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ゴルフルールブックに沿って解説するゴルフのルールと処理の方法その5

2017 8/3 12:07hiiragi
Golf,Water
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ウォーターハザードからの救済方法は基本2つ

規則26は、ウォーターハザード(ラテラル・ウォーターハザードを含む)からの救済に関して書かれている。ウォーターハザードとは、コース内の池や川など水に関連する場所を言い、杭や線によって境界が定められている。境界は水との境目ではなく、杭や線であるから注意が必要。
また、その場所に水があるかどうかも関係がない。ウォーターハザードにボールが入った場合、プレーヤーの対応は2つに分かれる。

【そのままボールを打つ場合】
ウォーターハザードの境界内にボールは入ったが、水がない場所や水が浅い場所にボールが止まって、プレーヤーが打てると判断すれば、そのまま打っても構わない。
ただし、ハザード内では以下の行為は禁止されている。
1.状態のテスト
2.地面や水に触れる
3.ルースインペディメントに触れる
クラブをソールする、木の葉を動かすなどの行為をしては反則となり2打罰が与えられる。

【ウォーターハザードからの救済を受ける場合】
ボールがウォーターハザードに入った場合、1打罰を払って次の処置をとることができる。
1.最後にプレーした場所のできるだけ近くからプレー。
2.ウォーターハザードの境界を最後に横切った地点と、ホールを結んだ後方延長線上にドロップしてプレー。
ウォーターハザードからの救済はこの2種類だ。
しかし、地形的に2.の後方延長線上が取れない池や川が在る。このような地形の池や川をラテラル・ウォーターハザードといい、この場合最後にボールが横切った地点から、ホールに近づかない2クラブレングス以内にドロップしてプレーができる。

これは危ないと思ったら暫定球を打っておく

規則27は紛失球やアウトオブバウンズの球、暫定球に関して書かれている。

【紛失球】
ボールを探し始めて5分以内に見つからなければ、そのボールは紛失球となる。この場合は1打罰の上、最後にプレーした場所まで戻って、できるだけ近くでプレーしなければいけない。このような面倒を避けるため、自分の打ったボールが見つからないかもしれないと思ったときは、後に出てくる暫定球を打っておけば、わざわざ戻って打ち直す手間が省ける。

【アウトオブバウンズの球】
いわゆるOBのボールである。この場合も1罰打を払い、元の場所に戻って打ち直しをしなければいけない。OBかなと思った時は暫定球をお勧めする。

【暫定球】
紛失球やOBかもしれない場合、暫定的に別のボールを打っておくことができる。これは、わざわざ戻って打つ手間を省くための対応だが、暫定球を打つ旨同伴競技者に宣言しなければいけない。プレーヤーには、いつでも1打罰を払えば元の位置から打ち直しができる権利があり、宣言なしではこちらの処置とみなされる。暫定球は元のボールが在ると思われる地点まで何回でも打てるし、暫定球の暫定球も打つことができる。

アンプレヤブル宣言に理由はいらない

規則28は、アンプレヤブルの球に関して書かれている。アンプレヤブルとは英語で「unplayable」でプレーできない又はプレーに適さないボールの意味だが、プレーヤーはボールがウォーターハザードにあるときを除き、コース上どこででも自分のボールをアンプレヤブルにすることができるとある。
したがって、アンプレヤブルのボールの規定や条件はなく、プレーヤーがアンプレヤブルにしようと思った全てのボールが対象となる。ウォーターハザードにあるボールは、規則26にのっとり対応すればいい。

アンプレヤブルにした場合の処置の方法は1打罰を払って以下のとおり。

1.最後にプレーした場所のできるだけ近くでプレー。
この場合は、最後のプレーがティショットならティを立ててもいいし、ティショット以外ならできるだけ近くにドロップする。

2.ホールとボールを結んだ後方延長線上にドロップしてプレー。
この場合は、コース内ならどこまで下がってもいい。

3.ボールからホールに近づかない2クラブレングス以内にドロップしてプレー。
2クラブ以内か1クラブ以内かはペナルティが発生すれば2クラブ、障害物などからの救済のように無罰の場合は1クラブと覚えておけばいい。

ゴルフにもある団体戦やチーム戦

規則29~規則32までは、その他のプレー形式に関して書かれている。現在競技形式の主流は、個人戦のストロークプレーで、2020年東京オリンピックでもこの競技方式に確定した。次いで多いのが個人戦のマッチプレーで、アマチュアの日本タイトルやクラブのタイトル戦に採用されている。
ここまでが主流のプレー形式で、団体戦やポイント制の競技方式がその他のプレー形式だ。
団体戦は、ゴルフワールドカップやライダーカップなどに採用される競技方式で、国別や団体別の戦いに適している。

主な競技方法は以下のとおり。
・フォアサム
味方同士の2人が、1個のボールを打ってホールアウトする。

・フォアボール
味方の2人が、それぞれ自分のボールを打ちホールアウト、いい方のスコアを採用する。

ポイント制競技は、ステーブルフォード競技と呼ばれ、パー、ボギー、バーディなどをポイントに換算して、トータルポイントで勝敗を争う。いいスコアにポイントを厚くすれば、攻撃的なゴルフが有利になって面白いプレー形式だ。

競技における委員会の持つ責任と権利

規則33は委員会、規則34は紛議と裁定に関して書かれている。
どちらも競技の運営管理に関するものだが、委員会の責任と権利は絶大で、競技の成功は全て委員会にかかっている。
責任の部分は
・日付と競技者の名前の入ったスコアカードの用意
名前と日付は競技者に書いてもらってもいい。

・各ホールのスコアの加算
各ホールのスコアの記入は競技者の責任だが、提出されたスコアカードの各ホールの足し算は委員会の責任となる。

・順位の決定
タイの場合の決定方法前もって決めておかなくてはいけない。

また、権利の部分には
・競技失格の自由裁定
エチケットの重大な違反でも委員会が判断すれば競技失格にできる。

・ローカルルールの制定
規則に矛盾しなければコース条件に見合うローカルルールの制定ができる。雨の日のボールを動かしていいルールや、修理地での対応はローカルルールとして扱われる。

以上でゴルフルールブックに沿って解説するゴルフのルールと処理の方法は終わりである。 ルールを知らなくてもゴルフはできる。しかしルールを知っていればもっとフェアで楽しいゴルフができるのではないだろうか。