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体操界の新星・橋本大輝は内村航平の後継者?東京五輪ダブル金も期待

2021 4/25 06:00タカシロアスカ
橋本大輝Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

水鳥本部長も絶賛「想像以上の実力がある」

体操・全日本選手権の男子個人総合で、橋本大輝(19、順大)が合計173.365点をマークして初優勝した。予選7位から決勝で大逆転。優勝インタビューでは「NHK杯では安定した演技で日本のエースと言われるように頑張りたい」と話した。

5月のNHK杯とともにオリンピック代表選考会を兼ねた全日本選手権。市立船橋高時代からずば抜けた実力を持っていたが、水鳥強化本部長も橋本に対して「想像以上の実力がある」と絶賛。世界と戦うための実力は十分備わっているようで「15点台はプロフェッショナルの域しか出せない点数。それを見事にたたき出している」と手応え十分だ。

橋本が予選7位からの大逆転を成功させたのは負けん気の強さもあるだろう。1種目目、予選で2度落下したあん馬の悔しさを爆発させた。大技ヨネクラを見事に成功させて跳馬から平行棒、鉄棒と15点台をたたき出し、最終種目の床も15点台で大逆転した。

内村航平は鉄棒で優勝し「キング健在」示す

種目別の鉄棒に絞って4大会連続の五輪出場を狙う内村航平(32.、ジョイカル)も圧巻の演技を見せた。H難度のブレトシュナイダーをはじめG難度カッシーナ、E難度のコールマンと離れ技をすべて成功させ、個人最高得点の15.466点をマークした。

内村は予選でも15.166点をマークし、日本協会が作成した暫定の世界ランキング1位得点(14.933点)を0.2点上回った。32歳といえど技の切れは健在。着地は左足がぴったりとはいかなかったが、それでも若い選手が憧れる貫禄の演技を堂々と見せた。

体力が落ちていることを感じると言っていた内村だが、日々の練習で動きを体に染みこませることで、年齢による体力の衰えをカバー。神の領域といわれたキングは、今も努力を重ねて得意の鉄棒で最後になるかもしれない金メダルを狙っている。

しかし、本人いわく「大満足の出来ではない」という。今回の演技については「100満点中60点。やってる感覚がまだよくない」と、上を見据えたコメント。キングの挑戦は終わらない。

個人総合優勝の橋本大輝は鉄棒でも3位に入った。こちらも15点台の高得点。得意は全盛期の内村と同じ床と鉄棒で、後継者の一人として期待がかかる。

東京五輪の男子個人総合は「NEXT内村」を狙う橋本で金、個人の種目別は「永遠のキング」内村で金、も夢ではないかもしれない。

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