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【高松宮記念】狙うは「シルクロードSの先行馬」 復調気配の古豪に期待

高松宮記念4角通過順位別成績,インフォグラフィック,ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

GⅠの流れでも先行勢は堅実

3月28日(日)に中京競馬場で行われる高松宮記念(GⅠ・芝1200m)。今年初の芝のGⅠレースにして春のスプリント王を決める一戦に、GⅠ馬7頭を含む精鋭18頭が集結した。阪急杯をレコードで勝利してこれが初のスプリント挑戦となるレシステンシアやマイルGⅠ・2勝馬インディチャンプなど、今年は例年以上にマイル戦線での活躍馬が多く参戦してきた印象。

その一方で香港スプリントを制覇したダノンスマッシュや昨年の覇者モズスーパーフレアなど、この路線での実績馬も強力な面々がスタンバイ。好メンバーが揃った一戦で狙うべきは果たしてどの馬なのか。また、穴馬の台頭はあるのか。今週もデータを踏まえて検討していこう。

はじめに、中京で開催された過去9年の傾向を分析する。

過去9年の高松宮記念脚質傾向ⒸSPAIA



2016年にビッグアーサーが1分6秒7というレコードを叩き出したが、雨で馬場が渋ることが多いのもあり傾向としてそこまで速く時計は出ていない。今開催も降雨が続いており馬場状態の悪化が懸念されるが、執筆時点でも日曜は雨予報であり、レースの傾向通りに低速決着が濃厚だ。時計がかかる馬場への適性は重視すべきだろう。

一流のスプリンターが集まるとあって先行争いは激しくなるわけだが、完全な前崩れとまでは至らないのがこのレースの大きな特徴。後続にマークされる逃げ馬はやや安定感に乏しいものの、連対馬18頭中11頭は4角5番手以内から運んでおり、やはり位置を取れる馬のほうが比較的に計算は立ちやすい。好位で前を見ながら運べる馬を狙い撃ちしたいところだ。

外枠は減点

過去5年の中京芝1200m枠別成績ⒸSPAIA



続いて枠番別成績をチェック。勝率では1枠が、連対率・複勝率では2枠がトップの成績であり、全体として真ん中から内目の枠が好成績を残している。1~5枠が連対率16.1%に対して6~8枠は8.0%と低調な成績であり、外枠は割り引いて考える必要がありそうだ。

先週は内枠有利な馬場状態だったが、先述したように馬場の傷みがどれくらい進行しているかは気にかかるところ。Bコース替わりがどう出るかはなかなか読みにくいが、セオリー的には内が有利と考えるべきところだろう。現役屈指の快速馬モズスーパーフレアがいるだけにペースが緩むとは考えにくいが、直線で様相が一変するほどの外差し決着にまでは至らないものと見越して、イン前で運べそうな馬を中心に馬券を組み立てたい。

古豪復活の絶好機

本命にはセイウンコウセイを推奨したい。8歳という年齢を考えると厳しいのではという見方もあるが、シルクロードSではトップハンデ58kgを背負いながら前の2頭が直線で沈む展開を3番手で運び、0秒5差の5着と粘っている。レース内容から考えて力が落ちているとは考えられない。もう少し内目が欲しかったのは否めないが、休み明け2戦目で引き続き実績のある中京、前走から斤量減と買い材料は豊富であり、ここでの復活も十分に期待できるはずだ。

対抗にはライトオンキュー。この馬もシルクロードS組だが、馬場の悪い内目を終始走らされる形になりながらも直線で一旦は先頭に立つ競馬で2着。こちらも内容的には申し分ない。内目の枠を引いてロスなく立ち回れそうなのも好材料であるし、前走のような馬場のバイアスがなければ勝ち切る場面も想定したい。

3番手にラウダシオン。こちらもシルクロードS組だが、スタートでやや後手を踏みながらも出脚の良さを生かして好位に取り付き3着。2歳時以来のスプリント戦で適性の高さを示した。本番のGⅠレースの前に同じ鞍上でスプリントの流れを経験しているのは、他馬との比較において大きなアドバンテージと捉えたい。

4番手にレシステンシア。逃げてレコード勝ちを収めた前走は他馬のプレッシャーが薄かったのも大きく過大評価はしたくない。番手に控える競馬でも問題はなさそうだし、重馬場の桜花賞でも地力で2着を確保しているため、適性面で過剰に不安視する必要もないが、ポジション取りの難しい不利な8枠16番という枠順はやはり懸念材料。初のスプリントという点も気になる。

以下、相手には先行力と道悪での好走歴を評価してモズスーパーフレア、ダノンスマッシュ、マルターズディオサ、レッドアンシェル、エイティーンガールまで手広く押さえておきたい。

▽高松宮記念予想▽
◎セイウンコウセイ
○ライトオンキュー
▲ラウダシオン
△レシステンシア
×モズスーパーフレア
×ダノンスマッシュ
×マルターズディオサ
×レッドアンシェル
☆エイティーンガール



《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をもつ東京大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。


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