前走GⅠ組は未勝利
中京競馬場の一大イベント、高松宮記念がすぐそこまで迫ってきた。ただ、今年は例年以上に馬場が使い込まれた状態。4週間開いてどこまで回復しているのか。こればかりはやってみないと分からないが、ひとまず高松宮記念の話は置いておこう。
今回はその中京競馬場で、3月20日に行われる第34回ファルコンSのデータを分析していく。中京競馬場がリニューアルしたのが2012年で、それと同時に距離が1400mへと延長されたこのレース。いつもなら過去10年の成績を基にしているが、今回は2012年以降の過去9回を参考にデータ分析していきたい。
過去9年の平均単勝配当は約1,470円で、馬単は約15,000円。荒れているように見えるが、2015年に14番人気の馬が勝って平均配当を押し上げている。過去9回で単勝の3ケタ配当は6回、残る2回も10倍台。連対した18頭中、4番人気以内の馬が13頭だから、毎年荒れているわけではない。
ただ、前述の通り14番人気馬が勝ったり、2着にも12番人気、11番人気の馬が突っ込んできたりと、人気薄の馬にも注意する必要があるレースといえる。
まず枠順から見ていくが、なかなか面白いデータとなっている。勝ち馬が出ているのは1、3、5、7、8枠。奇数枠の全てから、しかも2頭ずつ出現しているのに対し、偶数枠は8枠の1頭だけ。6枠は特にひどく、この枠に入った18頭全てが着外。
また、馬番で見ても偶数番3勝に対し、奇数番7勝。普通は後入れとなる偶数番の方が有利に思えるのだが、どうやらこのファルコンSは違うようだ。
東西別だと、美浦所属馬4勝に対して栗東所属馬が5勝。出走頭数を考えると美浦所属馬の方が優秀だ。ただし2着馬は栗東所属馬が8頭。勝率では美浦、連対率では栗東となるが、そこまで大きな差はついていない。
性別では牡馬・セン馬が17連対。牝馬は1勝、2着0回で、この1勝というのが昨年の勝ち馬シャインガーネット。2004年のキョウワハピネス以来16年ぶりの勝利となった。昨年は例外と考えて、基本的に牡馬・セン馬が有利とみていいだろう。
ここ9年の決まり手は先行、差し、追い込みが勝率6%と横並びで、逃げ馬だけが【0-0-0-9】と結果が出ていない。前述の通り、今年は例年以上に馬場が荒れた状態で施行されると推測できるが、悪化しすぎて差し馬が伸びてこないケースもたまにある。とはいえ、ここはデータ通り逃げ馬を軸にするのは避けた方がいいだろう。
次は前走でどのクラスで走っていたかを見ていく。最も勝ち馬を出しているのはGⅢ組で、半分以上の5勝を挙げている。勝率も20%を超えており優秀な数字だ。続いて1勝クラスとオープン組で2勝ずつ。
この2組は出走頭数が圧倒的に多く、ともに勝率は5%を切っている。オープン組の中でも、リステッド格付けのオープンを経由した馬は【0-1-0-13】とさらに数字が悪くなる。また、新馬や未勝利、GⅡ、GⅠを使った組から勝ち馬は出ていない。今年は朝日杯FS勝ち馬グレナディアガーズが出走を予定しているが、果たしてどうなるだろうか。なお、前走GⅡ組はサンプルが1頭しかいないので参考程度となる。
ほかに勝ち馬が出ていないデータといえば、キャリア2戦以下、もしくはキャリア8戦以上を重ねている馬。特にキャリア8戦以上の馬は連対率も5%を切っており苦戦の傾向。
さらに厳しいのが中2週で挑んできた馬で、14頭が出走して連対馬すら出ていない。また当日の馬体重が439キロを切っている馬も、該当する19頭全てが着外となっている。