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男子体操の東京五輪代表残り2枠は誰だ?内村航平は種目別で出場なるか

2021 5/26 11:00タカシロアスカ
谷川航と北園丈琉Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

6月の全日本種目別選手権を踏まえて決定

東京オリンピックの代表選考を兼ねた体操のNHK杯(5月16日)で、男子は初優勝を果たした橋本大輝(19、順天堂大学)と「失敗しない男」と呼ばれる2位の萱和磨(24、セントラルスポーツ)が代表に内定した。残り2枠は6月に行われる全日本種目別選手権までの演技成績で一番得点が取れるチームとして選出される。

全日本選手権で2位だった谷川航(24、セントラルスポーツ)は最後の種目の鉄棒でミスが響いて3位に終わり、この日の代表入りはならなかった。インタビューでは「あの場面で決められない弱さが課題で、技術的な面ではなくメンタル的な面が大事だと考えている」と振り返った。

ここで種目別を含めて代表選手を予想してみたい。一番得点が取れるチームを独自に分析した。まず、総合得点は以下の通り。

1位 橋本大輝 合計259.530(持ち点:173.365/NHK杯:86.165)➝代表内定
▽ゆか 14.300
▽あん馬 14.733
▽つり輪 13.833
▽跳馬 15.133
▽平行棒 14.100
▽鉄棒 14.066

2位 萱和磨 合計259.394(持ち点:172.696/NHK杯:86.698)➝代表内定
▽ゆか 14.200
▽あん馬 14.866
▽つり輪 14.233
▽跳馬 14.300
▽平行棒 14.566
▽鉄棒 14.533

3位 谷川航 合計258.693(持ち点:172.728/NHK杯:85.965)
▽ゆか 14.166
▽あん馬 14.000
▽つり輪 14.200
▽跳馬 15.533
▽平行棒 14.833
▽鉄棒 13.233

4位 三輪哲平 合計258.160(持ち点:171.662/NHK杯:86.498)
▽ゆか 14.000
▽あん馬 14.233
▽つり輪 13.933
▽跳馬 14.833
▽平行棒 15.033
▽鉄棒 14.466

5位 武田一志 合計255.861(持ち点:170.097/NHK杯:85.764)
▽ゆか 14.333
▽あん馬 14.233
▽つり輪 14.666
▽跳馬 14.300
▽平行棒 14.166
▽鉄棒 14.066

6位 杉野正尭 合計255.260(持ち点:169.729/NHK杯:85.531)
▽ゆか14.166
▽あん馬15.033
▽つり輪13.033
▽跳馬14.500
▽平行棒14.133
▽鉄棒14.666

7位 前野風哉 合計254.996(持ち点:170.264/NHK杯:84.732)
▽ゆか 13.833
▽あん馬 14.200
▽つり輪 14.033
▽跳馬 14.166
▽平行棒 14.400
▽鉄棒 14.100

8位 松見一希 合計254.461(持ち点:169.229/NHK杯:85.232)
▽ゆか 14.833
▽あん馬 14.000
▽つり輪 13.800
▽跳馬 13.966
▽平行棒 14.533
▽鉄棒 14.100

9位 北園丈琉 合計254.362(持ち点:170.197/NHK杯:84.165)
▽ゆか 14.133
▽あん馬 14.433
▽つり輪 13.500
▽跳馬 14.233
▽平行棒 14.366
▽鉄棒 13.500

順当なら谷川航、最後のイスは北園丈琉か三輪哲平?

すんなりいけば、バランスの取れた谷川が選ばれる可能性は高い。

ミスさえなければ橋本や萱と同レベルの総合得点を出せる可能性は高く、まさに高得点の一端を担うことができる。跳馬ではブラニク(前転跳び前方屈身2回宙返り)を習得しているため、得点を出すメンバーとしては有力だ。

橋本は床、跳馬が得意であり、萱はあん馬と平行棒に定評がある。外国勢と戦うためのチームとしての相性はいい。

残る1枠は条件付きではあるが、けがの具合が良くなれば「内村2世」とも呼ばれる鉄棒の得意な北園あたりが浮上するかも知れない。ダークホースとして、北園と同じ名門・清風高校出身の4位・三輪も挙げておこう。こちらも大逆転劇があっても驚けない。

個人枠は内村航平、米倉英信ら有力

団体メンバーの4人とは別枠で、もう一つ注目したいのは種目別代表だ。

日本は個人の出場枠を獲得しているため、その個人枠を狙って熾烈な争いが並行して行われている。NHK杯でさすがの演技を披露したのは、鉄棒に絞って3大会連続の金メダルを目指す内村航平(ジョイカル)。2019年の世界選手権の優勝者の得点を上回る15点台をマークしている。

跳馬の米倉英信(徳洲会)も自身と同じ名前の大技「ヨネクラ」を引っ提げて種目別枠に挑む。「ヨネクラ」はロペス(伸身カサマツ跳び2回ひねり)のひねりを2回半にした、跳馬で最高難度の技だ。

H難度「ブレットシュナイダー」の内村、「ヨネクラ」の米倉に加え、床の「ひねり王子」白井健三も種目別の床運動で15.100点をマークし、代表入りへわずかな望みをつないでいる。

日本の東京五輪個人枠代表は最大2人で、現時点で1枠を確保しているが、団体戦と合わせて種目別で金メダルを取れる選手をどう選ぶか、こちらも注目だ。

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