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【安田記念】グランアレグリアにも死角はある!前半に負荷がかかれば二連覇逃す可能性も

2021 6/1 11:00高槻とおる
安田記念ペース予想インフォグラフィックⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

中2週のヴィクトリアマイル組

グランアレグリアの相手探しといったムードが漂う今年の安田記念。昨年、短距離GIを3連勝した実績に加え、前走は牝馬マイルGIのヴィクトリアマイルを鮮やかな末脚で快勝。ここも敵なしといった雰囲気になるのは仕方がないところだろう。

ただ、過去10年の前走別成績を見ると、グランアレグリアにもまったく不安材料がないわけではないので、念のため確認しておこう。

安田記念 主な前走別成績 2011~2020年ⒸSPAIA


ヴィクトリアマイルからの出走馬は過去10年で15頭いて【0-3-0-12】。そのうち9頭がヴィクトリアマイル3着以内馬だけに、過去データからは好走馬でもそれほど信頼はできない印象。勝ち馬が出ていない点も少し気掛かりではある。2着の3頭は2018・2019年のアエロリット、そして昨年のアーモンドアイ。安田記念では単勝5・3・1番人気に支持されていた。

勝ち馬こそ出ていないが、ここ3年は連続して連対馬が出ており、ヴィクトリアマイル組の信頼感はグンと上がっている。成績が上がっている要因を考えて、ひとつ気づいたのが過去3年の安田記念のラップ。アパパネが上位人気で6・16着に敗れた2011・2012年などは、3Fの前後半差がプラス1秒以上の厳しい流れ。ところが、ここ3年は0.3秒、-0.6秒、0.1秒と上がりの速い決着が続いていて、前半に負荷のかからないレースとなっている。

前半は坦々と進み、後半はスピード、切れ味勝負なら牝馬も牡馬と互角以上の勝負ができる。逆にいえば、前半が予想以上に速い流れになったとき、その負荷が牝馬の最後の伸び脚に影響を与える可能性はある。また、消耗戦になったときに、ヴィクトリアマイルから安田記念の中2週の厳しいローテーションも響いてくるかもしれない。

まあ、グランアレグリアの不安材料を探して、重箱の隅をつついていることは分かっているのだが、昨年の安田記念、マイルCS、今年のヴィクトリアマイルと、33秒4~34秒3の速い上がりを鮮やかに差し切った脚を見ていると、この馬はスローの決め手勝負で最も持ち味が生きる印象がある。

グランアレグリアの過去12戦のうち、前3Fより後3Fの方が時計がかかったレース(マイル以上の距離)はNHKマイルC、安田記念、大阪杯の3戦。前後半0.1秒の安田記念は勝っているが、0.7秒差のNHKマイルCは5着(4位入線降着)、1.2秒差の大阪杯は4着に敗れている。もちろん、大阪杯は距離と重馬場の影響が大きかったことは分かっているが、1強グランアレグリアに対する懸命な死角探しということで、もう少しお付き合いいただきたい。

波乱の鍵をにぎるのは前半のペース

安田記念のペースに、僅かながら死角を感じ取ったものの、そもそも今年の安田記念のペースは速くなるのか。今年の登録馬を見ると、ペースメーカーになりそうなのはトーラスジェミニ。ほかではダイワキャグニー、ダノンプレミアム、ラウダシオンあたりも速そうだが、これらは、なにかを行かせて2、3番手が理想といったタイプに思える。

問題はトーラスジェミニだ。3歳以降、この馬は東京のオープンクラスのレースで3戦、また、マイルのオープンクラスでも3戦しているのだが、その6戦のポジション取りと3Fの前後半ラップ差を確認してみた。

トーラスジェミニの東京芝/マイル戦の通過順とラップ差(3歳以降のオープンクラスを対象)ⒸSPAIA


常にトーラスジェミニが先頭でレースを引っ張っているわけではないのだが、この馬がマイル戦や東京コースのレースに出走すると、まず遅い流れにはならない。6戦すべて後3Fの方が時計がかかっており、最も前後半差が少なかった昨年の毎日王冠でさえプラス0.9秒。飛ばしていく馬がいれば好位に控えることもあるのだが、過去の戦績を見ても行ってこそのタイプ。安田記念のメンバーに入れば自分の競馬に徹してどこまでと考えるのが普通だろう。

前半の3Fが34秒を切るペースになれば、レースに紛れが生まれるかもしれない。もちろん、どんなペースになっても、グランアレグリアを日本ダービーのサトノレイナスのように馬券対象から消すなどという判断はしないが、この速い流れが僅かにゴール前で影響し、グランアレグリアの二連覇を阻止するかもしれない。断然人気馬の頭が鉄板ではないかもと思えるだけで、少額で楽しむ穴党ファンはワクワクするのである。

もし、前半に負荷のかかるレースになったら、ちょっと楽しみにしているのがサリオスのレースぶり。昨年の毎日王冠はトーラスジェミニが引っ張り、好位から抜け出そうとするダイワキャグニーをあっさりとらえ豪快に3馬身突き放して見せた。距離は200m短くなるが、あの強いサリオスの再現を期待している。

ライタープロフィール
高槻とおる
グリーンチャンネルで結果分析、レース分析番組の構成作家を担当していた。現在は経営者取材などライターとして幅広く活躍中。ラップを長年研究しているが、実は馬券はパドック派。

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