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【阪神大賞典】アリストテレス長距離適性は抜群 穴なら晩成血統の覚醒に期待

2021 3/18 06:00坂上明大
2021年阪神大賞典の参考レースⒸSPAIA

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非根幹距離での我慢比べ

天皇賞(春)の最重要ステップレースに位置づけられる阪神大賞典。今年は京都競馬場の改修工事の影響により天皇賞(春)が阪神芝3200mで行われるため、同じく阪神芝内回りで行われる本レースの重要度はさらに上がっている。本番に向けても目が離せない一戦だ。

【日経新春杯】
京都競馬場が改修工事中のため中京芝2200mでの開催。Aコース3週目で、1~2週目のような内有利のトラックバイアスは解消された印象。1月前半は降水量もかなり少なく、やや速めの馬場状態でもあった。レースは前後半1000m60.7-59.2の後傾1.5秒で流れたが、中京競馬場の勾配を加味すれば、淡々としたラップに耐えられるタフさが求められたレースだったといえるだろう。

1着馬ショウリュウイクゾは好位追走から残り300m程で先頭に立つと、渋太く粘って後続の追撃を凌ぎ切った。俊敏な動きができない反面、持続力に長けた馬であり、前走のような中長距離での上がりのかかる競馬がベスト条件だ。ただ、3000m級の超長距離戦を得意とするような血統ではないため、今回は前半で楽をできるかが鍵になるだろう。

不良馬場での消耗戦

2021年阪神大賞典の参考レースインフォグラフィックⒸSPAIA


【AJCC】
前日からの降雨の影響で不良馬場での開催。内目が酷く荒れており、直線は内を大きく開けるレースが目立った。内不利。レースは8枠の3頭が引っ張って前半1000mは63.3秒。上り坂から平坦の区間、かつ不良馬場ということを考慮するとまずまずのペースで運んでいる。下り坂に入る1200mからコースなりにペースが上がり、上がり1Fは13.3秒と大きく失速してのゴールイン。消耗戦に強い馬に向いたレースとなった。

1着馬アリストテレスは中団馬群で折り合って、3~4角は外々を回って差し切り勝ち。ルメール騎手とのコンビでそつのない競馬っぷりであった。鞍上が「トップコンディションではなかった」と話している通りデキは完調ではなく、その状態での勝利は価値が大きい。体力面、気性面ともに超長距離適性は高く、今回も上位争い濃厚の一頭だ。

超長距離路線のレベルの低さが露呈

【ダイヤモンドS】
スタート~1000mが63.8秒、1000~2000mが63.7秒のスローペース。1000~2000mを61.4秒で流れた昨年から一変して、近年の超長距離戦らしい折り合い重視のレースとなった。

4着馬ナムラドノヴァンは後方のインで折り合って、直線もジワジワと伸びて掲示板入り。ただ、1、2着馬には1秒差をつけられ、上がり3Fの時計も劣る形。別路線組に力差を見せつけられ、最近の超長距離路線のレベルに疑問符がつく結果となった。

現役屈指のステイヤー

アリストテレスはスタミナ豊富、かつ晩成型が多いバレークイーン牝系。本馬も徐々に力をつけ、菊花賞では無敗の三冠馬コントレイルに肉薄した。今年初戦を余裕残しの仕上げで制し、今回も本番に向けて負けるわけにはいかない。穴候補はアドマイヤジャスタ。14年コーフィールドCを勝ったアドマイヤラクティの3/4同血の弟。晩成血統だけにそろそろ覚醒があっても驚けない一頭だ。

注目馬:アリストテレス、アドマイヤジャスタ

※記事内の個別ラップは筆者が独自に計測したものであり、公式発表の時計ではありません。

ライタープロフィール
坂上明大
元競馬専門紙トラックマン。『YouTubeチャンネル 競馬オタク(チャンネル登録者45000人強)』主宰。著書『血統のトリセツ』。血統や馬体、走法、ラップなどからサラブレッドの本質を追求する。

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