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【共同通信杯】ステラヴェローチェは血統と脚質が鬼門 枠順次第で大波乱も

2021 2/10 06:00八木遊
過去10年の共同通信杯『前走1着』かつ『前走3番人気以下』の成績インフォグラフィックⒸSPAIA

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5つのデータから絞れた馬は?

先週の『東京新聞杯』では、ハイブリッド式消去法を封印。血統面からディープインパクト産駒のヴァンドギャルド、サトノアーサーなどを重視したが、いずれも馬券圏外に沈んだ。1週間の“迷走”はあったが、再びハイブリッド式消去法に切り替えて、穴馬探しに努めたい。

今週取り上げるのは牡馬クラシックにつながる『共同通信杯』。過去10年のデータから、複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップし、当てはまった馬を消去していく。今年は13頭が登録されているが、最終的に残るのはどの馬か。

『前走1着』×『前走3番人気以下』★0.0%★

最初の消去データは、前走1着馬に注目したい。過去10年の成績は【4-4-3-28】(複勝率28.2%)で、前走2~3着馬の【5-4-4-11】(同54.2%)に比べると苦戦傾向。特にその前走で3番人気以下だった場合は【0-0-0-16】で、1頭も馬券に絡んでいない。

登録された13頭の中で、この条件に当てはまったのはキングストンボーイとレフトゥバーズの2頭。前者は鞍上がC.ルメール騎手で人気を集めそうだが、思い切って消去する。

【今年の該当馬】
・キングストンボーイ
・レフトゥバーズ

『前走非重賞』×『前走4着以下』★5.3%★

続いて前走のクラス別成績を見ると、重賞組【4-5-6-30】(複勝率33.3%)と非重賞組【6-5-4-39】(同27.8%)に大きな差はなかった。ただし、非重賞組は前走4着以下だと【0-0-1-18】(5.3%)で、巻き返しは絶望的だ。

今年この条件に当てはまったのは、ディープリッチとハートオブアシティの2頭。どちらも前走は1勝クラスで大敗を喫しており、厳しい競馬を強いられそうだ。

【今年の該当馬】
・ディープリッチ
・ハートオブアシティ

『非SS系』×『前走4角7番手以下』★5.9%★

続いては、血統面から消去できそうなデータを探した。このレースは、とにかくサンデーサイレンス(SS)系が強い。過去10年の成績は【8-8-8-46】(複勝率34.3%)で、非SS系の【2-2-2-33】(同15.4%)を大きく上回る。非SS系の出走馬39頭を前走4角の位置別で分けると、6番手以内は【2-1-2-17】(同22.7%)とまずまず。一方、4角7番手以下だと【0-1-0-16】(同5.9%)で、複勝率は大きく下がる。

3つ目の消去データに当てはまったのは、カイザーノヴァ、ステラヴェローチェ、プラチナトレジャーの3頭。なかでも非SS系のバゴ産駒、ステラヴェローチェは前走の朝日杯FSで2着に入った実績馬。2走前には、同じ東京競馬場のマイル戦、サウジアラビアRCを完勝している。今回は1番人気になりそうだが、逃げ馬不在でスロー濃厚の今回は差し届かずのシーンも考えられ、思い切って消去する。

【今年の該当馬】
・カイザーノヴァ
・ステラヴェローチェ
・プラチナトレジャー

『キャリア4戦以上』×『前走から距離延長』★7.7%★【0-1-0-12】

続いては「キャリア」と「前走からの距離変動」の組み合わせから消去データを探した。まず、キャリア「4戦以上」と「3戦以下」で線引きすると、前者が【4-3-3-39】(複勝率20.4%)、後者は【6-7-7-40】(同33.3%)で、キャリアは浅い方が好走率は高い。キャリア4戦以上、かつ前走から距離を延長して臨んだ場合は【0-1-0-12】と馬券圏内は1例だけだった。

当てはまったのは既に消去済みのカイザーノヴァと牝馬ステラリアの2頭。後者はクイーンCとこぶし賞にも登録されていて、出否は未定。もし出てくれば、消去対象としたい。

【今年の該当馬】
・(カイザーノヴァ)
・ステラリア

『前走先行』×『今回馬番9番より外』★0.0%★

最後は前走脚質」と「今回枠順」の組み合わせを取り上げる。4つのデータを経て、消去を免れたのは13頭中5頭のみ。その5頭は、前走レースでそろって先行していた。そこで、前走で先行していた馬の過去10年を見ると、【4-4-3-21】(複勝率34.3%)という好成績。

しかし、枠順が大きく運命を左右する。前走先行馬の好走は内寄りの馬番8番までに集中。その成績は【4-4-3-10】(同52.4%)だった。一方、9番より外だと【0-0-0-11】。残った5頭が外枠(馬番9番~)に入った場合は消しとしたい。

【今年の該当候補】
・エフフォーリア
・シャフリヤール
・タイソウ
・ディオスバリエンテ
・ヴィクティファルス

この5頭が全て残る可能性もあるが、エフフォーリア、シャフリヤール、ディオスバリエンテあたりが外枠に入れば、大穴馬券を買うことになりそうだ。

【ライタープロフィール】
八木 遊
野球兼競馬ライター。スポーツデータ会社やテレビ局の校閲職などを経てフリーに。2021年から、恥を覚悟でTwitter(@Yuuu_Yagi11)にて全重賞の予想、買い目、年間収支を掲載中。

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