ラッキーライラックは下降線?
4月の大阪杯を勝ったラッキーライラックは、神騎乗とも言える完璧な手綱さばきで勝利。しかし、その後の宝塚記念6着、札幌記念3着は物足りない結果となった。
もともと叩き良化型とはいえ、札幌記念では戦前に陣営が「かなり仕上げた」と話していたほどの出来で3着に敗退。この2戦の走りを見ると5歳秋の牝馬ということもあり、下降線に入ったと考えていいかもしれない。
近親のアエロリットも5歳秋まで頑張ったが、最後の勝利は4歳の毎日王冠だった。馬券を買うにしても相手候補として検討するのが賢明だろう。
ヴィクトリアマイル勝ち馬は消しが得策
2019年のヴィクトリアマイル覇者ノームコア。古馬牝馬のGⅠレースは春のヴィクトリアマイルと秋のエリザベス女王杯の2つがあるが、この2つは距離も違い問われる特性も真逆。そのため、「エリザベス女王杯ではヴィクトリアマイルの好走馬は消し!」というのが筆者の考えだ。
高速馬場適性が問われるヴィクトリアマイル(1600m、ワンターン)で好走したなら、スピード適性が高いと考えられる。となれば、2200mのエリザベス女王杯には向かないということ。過去を振り返っても、ヴィクトリアマイルの勝ち馬がエリザベス女王杯に出走した際の成績は【0・1・3・9】。ヴィルシーナ、ホエールキャプチャ、アパパネ、ブエナビスタといった名馬もエリザベス女王杯では負けており、両GⅠを制覇した馬は1頭もいない。
ノームコア自身も3歳時にエリザベス女王杯で2番人気5着と敗れている。複勝回収率も48%しかないため、ヴィクトリアマイルの勝ち馬はエリザベス女王杯では消した方が得策なのだ。特にヴィクトリアマイルをレコードタイムで勝っていることからも、やはりスピードタイプの可能性が高い。上位人気に推されそうだが、疑ってみたい。
リアアメリアはやはりハイペース不安
リアアメリアは秋華賞の時にも「危険な馬」として取り上げた。今回も筆者は危ない人気馬と予想。好走パターンのひとつに左回りが挙げられ、アルテミスS1着、オークス4着、ローズS1着と安定して力を出している。右回りでは新馬戦を除けば6着、10着、13着と大敗が多い。
それ以外に影響していると考えられるのが前半のペース。前半3Fが35.5秒以上のレースでは3戦3勝。反対に33.7秒と速かった阪神JFは1番人気で6着。34.9秒だった桜花賞と秋華賞もそれぞれ10着、13着と大敗。ゆったり運んで脚をためるのが好走パターンのため、前半3Fで遅くなるかどうかに注目したい。
今年のエリザベス女王杯は京都ではなく阪神開催のため、同舞台のGⅠ宝塚記念のデータを参考にしたい。過去10年、良馬場の宝塚記念の平均前半3Fは35.1秒と、35.5秒を切っている。スローペースにでもならない限り、リアアメリアの好走パターンにはあてはまらない可能性が高い。
ライタープロフィール
鈴木ショータ
競馬伝道師。競馬エイトトラックマンを経てフリーに。オリジナルのweb競馬新聞「PDF新聞」を毎週発行。根っからの大穴党で、馬券格言は「人の行く裏に道あり”穴”の山」
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