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【東海S】武豊騎手騎乗のインティはやはり最上位 中京ダートの限られた好走パターンに合うのは?

2021 1/21 06:00坂上明大
2021年東海ステークスの参考レースⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

中京ダートの内有利レース

チャンピオンズCと同じ中京ダート1800mで行われる東海S。中京ダートは3~4角が下り坂のうえコーナー角もきついため、外からマクッていくと大きく振られてしまう独特なコースレイアウト。内か前か、好走パターンが非常に限られている。有力馬の適性を見極めていきたい。

チャンピオンズCのトラックバイアスⒸSPAIA


【チャンピオンズC】
エアアルマスがハナを切って、インティがややプレッシャーをかけながら3F別ラップは36.5-35.8-37.0。前年は同36.6-36.2-35.7の内前有利であったが、2020年は中京ダート特有の「内有利」の競馬であった。ただ、それでも結果的には前年と同じ4頭での決着であり、中京ダートがいかに好走できる馬を限定しているかがわかる結果だ。

3着馬インティは外枠から2番手につけ、中盤も緩めずに、3~4角では早めにスパート開始。残り100m程で交わされてしまったが、本馬の先行力と俊敏さは中京ダートにピッタリだ。手前変換さえ上手ければ勝っていてもおかしくない。揉まれ弱い面があるが、スムーズに運べれば今回も勝ち負けになるだろう。

13着馬アナザートゥルースは押して好位につけたが、馬群に包まれて砂を被って後退。力を出し切れなかった。再度中京ダート1800mでの競馬となると無理にでも1、2番手を取りに行く必要があるだろう。

ハイペース巧者の激走

【師走S】
リアンヴェリテが出ムチを入れてハナに立ち、3F別ラップは36.3-37.8-38.3のハイペース。先行勢にはかなり厳しい流れで、粘ったのはバレッティ(2番人気2着)ぐらいであった。「後有利」。

1着馬タイキフェルヴールは出遅れて最後方から。向正面から徐々にポジションを上げていき、残り100m程で先行勢を差し切った。出遅れのハンデを跳ね返したことは評価できるが、展開が向いた感は否めない。さらにハイペースに強いフリオーソ産駒でもあるから、ペースもピッタリだったか。

5着馬デュードヴァンも後方待機からタイキフェルヴールの後に続いたが、ラスト1Fで脚が上がってしまった。コンパクトな馬体からも1400~1600mが適距離だろう。

名手の好判断

【ベテルギウスS】
メイショウワザシが押してハナを主張したが、3~4F目を大きく緩め、ベストタッチダウンが上がっていったことで残り5Fは12.0前後の淡々とした流れ。3F別ラップは38.0-37.0-36.9。展開による大きなバイアスは感じられなかった。

1着馬オーヴェルニュはペースの緩んだ3~4F目で上がっていき、無理なく好位につける。このあたりはさすがルメール騎手と言わざるを得ない。直線も測ったように前を捉え、後続の追撃も凌ぎ切った。

9着馬グレートタイムは直線入り口で挟まれて後退。外々を回っていいタイプではなく、内枠から内々をついてこその馬。中京ダートも合い、内枠なら巻き返し可能だ。

中京巧者の2頭に注目

揉まれ弱さはあるが、スンナリならインティが最上位。穴ならグレートタイム。内枠という条件付きではあるが、砂を被っても問題なく、ピッチの利いた走法からも中京ダートが合わないわけがない。

注目馬:インティ、グレートタイム

※記事内の個別ラップは筆者が独自に計測したものであり、公式発表の時計ではありません。

ライタープロフィール
坂上明大
元競馬専門紙トラックマン。『YouTubeチャンネル 競馬オタク(チャンネル登録者45000人強)』主宰。著書『血統のトリセツ』。血統や馬体、走法、ラップなどからサラブレッドの本質を追求する。

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