多くの地域で熱中症警戒アラート
コースは木々にセパレートされているとはいえ、晴れていればプレーするところに日陰はほとんどなく、直射日光を浴びながらプレーすることになる。また、芝からの照り返しも強く、実際の気温は、天気予報などで発表されているものよりも高くなることが多い。
近年の夏は異常な暑さになることが多く、昨年の霞ヶ関カンツリー倶楽部で開催された東京オリンピックでも暑さが猛威を振るった。複数の参加選手のキャディが熱中症になり、急遽代役がキャディをせざるを得ない事態になった。
そんな昨年よりも今年は“酷暑”といえるかもしれない。総務省が発表している、熱中症による救急搬送人員は今年の5月1日から7月31日の間で45234人だった。昨年の同じ時期では27943人。今年は昨年の約1.6倍の人数が熱中症になっている。
7月28日から31日に開催された楽天スーパーレディースでは、2日目終了時点で2位タイにつけ優勝争いをしていた安田祐香が、3日目スタート前に熱中症により棄権した。真夏のゴルフに慣れているツアー選手ですら、今年の暑さには参っている状況だ。
際立つ暑さにより、多くの地域で熱中症警戒アラートが発表されている。熱中症警戒アラートとは、環境省と気象庁が、熱中症にかかる危険がきわめて高いと判断した時に、いつも以上の積極的な熱中症予防を呼びかけるものだ。
一般のゴルファーはより一層、“熱中症”を他人事としてとらえずに、対策をしながら夏ゴルフを楽しみたい。
5つの熱中症対策
高温になる夏のコースラウンド中に取り入れたい熱中症対策を5つ紹介する。
①水分補給
喉がかわいてからガブガブ水分補給するのではなく、時間を空けずに、こまめな水分補給を心掛けたい。塩分と糖分を一緒に補給できるスポーツドリンクがおすすめだ。
②日差しの防御
直射日光が頭に直撃して体温が上昇しないようにするために、サンバイザーではなく帽子をかぶってプレーしたい。ヘッドウェアにファッション性を求めた場合、サンバイザー派であったとしても、この時季は機能を重視して頭全体をまもることができる帽子を着用するようにしたい。
③傘の利用
プレーで使う乗用カートには、傘があるはずだ。それを日傘代わりに使うことは、日差しの防御になる。クラブだけでなく傘も持ち運ぶことになるので少々面倒だが、有効な熱中症対策になる。
④日陰にカートを止める
乗用カートを走らせるカート道路は、コースのサイドにあることが多い。木々の近くにあるということなので、樹木と太陽の位置次第では日陰になる場所ができる。極力、その日陰にカートを止めたい。日陰に止まる時間が長いほど日差しを回避でき、その分、熱中症のリスクを抑えることができる。
⑤昼食時の飲酒を控える
コースラウンドでは、前半9ホール終了後の昼食時のビール(飲酒)が「何よりも楽しみ」なゴルファーは少なくないだろう。だが、飲酒の量が増えると脱水症になりやすく熱中症のリスクが増し危険だ。昼食時の飲酒は、普段より少しだけでも減らした方が良いだろう。
夏ゴルフの楽しさ
プレーのしやすさで見れば、やはり春や秋のゴルフが最も良いかもしれない。ただ、夏のゴルフには夏ならではの楽しさがある。青々とした密度の濃い芝(やっかいな長いラフ)、セミの鳴き声など、夏しか味わえないゴルフを堪能することができる。
ただ、それは健康な体があってこそ。普段から健康に気をつかっていて、体力に自信がある人でも、気温が上がる夏のゴルフは熱中症対策をしながらプレーしていきたい。
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