畠田瞳、平岩優奈、杉原愛子とともに五輪代表に
東京五輪の代表選考会を兼ねて行われた体操のNHK杯女子個人総合で村上茉愛(24・日体クラブ)が3年ぶり3度目の優勝を飾った。全日本の得点を持ち越し、合計168.030点でリオに続いて2大会連続オリンピック代表を決めた。
2位は畠田瞳(20・セントラルスポーツ)で合計166.196点。畠田の父は1992年バルセロナ五輪団体総合銅メダルメンバーの畠田好章氏で、親子2代でのオリンピック代表となった。
3位の平岩優奈(20・戸田スポーツク)も合計163.230点で代表に決定。162.196点で4位の杉原愛子(21・武庫川女大)が貢献度も考慮されて最後の1人に決まり、4人で団体総合のメダルを狙う。
1964年東京五輪の団体総合銅メダルが唯一
「体操ニッポン」と言われるが、実は女子体操の五輪メダリストは少ない。
1964年に開催された前回の東京オリンピック団体総合で池田敬子、相原俊子、小野清子、中村多仁子、千葉吟子、辻宏子の6人が銅メダルを獲得したのが唯一。2009年の世界選手権で個人総合銅メダルに輝いた鶴見虹子は北京オリンピック個人総合では17位、美人アスリートとして人気だった田中理恵はロンドンオリンピックで個人総合16位、村上も前回のリオデジャネイロオリンピックは個人総合6位だった。
リオ五輪団体総合では惜しくもメダルに届かなかったものの4位入賞。村上は2017年の世界選手権の種目別ゆかで、1954年の世界選手権の平均台で優勝した田中敬子以来63年ぶり金メダルを獲得し、2018年の世界選手権では個人総合で銀メダルに輝いただけに、東京五輪への期待はいやが上にも高まる。
親友の寺本明日香の分まで
村上は腰を痛めて2019年の世界選手権代表から漏れた悔しさを忘れていない。テレビのインタビューで「一度は体操をやめようと思った。今の自分のほうが数段強くなっている」ときっぱりと言い切るのは自信の裏返しに他ならない。
村上が代表入りを逃してエース不在で戦うことになった世界選手権でチームを引っ張ったのが、村上の親友の寺本明日香だった。今回はどん底から這い上がって東京オリンピック代表の切符を獲得した村上とは逆に、寺本は昨年2月に左足アキレス腱を断裂した影響もあって代表入りを逃した。世界選手権とは立場が逆転したのである。
村上は親友への思いも胸に、東京オリンピックに臨むことになった。「今度は私の番。私が自覚を持って日本を引っ張ってメダルを獲る」と力強く語る。
オリンピックでメダル獲得すれば57年ぶり。東洋の魔女ならぬ「ジャンピング・ジャパン・ガールズ」の活躍が期待される。
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