4枠4勝は内訳を確認すべし
1984年、12月の中京開催ダート2200m、ウインターSとして創設、その後距離は2300mに変更、97年東海ウインターSと名称を改めた。その年の勝ち馬は船橋のアブクマポーロ。2000年からは帝王賞前の5月に移り、東海Sと改称した。
中京競馬場改修後は再び冬に戻り、フェブラリーSの前哨戦として1月施行となった。2021年と同じ1月、中京ダート1800mで行われたのは2013~19年(20年は京都)の7回のみ。したがってデータもこの7回のものを使用する。
なんといっても過去7回で1番人気は【5-0-2-0】と馬券圏内パーフェクト。これに逆らうのは無理筋な気もする。
というのも、フェブラリーSの前哨戦は翌週の根岸Sもあり、前哨戦ではないが川崎記念もある。よって出走馬が自然と分散する。加えて根岸SはGⅢ。格はGⅡの東海Sが上で実績上位グループが集まりやすい。
冬はダート競馬の旬、メンバーが手薄になることはあまりない。展開の緩急が小さく、紛れが少ないダート競馬では下位グループが展開利を得にくい。1番人気の成績はこういった面を反映したものだ。
ただし、中京競馬場らしく2、3着に穴馬が飛び込むシーンもあり、2番人気【0-2-0-5】、3番人気【0-1-1-5】に対して8番人気【0-1-1-5】、9番人気【0-1-0-6】、10番人気以下【0-2-1-37】。単純に上位人気同士で決着という結末は少ない。
枠別成績は、まず4枠【4-0-1-8】が目立つが、これは取り扱いに注意。というのも、勝利した4頭はすべて1番人気。7回中4回1番人気が4枠に入っただけである。
穴馬という視点でみると、狙いは内枠だ。2枠は8、12、6番人気が3、2、3着。3枠は1、3、13、2番人気が3、3、2、2着。4枠より外は上位人気馬が目立ち、穴は内枠から出現する。
インティに対抗できる主力世代の4、5歳馬とは
ここからは具体的な好走パターンを年齢別傾向から分析する。
5歳が【4-3-3-11】勝率19%、複勝率47.6%で断トツ。まずはここからだろう。
5歳の前走クラス別成績をみると、前走GⅡ組はゼロだが、それ以外は幅広く好走馬が出ており、大きな隔たりはない。前走GⅠ【2-0-2-2】はJRAのGⅠチャンピオンズC(ジャパンCダート含む)【1-0-2-1】と東京大賞典【1-0-0-1】で今年は想定にない。想定では前走ベテルギウスS1着のオーヴェルニュ、マリーンS4着ケイアイパープルが該当。前走オープンは【1-1-0-6】だ。
次は勝率で見劣るも、複勝率が28.6%と高い4歳について。意外にも今回はデュードヴァン1頭のみ。
デュードヴァンは前走リステッド競走(OP組)。複勝率は25%とまあまあの数字。重賞2着の成績もあるし押さえておいて損はない。
6歳は想定にはグレートタイムなどがいる。クラス別でみると、前走オープン【0-0-1-12】、前走GⅢ【0-0-0-5】なのでどれも強調しづらい。
4~6歳はどれも一長一短。こうなると、レース傾向で堅実な1番人気に支持されそうな7歳インティだろうか。
インティは前走チャンピオンズC3着。7歳の前走GⅠ組は【1-2-0-2】。東海Sは19年1着(中京)、20年3着(京都)と好相性。
これで決まりと言いたいところだが、7歳前走GⅠ組の内訳は東京大賞典【1-1-0-0】、チャンピオンズC組はゼロ、前身のジャパンCダートが【0-1-0-1】と若干微妙。それでも1番人気の圧倒的な成績を考えると嫌う必要はないだろう。
ライタープロフィール
勝木 淳
競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。YouTubeチャンネル『ザ・グレート・カツキの競馬大好きチャンネル』にその化身が出演している。
《関連記事》
トップはキタサンブラックの18億7684万円 アーモンドアイは何位?競走馬JRA獲得賞金ランキング
上手な付き合い方のコツは?ルメール騎手の「買える、買えない条件」
全部買うだけで黒字 複回収率200%の条件も 2021年は穴ジョッキー森裕太朗に注目