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【シルクロードS】「前走距離」がカギ 中京芝1200m好走パターンとは

2021 1/24 17:30勝木淳
2021年シルクロードステークスデータⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

上位人気堅実も複穴に注意

高松宮記念の前走レース別成績をみると、シルクロードSは【4-2-3-18】勝率14.8%、複勝率33.3%、単複回収値は186、202。16年1着ビッグアーサー、17年1着セイウンコウセイ、18年1着ファインニードル、19年2着セイウンコウセイ、20年1着モズスーパーフレアと5年連続で好走馬を送る。

特に19、20年は12、9番人気で連対。シルクロードSは高松宮記念での穴馬発掘のためにも重要なレース。まして今年は振替開催で本番と同じ中京芝1200mが舞台、例年以上に注目したい。なおデータは京都施行のものではなく、中京改修後の2012年から21年1月17日までの中京芝1200m、オープン以上の21レースを使用する。

人気別成績ⒸSPAIA


1番人気【6-1-4-10】、2番人気【5-5-3-8】、3番人気【5-3-4-9】などオープン以上では、上位人気は予想外に堅実。それぞれ勝率20%オーバー、複勝率は50%を超えており、上位人気に印を回さないというのは無謀だろう。

6番人気以下で勝利したのは9番人気の2勝(12年尾張Sラインブラッド、20年高松宮記念モズスーパーフレア)のみ。ただし2、3着の複穴はそれなりに出現しており、相手は手広くとりたい。

警戒すべき距離短縮組の好走条件とは

具体的な好走パターンをさらに踏み込んで分析しよう。芝1200m戦は前走との距離比較がわかりやすいので、使用する。

前走との距離比較別成績ⒸSPAIA


距離延長となるとJRAでは1000mもしくは1150mなので、確率が低いのは当然として、同距離【12-8-15-169】勝率5.9%、複勝率17.2%より距離短縮【10-12-5-107】勝率7.5%、複勝率20.1%がいいのは見過ごせない。

同距離は頭数が多いために確率も下がるわけだが、向正面直線部分が短いため前半のペースが上がりにくく、最後に急坂がある中京芝1200mは、距離短縮組が優勢であることは忘れないでおきたい。

短縮組の前走別成績ⒸSPAIA


前走1400m【7-9-4-77】勝率7.2%、複勝率20.6%、前走1600m【3-3-1-29】勝率8.3%、複勝率19.4%が好走ゾーン。想定から前走1400mはクリノガウディー、前走1600mはラウダシオンが該当する。

距離短縮組はたった3頭。大半が前走1200m出走馬であり、やはり同距離組は無視できない。

前走1200m組の前走着差別成績ⒸSPAIA


まずは前走1200m戦を勝利した馬。想定ではラヴィングアンサーなどが該当(前走1200mタンザナイトS1着)。2着との着差タイム差なしは【0-2-0-7】で複穴警戒。負けた組は当然ながら着差が小さいほど成績がいい。

前走1200m組の前走脚質別成績ⒸSPAIA


続いて前走の脚質を調べると、後方【1-0-2-42】以外の逃げ【1-3-1-15】、先行【4-2-5-39】、中団【5-3-6-69】は好走確率が高い。上記から前走後方だったラヴィングアンサー、シヴァ―ジなどは減点か。

前走1400m組の前走着差別成績ⒸSPAIA


1400m組の着差別成績だが、該当するクリノガウディーは阪神C0.5秒差5着。0.3~0.5秒負けは【2-4-2-19】複勝率29.6%は侮れない。

前走1400m組の前走脚質別成績ⒸSPAIA


勝率では逃げ【1-1-0-4】が優勢も複勝率では先行、中団、後方も20%前後。クリノガウディーが該当する中団は【4-4-0-34】勝率9.5%、複勝率19.0%。

20年高松宮記念1位入線という実績からもクリノガウディーは十分勝負になりそうだ。最後はラウダシオンの前走1600m組を分析する。

前走1600m組の前走着差別成績ⒸSPAIA


ラウダシオンは前走マイルCS1.2秒差15着。1.0~1.9秒負けは【0-1-1-12】複勝率14.3%は微妙なところ。

前走1600m組の前走脚質別成績ⒸSPAIA


同じように脚質別成績をみると、ラウダシオンの前走は2番手から失速。前走先行は【1-1-1-4】勝率14.3%、複勝率42.9%。こちらのデータからはラウダシオンの巻き返す可能性は十分考えられる。

そもそも、3歳時に左回りの1400~1600mでGⅠ含め1、2、1、2着。中京のファルコンSなど1400mは3戦1、1、2着。距離短縮に適応する余地は十分あるだろう。

ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。YouTubeチャンネル『ザ・グレート・カツキの競馬大好きチャンネル』にその化身が出演している。

2021年シルクロードSデータ


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