のG1をデータで振り返る