超ハイペースの外差競馬
京都競馬場の改修工事により中京芝1200mで行われる2021年シルクロードS。先週の雨開催の影響で馬場状態は荒れ気味で、さらに週中の降雨により今週も重めの馬場状態が予想される。速い逃げ馬も登録しており、馬場、ペースともに非常にタフなレースとなりそうだ。
【スプリンターズS】
開催最終日、かつ雨開催による馬場の傷みもあり「外有利」のトラックバイアス。レースではモズスーパーフレアが楽にハナに立ったが、2F目でビアンフェが仕掛けていったことで前2頭は前半3F32.8のオーバーペースに。後続は前後半3F33.5-34.8の前傾1.3秒でG1としては極端なハイペースとまでは言えないが、3番手以降も「稍後有利」であったことは間違いないだろう。
5着馬クリノガウディーは「大外追」のバイアスに合った競馬。直線で内から寄られてバランスを崩す面があったが、展開が向いた感は否めない。
9着馬ライトオンキューは前々のポジションで流れに乗ったが、ラスト1Fで失速して馬群に沈んだ。展開が向かなかった分はあるが、同位置のダノンスマッシュと比較するとG1では力が足りなかったか。
10着馬モズスーパーフレアは「最内逃」のバイアスとは正反対の競馬。参考外。
11着馬エイティーンガールは「外追」のバイアスに合った競馬。ただ、直線ではクリノガウディーにフタをされて進路無し。スムーズなら掲示板に載っていた可能性は高い。
ラウダシオンの敗因
【マイルCS】
レシステンシアが通常より0.2~0.3秒程テンが遅く、押して押してようやくハナへ。その分をリカバーしたのだろう、中盤で12.0秒を計時する形となり、全体では前後半3F34.9~33.5の後傾1.4秒。マイルG1としては遅過ぎる流れで「前有利」と評価。
15着馬ラウダシオンは楽に2番手につけたが、4角で逆手前になってスタミナロス。さらに得意とは言えない上がりの速い競馬という点も向かなかったか。負け過ぎではあるが、左回りに替わって巻き返す余地はあるか。
今回も末脚炸裂ならず
【京阪杯】
やや時計のかかる馬場だったが内外のバイアスは見られない。前後半3Fは33.8-34.4の前傾0.6秒だが、スタートから下り坂が続くうえ、当時は向正面が追い風だったことを考慮すると重賞としては平均的な流れであったか。
5着馬シヴァージは大外からの追い込みで自身の上がり3Fは11.1-11.2-11.2程度。これで上がり3Fの時計は7戦連続メンバー中最速であるが、差し切れたのは6走前の北九州短距離Sのみ。脚質が脚質だけに展開待ちといったところだろう。
6着馬トゥラヴェスーラは大外枠から無理せず外目中団に。直線でもまずまずの脚を使ったが、上位馬には伸び負けの形。重賞ではどうもワンパンチ欠ける。
2頭の末脚に期待
マイペースが叶いそうなモズスーパーフレアの巻き返しにも期待するが、荒れ馬場、かつモズスーパーフレアのペースを考慮して、エイティーンガールとシヴァージの末脚に改めて期待したい。特にエイティーンガールの瞬発力はG1でも通用する器だ。
注目馬:エイティーンガール、シヴァージ
※記事内の個別ラップは筆者が独自に計測したものであり、公式発表の時計ではありません。
ライタープロフィール
坂上明大
元競馬専門紙トラックマン。『YouTubeチャンネル 競馬オタク(チャンネル登録者45000人強)』主宰。著書『血統のトリセツ』。血統や馬体、走法、ラップなどからサラブレッドの本質を追求する。
《関連記事》
・【根岸S】2桁人気馬の3着が4回 穴候補は「5歳」「前走1400m」など 覚えておきたいデータ
・【シルクロードS】「前走距離」がカギ 中京芝1200m好走パターンとは
・上手な付き合い方のコツは?武豊騎手を「買える条件・買えない条件」