アリストテレスは人気に応えられず
先週末は土曜日にファルコンS(GⅢ・芝1400m)とフラワーC(GⅢ・芝1800m)、日曜日に阪神大賞典(GⅡ・芝3000m)とスプリングC(GⅡ・芝1800m)の合計4重賞が行われた。AI予想エンジンKAIBAの予想結果は的中となったのか、レース結果とともに振り返る。
まずは天皇賞(春)に向けた重要な前哨戦、阪神大賞典から見ていこう。AIの本命はアリストテレス。三冠馬コントレイルと接戦を演じただけでなく、エピファネイア産駒は芝2400m以上で好成績を残している点、さらに同馬は道悪馬場も全く苦にしないという強みもあるという点からの推奨となった。
レースの主導権を握ったのはツーエムアロンソ。本命のアリストテレスは前にディープボンド、外にショウリュウイクゾをおいて6番手からレースを進めるが、スタート後から1週目の正面まで折り合いに苦労する場面も見られた。
その後折り合いがついたかと思ったが、想像以上にタフな馬場が気になったのか、2週目の3角手前でルメール騎手の手が動き始める。直線に向いて残り200mで苦しくなり、7着に終わった。
勝利したディープボンドは、AIの対抗評価の馬。好位追走から抜け出し、最後は5馬身差をつけての完勝。ただ、2着はユーキャンスマイル、3着はナムラドノヴァンは無印で的中ならずだった。
接戦を制したのは8枠14番ヴァクティファルス
皐月賞トライアルのスプリングS。こちらも雨の重馬場でのレースとなったが、本命は中山の道悪馬場で好成績を残しているヴェイルネビュラ。対抗は前走の共同通信杯2着から挑んだヴァクティファルス、以下ボーデン、アサマノイタズラ、レインフロムヘヴンという予想だった。
道中は中団のインコースで脚をため、ロスのない競馬を選択したヴェイルネビュラだったが、直線では思ったほど弾けず5着に終わった。道中、ほぼ同じポジションから外を回って進出し、勝利したのは対抗評価だったヴァクティファルス。ゴール前ではアサマノイタズラとの接戦を制した。
過去9年のスプリングSは8枠から6頭が馬券圏内に好走するというデータが見られていたが、ヴァクティファルスの好走により来年以降も注目のデータであると言えるだろう。
ゴール前の接戦を制したのはルークズネスト
土曜日に中京競馬場で行われたファルコンS。昨年の朝日杯FSの勝ち馬グレナディアガーズがこのレースから始動するということで注目が集まった。AIも実力面と過去3年の「川田騎手×中内田厩舎」の勝率30.4%、複勝率55.6%、「川田騎手×サンデーR」の勝率21.4%、複勝率59.4%と好相性のデータには逆らえないと見て、グレナディアガーズが本命だった。
対抗には同じ中京が舞台のシンザン記念で2着だったルークズネスト。以下、ニシノアジャスト、アスコルターレ、ロードマックスという予想となっていた。
スタートしてからのラップが12.2-10.6-10.9だったことからも分かるように、ハイペースで流れたファルコンS。その中で逃げたのはルークズネスト、グレナディアガーズは2番手を追走する。
4角では外からじわっと先頭に並びかけていったグレナディアガーズは、直線に向いてからも前を捉える勢いで坂を駆け上がってきたが、ルークズネストも外に馬体を併せていき抵抗。2頭の争いはゴールまで続いたが、最後の最後でアタマ差出たのはルークズネストの方だった。

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
予想は○◎の2頭による決着で馬連が的中となったが、このレースも対抗に推奨していた馬が勝利する形となった。
エンスージアズムはデータ通り好走も2着まで
3歳牝馬限定の重賞、フラワーC。本命は前走1着、過去5年の中山芝1800mで勝率30.0%、連対率50.0%、複勝率60.0%の母父ストームキャットのディープインパクト産駒という2つの要素を満たしていたエンスージアズムだった。対抗に阪神JF3着馬のユーバーレーベン、以下リフレイム、イズンシーラブリー、ルースに印を回していた。
アビッグチアが逃げる形となったレースで、エンスージアズムは中団外目を追走。4角から岩田望騎手の手が動き始め、直線では大外に進路を取って伸びていたものの、好位のインでロスなく立ち回ったホウオウイクセルには及ばず2着までという結果に終わった。
3着には対抗評価のユーバーレーベンが入ったものの、ホウオウイクセルは無印にしていたため、的中とまではいかなかった。
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