毎年変わらぬペースと勝ち時計に
ダービーが終わり春のG1シリーズも終盤へと差し掛かったタイミングのG1といえば安田記念。新馬戦が始まる「中央競馬の正月」とも言える切り替わりでもある時期だ。切り替わりといえば東京の芝コースが例年、前週からCコースに替わる。そのためか、連続開催の後半でも馬場コンディションは安定しており、近年の安田記念はラップ傾向が毎年ほぼ変わらぬ平均ペースとなっている。
レースタイムも過去10年では1.31.5前後、±0.5秒程度の決着でほぼ揃う。例外だったのは不良馬場だった2014年の1.36.8と、12頭立てと少頭数のなかでスローペースとなった2016年1.33.0の2例だけだ。つまり、例年どおりであれば平均ペースを得意とし、1着時計1.31.5前後の高速決着をしっかり走れる馬を狙えばよいということになる。
そこで登録馬のマイルでの過去持ち時計ランキングを見てみよう。ランキング1位はインディチャンプが2019年の安田記念で記録した1.30.9だ。この他にも2レースでトップ10にランクインしている。さすが全8勝中マイルで7勝しているマイル王である。7勝の内容もさまざまなペースに対応できており、展開は不問型。また、前走は初の1200m挑戦となった高松宮記念で0.1秒差3着と調子にも問題はない。国内マイルでは5着以下になったこともなく、まさしく消す理由がない。
2位にはグランアレグリアが入った。今年のヴィクトリアマイルで記録した1.31.0はインディチャンプの1位の時計と0.1差で引けを取らない。ヴィクトリアマイルの内容を整理すると、3Fから5F目が若干落ち着いたスローペース寄りの展開になって上がりが速くなったところに、上がり3F最速となる32.6を繰り出し、4角10番手から差し切ったものだった。
マイル実績も【6-0-1-1】と文句なく、5着だったNHKマイルCも4着入線から降着したもの。実質的には国内マイルで5着以下がないインディチャンプとほぼ同等の実績を持っていることになる。持ち時計ランキング上位10位以内に他2レースで顔を出すのもインディチャンプと一緒。昨年の安田記念を勝っていることから当然、人気になりそうだが、こちらも消す理由がない。
これでは面白くないだろう。割って入れる馬を探したい。3位に入っているのはケイデンスコールが今年のマイラーズCで記録した1.31.4。マイラーズCは逃げたベステンダンクがハイペースで飛ばしたため後半は時計がかかったが、8番手から上がり2位となる33.8できっちり差し切っている。
マイル実績は【4-2-0-5】となっており、2歳時を除けば、ある程度前半が速いレースで好成績を出す傾向があり、前半がスロー寄りだったときには着外となりやすい。そのため、前半スロー寄りのほうが良いグランアレグリアとは対局にある点に注意したい。
4位の1.31.6は3頭入ったが、グランアレグリア(昨年の安田記念)以外ではシュネルマイスターとダイワキャグニーがいる。注目はこの時計を記録してNHKマイルCを勝った3歳馬シュネルマイスターだろう。それまで1分32秒台で決着していたNHKマイルCを1.31.6で走ったのだから3歳の時点で古馬に劣らない時計実績を持っていることになる。
レース自体は前半3Fが33.7と速くハイペース、ヴィクトリアマイルとは対局のペースであり、ケイデンスコールとタイプは被るように見えるが、まだ3歳馬であることを考えれば、前半スローでも対応してくる可能性はまだ残されている。
一応4位タイのダイワキャグニーに触れるが、この時計は前走マイラーズC4着時のもの。1,2着馬が33秒台の上がりで、ダイワキャグニー自身は4角5番手から粘り込んだ2着争いでの4着だった。東京の長い直線でこれ以上残せるかは微妙で、買うとしてもヒモ候補までとしたい。また、1.31.8で7位に入っているギベオンだが、これも前走マイラーズC7着時のもの。4角7番手から流れ込んだ形で、ペースにはついていけるが馬券に絡むかは微妙だ。
マイル時計実績上位10位までを見て時計実績上位馬をペース別に評価すると
・どのペースでも インディチャンプ
・平均ペース、スローペース推奨 グランアレグリア
・ハイペース推奨 ケイデンスコール、シュネルマイスター
といった形になる。