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【クイーンS】3歳馬、リピーター不在で混戦模様!好走の鍵は「秋華賞出走経験」 クイーンSの歴史を振り返る

2021 7/27 06:00緒方きしん
クイーンS過去5年間の優勝馬,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA


オリンピックの影響で今年は函館開催

今週は牝馬限定戦・クイーンS。夏の牝馬重賞として人気を集める一戦だ。オリンピックの影響で、例年の札幌競馬場ではなく函館競馬場での開催となる。

今年は、昨年の秋華賞2着で前走ヴィクトリアマイルでも3着のマジックキャッスル、そのヴィクトリアマイルで負けるまで重賞を含む4連勝をしていたテルツェットが出走。さらにマーメイドS勝ち馬シャムロックヒル、牝馬重賞2勝のフェアリーポルカ、最強の1勝馬とも言われるシゲルピンクダイヤといった期待馬が出走する。

クイーンSといえばリピーターの活躍も見られるレースだが、昨年の好走組の出走はない。さらに、2010年〜2012年には3歳馬が3連勝、2017年にもアエロリットが勝利するなど3歳馬の活躍も多いが、今年はその参戦もない。それだけに、例年以上に混沌とした力関係になりそうだ。

今回は北海道シリーズ名物の牝馬重賞・クイーンSの歴史を振り返る。

1着馬のオッズは両極端

クイーンS過去5年間の優勝馬,ⒸSPAIA



ここ5年で1番人気は2勝。馬券圏外に敗れたのは一度のみであるから、1番人気はそれなりに信頼できる重賞と言える。しかし一方で、この5年でも11番人気・9番人気が勝利しているように、中〜大穴の勝利も少なくない。その辺りがこの重賞を攻略する鍵を握る。

範囲をもう5年拡大しても、2015年〜2011年では1番人気が3勝2着1回3着1回と安定している。逆に3番人気は苦戦傾向で、馬券圏内に食い込んだのは2011年のアニメイトバイオ(3着)と2013年のオールザットジャズ(3着)の2頭のみ。2番人気は2017年にアエロリットが優勝しているほか、2018年にソウルスターリングが3着になるなど善戦している。

万馬券になった昨年は、1着ヴィクトワールピサ産駒、2着クロフネ産駒、3着ヴィクトワールピサ産駒。他にも、この5年でストーミングホーム産駒、アドマイヤジャパン産駒、メイショウサムソン産駒といった多種多様な血統馬が馬券圏内に食い込んでいるのも特徴だ。この傾向は、同じ洋芝の函館でも大きくは変わらないだろう。

クイーンSで輝いた実力派、アイムユアーズ

函館開催のクイーンSは、札幌競馬場の改修工事があった2013年以来となる。その年の覇者・アイムユアーズは前年のクイーンSの勝ち馬でもあった。つまりアイムユアーズは、札幌・函館のクイーンSを制した珍しい実績を持つ馬となったのである。桜花賞3着、オークス4着など牝馬クラシック路線で活躍した実力派だが、クラシック以降の勝ち星はその2勝のみだった。

クイーンSは3歳牝馬三冠路線で活躍しながらも勝ちきれなかった馬が参戦することが多い。今年も、オークス5着・秋華賞2着のマジックキャッスルが参戦。昨年は前年の桜花賞・秋華賞で5着のビーチサンバ、おととしには秋華賞2着のミッキーチャームが参戦した。古くは、秋華賞・アメリカンオークスで2着のアサヒライジングも参戦し、勝利を収めている。

一方で、2018年には前年の秋華賞馬・ディアドラ、オークス馬ソウルスターリングが参戦。豪華なメンバーとなった。特にディアドラはドバイターフ3着という実績もあり1番人気に支持され、2着に3馬身差をつける快勝を見せつけた。ソウルスターリングも3着と健闘し、オークス馬の意地を見せている。ディアドラはその翌年には欧州へと渡り、英GⅠナッソーS制覇や英チャンピオンSで3着など、長期にわたり活躍を繰り広げた。

秋華賞への出走経験がカギか

もちろん、3歳牝馬三冠で好走経験のない馬もここを勝利している。昨年の優勝馬レッドアネモスは桜花賞・オークス未出走、秋華賞17着。2019年2着・2020年3着のスカーレットカラーも桜花賞8着という戦績だった。

しかし一方で、たとえ惨敗していたとしても秋華賞に出走していた馬が上位に食い込みやすいという傾向も見られる。近年大穴をあけた馬たちのほとんどが秋華賞に出走したことのある馬だった。そういった意味では、秋華賞不出走のテルツェット・シャムロックヒルには逆風なデータかもしれない。逆に、秋華賞9着のウインマイティー、17着のクラヴァシュドールらには追い風だ。

変則的な開催である今年の競馬界。オリンピックでさらにその傾向を強めているが、果たして今年はどんなレースが見られるだろうか。ここから世界に羽ばたくような馬が誕生する可能性もある。大いにご注目いただきたい。

ライタープロフィール
緒方きしん
競馬ライター。1990年生まれ、札幌育ち。家族の影響で、物心つく前から毎週末の競馬を楽しみに過ごす日々を送る。2016年に新しい競馬のWEBメディア「ウマフリ」を設立し、馬券だけではない競馬の楽しみ方をサイトで提案している。好きな馬はレオダーバン、スペシャルウィーク、エアグルーヴ、ダイワスカーレット。

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