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【中山牝馬S】「先行力」と「道悪適性」に注目 展開不利の前走から巻き返し必至の馬とは?

2021 3/12 06:00三木俊幸
2021年中山牝馬ステークス馬場適性チャート
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ⒸSPAIA

先週土曜日は稍重も大きな影響はなし

牝馬限定のハンデ重賞ということもあり、波乱の傾向が強い中山牝馬ステークス(GⅢ・芝1800m)。加えて3月ということもあり、このレースがラストランとなる馬も存在する。難解なレースではあるが、今週も馬場傾向を分析するとともに、適性の高い馬を探していきたい。

先週末の中山芝コースは金曜日の9時時点で良馬場まで回復していたが、その後1.0mmの雨が降ったことで稍重へと1ランク悪化。火曜日に26.5mm、木曜日に散水があったということも影響があったと言える。

3月6、7の中山芝コース、タイムと上がりⒸSPAIA

3月6、7の中山芝コース、通過順位ⒸSPAIA

土曜日は天候が回復傾向にあったが、終日稍重。その中で5レースが行われたが、1600m以上のレースでは上がり35〜36秒台の決着が多かった。3着内に好走した馬の4角通過順位を見ても対象馬15頭全てが5番手以内と、内を回った先行馬の好走が目立った。

良馬場に回復した日曜日も5レースが行われ、弥生賞ディープインパクト記念はスローペースだったものの2:02.0、上位入線馬上がりは34秒前半で時計・上がりとも開幕週のような高速馬場とはならなかった。

また前日に稍重でレースが行われたので、内ラチ沿いの馬場状態に変化があったのか注目されたが、対象馬15頭中13頭が4角5番手以内。ダメージはほとんどなかったと言っていいだろう。

愛知杯は展開が向かず

しかし、中山牝馬Sが行われる3月13日(土)は執筆時点では雨予報である程度のまとまった雨量にもなりそうだ。幸い、前日にレースは行われないので急激に内が悪くなるということはなく、基本的に4角である程度の位置につけられる馬に有利となると考える。そこに道悪適性も加味して、以下の6頭をピックアップした。

2021年中山牝馬ステークス馬場適性チャートⒸSPAIA



最も注目したいのはサトノダムゼル。前走の愛知杯は差し・追込馬が6着までを占めており、4番手追走の同馬には厳しい展開となった。4勝中3勝が重馬場、1800mという条件もベストであり、好走条件が揃っている。

ロザムールは、重賞初挑戦となった中山金杯ではゴール前で交わされてしまったが、4着に粘った。1800mへの距離短縮もプラス、道悪でも結果を残している。ハンデも引き続き52kg、再び穴をあける可能性は十分考えられる。

ドナアトラエンテの前走、初富士Sは荒れ馬場だった冬の中山開催の最終週、そして雨の影響を受けた重馬場でのレースだった。そうした中でも3番手から最後までしっかり伸びて勝利しており、着実に力をつけてきている印象を受ける。初の重賞挑戦でも53kgなら通用していい。

以下は差し脚質ではあるものの、昨年の中山牝馬Sの覇者で中山巧者でもあるフェアリーポルカ、昨年の4着馬デンコウアンジュも8歳を迎えたが、前走の小倉大賞典では一瞬見せ場を作って5着となるなど、展開が向けば怖い存在。

▽中山牝馬S予想▽
◎サトノダムゼル
○ロザムール
▲ドナアトラエンテ
△フェアリーポルカ
×デンコウアンジュ

ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在は競馬ライターとしてだけでなく、カメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場で取材活動を行っている。


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