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【高松宮記念】ハイブリッド式消去法で3頭が浮上!マイルGⅠ馬2頭に割って入る“特注”穴馬とは

2021 3/24 06:00八木遊
高松宮記念に関するデータⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

5つのデータから絞れた馬は?

先週は3歳重賞『ファルコンS』を予想した。本命ルークズネストが1着、対抗モントライゼが3着と格好はつけたが、1番人気のグレナディアガーズを消しており、本命・対抗のワイド的中が精いっぱい。クリーンヒットが出る日は果たして来るのか……。

今週予想するのは28日に中京競馬場で行われる『高松宮記念』だ。2011年は阪神開催だったため、今回は過去9年のデータから、複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップしていきたい。今年はフルゲート18頭に、23頭がエントリー。今週は除外対象馬を含めずに進めていきたい。

『関西馬』×『美浦所属騎手』★0.0%★

最初は、過去9年で7勝している関西馬に注目した。その勝率は6.4%で関東馬の2.0%を大きく上回る。ところが、複勝率は15.6%で、関東馬の18.0%に劣る。そこで注目したのは鞍上だ。関西馬に栗東所属騎手が騎乗した時は【7-5-5-69】(複勝率19.8%)だが、美浦所属騎手が騎乗時は【0-0-0-19】(同0.0%)と全て馬券圏外。これを1つ目の消去データとして採用する。

今年このデータに当てはまったのはシヴァージとライトオンキューの2頭。前者は福永祐一騎手から吉田隼人騎手、後者は古川吉洋騎手から横山典弘騎手への乗り替わりが決まっている。どちらも穴人気しそうだが、圏外に沈むとみて消去する。

【今年の該当馬】
・シヴァージ
・ライトオンキュー

『母父ミスプロ系』×『前走から斤量増』★0.0%★

続いては血統に注目した。取り上げるのは母父の系統だ。今年は、出走予定18頭のうち6頭の母父がミスタープロスペクター(ミスプロ)系である。過去9年で母父ミスプロ系は【1-2-1-25】(複勝率13.8%)とやや苦戦傾向。とりわけ、前走から斤量増で臨んだ場合は【0-0-0-17】(同0.0%)で好走例が一度もなかった。2つ目の消去データは、この組み合わせを取り上げたい。

母父がミスプロ系の6頭のうち、前走から斤量増で出走するのはアストラエンブレムとマルターズディオサの2頭。他の4頭は同斤量、もしくは斤量減での出走なので、いったん消去は免れた。

【今年の該当馬】
・アストラエンブレム
・マルターズディオサ

『キャリア21戦以上』×『前走6着以下』★2.4%★

3つ目のデータはキャリアを取り上げる。レース時点で21戦以上というある程度のキャリアを積んでいる馬は、過去9年で【1-6-2-80】(複勝率10.1%)。キャリア豊富な馬が好走するには前走で掲示板に載っている必要がある。前走1~5着なら【1-5-2-40】(同16.7%)で及第点。ところが、6着以下だと【0-1-0-40】(同2.4%)で巻き返すのは難しい。

今年このデータに当てはまったのは4頭。すでに消去済みのアストラエンブレムを除く3頭が新たに消去対象となった。前走17着大敗のモズスーパーフレアの連覇は厳しいとみる。

【今年の該当馬】
・(アストラエンブレム)
・ダイメイフジ
・モズスーパーフレア
・レッドアンシェル

『前走3番人気以下』×『前走人気>前走着順』★5.0%★

4つ目は、前走の人気に着目した。前走3番人気以下の馬が、その人気以上に好走していた場合、その成績は【0-1-1-38】(複勝率5.0%)だった。同じ前走3番人気以下でも人気ほど走っていなかった馬の方が【2-2-2-58】(同9.4%)と巻き返す確率は高い。

このデータで新たに4頭を消去。前走が海外GⅠの香港スプリントというダノンスマッシュは、国内オッズで3番人気に支持され、見事優勝を遂げた。ここでも有力馬の1頭だが、6歳という年齢、そして中京コースの相性がイマイチということもあり、危険な人気馬とみて消去対象としたい。

【今年の該当馬】
・サウンドキアラ
・(シヴァージ)
・セイウンコウセイ
・(ダイメイフジ)
・ダノンスマッシュ
・(マルターズディオサ)
・ミッキーブリランテ
・(ライトオンキュー)

『前走馬体重減or増減なし』×『今回馬体重減』★2.4%★

最後の消去データは前走と今回の馬体重を採用する。前走で馬体重減、もしくは増減なしだった馬が、高松宮記念で馬体重を減らしていた場合、その成績は【0-1-0-41】(複勝率2.4%)と絶望的な数字が残っている。前走で馬体重が増えていなかった馬が消去を免れるには、今回プラス体重もしくは増減なしが条件となる。

4つ目のデータを終えて残っている7頭のうち、前走馬体重がマイナスもしくは増減なしだったのは以下の4頭。その取捨は当日の馬体重発表時に確定する。

【今年の該当候補】
・エイティーンガール
・ダノンファンタジー
・トゥラヴェスーラ
・ラウダシオン

5つの消去データを全てクリアしたのは3頭。マイルGⅠ覇者のインディチャンプとレシステンシア、そしてGⅡ2勝のカツジである。上位人気が濃厚なGⅠ馬2頭には重い印を打つことになるだろう。

注目したいのは、単勝万馬券間違いなしのカツジだ。ここ2走は惨敗が続くが、前走・阪急杯を振り返ると、スタートで致命的な出遅れ。そして伸びかけた直線入り口で前が壁になり、競馬になっていなかった。勝ったレシステンシアとは1秒1差だったが、スタートが五分で直線の不利もなければ、掲示板はあったのではないだろうか。3走前のスワンSの再現とは言わないが、内枠を引いてうまく先行できれば好走する可能性はあるとみて印を回したい。

【ライタープロフィール】
八木 遊
野球兼競馬ライター。スポーツデータ会社やテレビ局の校閲職などを経てフリーに。2021年から、恥を覚悟でTwitter(@Yuuu_Yagi11)にて全重賞の予想、買い目、年間収支を掲載中。

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