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【エリザベス女王杯】ラッキーライラックは消し ハイブリッド式消去法で免れるのは最大7頭

2020 11/11 06:00八木遊
エリザベス女王杯データⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

5つのデータから絞れた馬は?

先週の『アルゼンチン共和国杯』は、消去を免れた3頭が1、3、4着という結果に終わった。オーソリティとサンアップルトンのワイドを何とか拾ったが、本線はあくまでもサンアップルトンとユーキャンスマイルだったため、クリーンヒットとはならず。次こそ3連複ゲットといきたい。

今週の対象レースは、阪神芝2200mで開催される『エリザベス女王杯』。今回は過去10年の当該レースと、距離が同じGⅠということで、2011~20年の宝塚記念から複勝率10%未満の「凡走データ」を5つピックアップしたい。今年はどの馬が凡走する確率が高いのか、データで迫った。

※9日時点、リリーピュアハートが回避し、18頭が出走予定。

『前走馬体重減 or 同体重』×『前走6着以下』★4.2%★(2010~19年エリザベス女王杯)

前走で体重を増やせていなかった馬が、6着以下に沈んでいた場合、エリザベス女王杯では【0-0-1-23】と結果が出ていない。馬体をつくりすぎていない状態で前走を迎えていた方が好走率は高いということだろう。 今年、この条件を満たしたのは1頭だけ。前走の秋華賞にマイナス4kgで臨み、13着に敗れたリアアメリア。大敗からの巻き返しは困難とみる。

【今年の該当馬】 ・リアアメリア

『ノーザンファーム生産』×『キャリア16戦以上』★5.6%★(2010~19年エリザベス女王杯)

今年は大挙10頭を送り込むノーザンファーム(NF)。3つ目の消去データは、あえてNF生産馬の弱点を探ってみたい。NF生産馬はとにかく2歳から活躍する馬が多い。その分、キャリアを重ねるごとに力を発揮しにくくなるケースも考えられる。キャリア16戦以上でエリザベス女王杯に出走してきたNF生産馬の成績を見ると【0-0-1-17】で、複勝率は5.6%だった。

今年、この条件を満たしたのは5頭もいる。1番人気が予想されるラッキーライラック、前走で重賞初制覇を果たしたサラキア、センテリュオなど有力馬もまとめて消去したい。

【今年の該当馬】
・ウラヌスチャーム
・サラキア
・シャドウディーヴァ
・センテリュオ
・ラッキーライラック

『3歳馬』×『前走から騎手乗り替わり』★7.7%★(2010~19年エリザベス女王杯)

今年は5頭の3歳馬が出走を予定しているが、秋華賞1~2着馬は不在。過去10年で、3歳馬の鞍上が前走から乗り替わっていた場合の成績は【1-0-0-12】で、複勝率7.7%だった。 今年は秋華賞3着のソフトフルートと5着のミスニューヨークが乗り替わりを予定している。木曜日に発表される出馬表で、急遽の乗り替わりなどは確認したい。

【今年の該当馬】
・ソフトフルート
・ミスニューヨーク

『今回6番人気以下』×『今回4・5枠』★4.1%★(2015年以降の阪神芝2200m全58レース)

最後は、阪神芝2200m戦から消去データを取り上げたい。この条件で行われる重賞は6月の宝塚記念だけ。春のグランプリも含め、2015年以降、このコースで開催されたレースは「58」に上る。注目したのは枠順だ。

58レースの枠順別の複勝率を見ると、そこまで大きな差はなかった。しかし、6番人気以下という人気薄の馬が4~5枠に入った場合は大苦戦していた。その成績は【0-2-2-94】で、複勝率は4.1%。4~5枠以外は13.3%なので、その差は明白だ。このコースでは、実力で劣る馬が馬群に包まれると厳しいということだろうか。

最後の消去データは、枠順発表後、当日の人気の動向を見て決めることとする。それまでの4つの消去データをかいくぐってきたのは以下の7頭。

・ウインマイティー
・ウインマリリン
・エスポワール
・サトノガーネット
・サムシングジャスト
・ノームコア
・ラヴズオンリーユー

このうち、ノームコアとラヴズオンリーユーは5番人気以上が確実。残りの5頭は4~5枠に入った場合は消去するつもりだ。現時点の本命候補は先行力が持ち味のエスポワール。展開利が見込め、叩き2戦目もいい。何とか“いい枠”を引いてほしいところ。他に気になるのは、ノームコアとウインマリリンの2頭。最終追い切りの動き次第で印を回す予定だ。

【ライタープロフィール】
八木 遊
野球兼競馬ライター。スポーツデータ会社やテレビ局の校閲職などを経てフリーに。競馬との出会いはメジロマックイーンが勝った1990年菊花賞。その後、オルフェーヴルに魅了され今に至る。思い出のレースはトウカイテイオーが勝った1993年有馬記念とウイニングチケットが勝った1993年日本ダービー。


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