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【クイーンS】マジックキャッスルもいいが、あえて狙おうシゲルピンクダイヤ 覚えておきたいデータ

2021 7/25 17:00勝木淳
クイーンSインフォグラフィック,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

1番人気【5-2-2-1】と堅調だが

札幌が五輪の舞台になるため、今年の北海道開催は変則日程。開幕から序盤3週は札幌、函館が中盤6週、そして終盤4週は札幌という日程。したがって普段は札幌開催中の今週も引き続き函館開催になる。

つまり、クイーンSの舞台は、札幌開催序盤から函館開催後半に移る。同じ北海道シリーズではあるが、函館と札幌はコース形態や調教施設など異なる点も多い。まして開催後半の時計がかかり出す函館の芝となれば、例年の傾向に当てはまらない部分もあるだろう。ここではそういったコース形態の差など舞台の違いに注意しつつ、クイーンS過去10年間のデータから好走パターンを探っていきたい。


過去10年クイーンS人気別成績,ⒸSPAIA


1番人気は【5-2-2-1】勝率50%、複勝率90%と最強レベル。この10年で馬券にならなかったのは17年アドマイヤリード6着のみ。前走ヴィクトリアマイル1着という臨戦過程だった。コーナーが緩く、大回りの札幌とはいえ、コーナー4回の競馬に戸惑ったものだった。今年は芝の状態という紛れを生じさせる因子もあるので、傾向ほど1番人気は信用できない可能性がある。とはいえ1番人気候補マジックキャッスルは秋華賞2着、愛知杯1着とベストパフォーマンスはコーナー4つの2000m戦であり、ヴィクトリアマイルより着順をあげてきそうな予感はある。

20年勝ち馬は11番人気レッドアネモス。09年11番人気ピエナビーナス以来、久しぶりの10番人気以下の勝ち馬だった。6番人気以下も馬券に絡むので、1番人気は強いものの、伏兵にも目配せしておきたい。


過去10年クイーンS年齢別成績,ⒸSPAIA


勝率トップは3歳【3-0-1-10】勝率21.4%、複勝率28.6%。ここは頭数も少ないので、狙いどころではある。古馬ならば4歳【4-5-3-29】勝率9.8%、複勝率29.3%と5歳【1-5-6-33】勝率2.2%、複勝率26.7%に注目。勝つのは3、4歳、5歳は勝ちきれず、惜敗といった傾向がある。前出のマジックキャッスルやテルツェットなど4歳は単も軸もいいが、5歳ドナアトラエンテやシゲルピンクダイヤなどは軸向きではあるものの、単狙いは気をつけたい。また牝馬限定戦らしく6歳以上のベテランは頭数も確率も低め。ただ6歳はこの10年で2勝をあげているので、簡単に切り捨てるのは危険だ。


前走ヴィクトリアマイル組の取捨とは

それでは個別に前走成績などからクイーンSの好走パターンについて考えてみよう。


過去10年クイーンS前走クラス別成績,ⒸSPAIA


目立つのは前走GⅠ【6-4-5-23】勝率15.8%、複勝率39.5%や前走GⅢ【3-3-3-37】勝率6.5%、複勝率19.6%だろう。どちらも出走頭数が多く、今年も同じような傾向なので、じっくり探っていきたい。


過去10年クイーンS前走VM組着順別成績,ⒸSPAIA


まず前走GⅠ組の内訳は、3歳クラシック(桜花賞、オークス)とヴィクトリアマイル【3-4-4-12】が大半。古馬の前走GⅠ組のうち、ヴィクトリアマイル組以外で好走したのは18年ディアドラ1着のみ。前走ドバイターフ3着からの参戦だった。ここでは前走ヴィクトリアマイルに絞り、その着順別成績を出す。

まず夏場のGⅢ戦のため、あまり好走馬が出走してこない。勝ち馬は前記の17年6着アドマイヤリードのみ。3着馬も同じく【0-0-0-1】、11年2番人気6着レディアルバローザしかいない。さてマジックキャッスルはどうするべきか。前走ヴィクトリアマイル組で狙うなら、4着以下に負けた馬。6~9着【2-1-2-1】勝率33.3%、複勝率83.3%や10着以下【0-2-2-9】複勝率30.8%と大敗組からの巻き返しが目立つ。5着シゲルピンクダイヤ、14着テルツェットなど狙いどころは多い。


過去10年クイーンS前走VM組前走脚質別成績,ⒸSPAIA


ヴィクトリアマイル組についてもう少し別角度から。位置取り別の成績をみると、後方【0-0-0-3】以外は買える。テルツェットはここに引っかかる。では逃げ、先行、中団ならばどれがいいか。それは先行【2-3-0-4】勝率22.2%、複勝率55.6%だろう。ヴィクトリアマイル4コーナー4番手シゲルピンクダイヤが着順別データと合わせてこの組では有力候補だ。

秋華賞3着、中日新聞杯2着などコーナー4つの中距離戦での好走が目立つ馬。ただし中日新聞杯と同舞台の愛知杯9着など安定感を欠くタイプではある。


マーメイドS1着シャムロックヒルは危険

次に前走GⅠ組には劣るものの、穴馬も出す前走GⅢ組について考える。


過去10年クイーンS前走GⅢ組前走レース別成績,ⒸSPAIA


まず前走GⅢ組の内訳について。マーメイドS【2-2-2-18】、福島牝馬S【1-0-0-7】、中山牝馬S【0-1-0-2】と牝馬限定重賞が上位に並ぶ。ここでは単、複回収率317%、98%と穴馬を狙えるマーメイドSについてとりあげる。まして今年のマーメイドSは4、2着馬が中京記念1、3着とハイレベルだった可能性もある。


過去10年クイーンS前走マーメイドS組着順別成績,ⒸSPAIA


着順別成績をみると、前走1着【0-0-0-5】に目が行く。シャムロックヒルは見事にここに引っかかる。確かにマーメイドSは最内枠からハンデ50キロを生かしての逃げ切り。ここは別定重量なので斤量はかなり増える。逃げてもマークされる可能性もあり、たしかに連続好走は難しそうだ。マーメイドSで逃げた馬は【0-0-0-2】。前半戦最後の3週目に行われた芝1800m戦5鞍で逃げ馬は4、13、2、1、10着。クイーンSはBコース替わり2日目とはいえ、徐々に決まりにくくなりつつある。

ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュース公式コメンテーターを務める。


クイーンSインフォグラフィック2,ⒸSPAIA



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