94年以来の阪神開催
暦が5月に変わっても阪神開催は続く。以前は阪神で行われていたマイラーズCはまだしも、さすがに天皇賞(春)となるとイメージが全くわかない。それもそのはずで、当地での施行は1994年までさかのぼらなければならない。勝ったのはビワハヤヒデで、2着はナリタタイシン。
1994年ならリアルタイムで見ていたはずだが、記憶がまるでない。年を重ねると、最近の出来事は忘れても古いことは覚えているというが、昔のことすら思い出せなくなっている。だめだ、こりゃ。
そんな今年の天皇賞(春)は5月2日、阪神競馬場で行われる。例年と違う場所での開催となるが、使えそうなデータを駆使して好走馬を見つけ出したい。
その前に、天皇賞(春)の大まかな傾向を。ここ10年の平均単勝配当は約2100円、3連単は25万円を超えている。実力通りに決まるイメージがある長距離GIだけにちょっと意外。ただ7番人気が勝った2011年と、14番人気が勝った2012年が数字を大きく押し上げているのもある。ここ5年に限れば1番人気が3勝、2番人気が2勝。人気馬が勝っている半面、ふたケタ人気の馬も2回が2着。近年はヒモ荒れの傾向となっている。
まずは東西の所属別から。栗東所属14連対に対して美浦所属は6連対。ただし栗東所属馬の方が出走頭数が多く、勝率だと倍以上の差をつけて美浦所属馬に軍配。連対率、複勝率でも上回っている。今年は登録馬17頭中、美浦所属馬は4頭だけ。この4頭のうちどれかは馬券に絡む確率が高いように思えるが、果たして。
続いて年齢。1着馬10頭中、9頭が4、5歳。勝ち馬を探すならこの2世代からとなる。6歳馬は1勝のみだが、2着は最多の4頭。結果が出ていないのは7歳以上で、勝率0%、連対率も3%を切っている。唯一連対したのは2016年のカレンミロティック(8歳、13番人気)。荒れる前提とすれば一考の価値はありそうだが、データ的にはお勧めできない。
ところで、天皇賞(春)の前哨戦といえば、同じ長距離戦の阪神大賞典が思い浮かぶ。このレースから5頭が連対、3着まで広げると10頭が該当しており、注目度は今も昔も同じ。今年は本番が同じ競馬場で行われるので、例年以上に価値がありそうだ。
昔に比べて阪神大賞典のメンバーの質が下がっているのは事実だが、それに伴って天皇賞(春)に出走する層も薄くなっている。重要な前哨戦であり続けているのは、そのあたりも影響しているのだろう。
続いて日経賞、GⅡ時代の大阪杯の4連対と続くのだが、大阪杯に関してはGI昇格前、昇格後を同じレースとみなすと最多の6連対で、連対率も4割6分のハイアベレージとなっている。
ただ、今年は大阪杯組の参戦はゼロ。このデータは来年まで覚えておこう。また、1着馬10頭は全て前走でGIかGⅡを走っていた。2着馬も1頭中9頭が該当。GⅢ以下を経由してきた馬は苦戦が目立っている。
最後に、このレースにおけるプラスとマイナスデータを羅列していく。まずプラスデータだが、前走1着馬が5勝、2着4回となっており、勝率、連対率ともにほかの着順を圧倒している。勝った5頭とも、前走が0.2秒以内の接戦を制した馬。逆に0.6秒以上の差をつけて楽勝した馬は馬券に絡んでいない。また、負けた馬でも秒差なしだと【2-1-0-0】で連対率100%。前走が1着でなくても、これに該当すれば問題がないどころか、加点対象とみていいだろう。
前走で1番人気に支持された馬も、前走1着馬と同様に好成績を残している。また、ステイゴールド産駒はここ10年間で4勝。今回も出走していれば話が早かったのだが、同産駒の現役馬が少なくなってきたこともあって、登録の時点で出走なしと判明。代わりに孫のオルフェーヴル産駒が3頭登録。実績がないので加点はできないが、父同様に相性がいいのかどうか、今後のためにも注目しておきたい。
続いてマイナスデータの方。前走を東京で走った馬は16頭いて2着が1回だけ。ほとんどがダイヤモンドS組で、本番につながる前哨戦とはいえない。また、前走斤量が55キロ以下だった馬は33頭いて、連対したのは1頭だけ。さらに厳しいのは前走で追い込んだ馬【0-0-1-25】、中2週以内で使ってきた馬、および牝馬はすべての馬が圏外となっている。