インパクトでフェースはターゲット方向
狙い通りの方向にボールを飛ばすためには、インパクトでフェースが目標に対してスクエアである必要がある。ドローやフェードなど球を曲げて目標を狙う場合なら、完璧なスクエアが理想にはならないが、基準はスクエアとして問題ないだろう。
ただ、クラブヘッドに意識を置き「スクエアにインパクトをする」ことを目指しても、求める結果を得ることは難しい。手や腕、体の動きをより良くしていくと、結果的にスクエアなインパクトになりやすくなる。
今回はフェースの向きと右肩の動きを関連付けて考えてみたい。
ダウンスイングで右肩が下がり過ぎないようにする
ダウンスイングでは、体幹の左サイドが伸びて右サイドが縮む“体幹の側屈”が必要だ。だが、この時に右肩が下がり過ぎるとフェースの向きは乱れる。
基本的に右肩が下がると、クラブヘッドも下がりフェースが開く。こうなるとプッシュスライスの球筋になる。また、それをなんとか回避しようと無理にフェースを閉じる動きが入りやすくなる。インパクトで無理やりフェースの向きがスクエアになるようクラブに力をかけると、良い球筋になることがあるかもしれないが再現性は高まらない。
自然な流れでフェースの向きがスクエアなインパクトにするためには、右肩が下がり過ぎない適切な側屈をする必要がある。
日本一のショットメーカー桂川有人
7月14日から17日に開催された全英オープンで日本人最上位だったのが、今季日本ツアーで賞金ランキング2位の桂川有人。23歳で初出場となった海外メジャーは、68位タイの松山英樹よりも上位の47位で戦いを終えた。
今季、日本ツアーでのトータルドライビングとパーオン率は1位。現時点で日本ツアートップであるショット精度が桂川を支えている。特にトータルドライビングは2位以下を大きく引き離しており、ドライバーショットの飛距離と方向の両立には目を見張るものがある。
桂川のスイングは、アイアンでもドライバーでも右肩の下がる度合いが小さい。それがショットの高い精度につながっている。
右肩が下がりにくいグリップの握り方がポイントだ。桂川の右手グリップはややウィーク。右手の平が正面を向くストロンググリップよりも、右手の甲が少し正面を向くウィークグリップの方が右肩は下がりにくい。
右腕の力を使い過ぎないように注意
桂川のスイングを参考に右手グリップをウィーク寄りに調整する場合、右ひじの向きに注意が必要だ。
右手をウィーク寄りにするには、右前腕を内側へ向ける必要がある。この時、右上腕も一緒に内側に回り込み右ひじが外を向きやすい。だが、右ひじが脇腹を指している状態が基準なので、右手グリップの調整は上腕と前腕を独立させ、前腕だけでコントロールしたい。
右肩に意識がいくと、次第に右腕全体にも意識がいきやすくなる。右腕は無意識にクラブの動きを乱してしまう“過度な力”を出してしまいやすい部位。“体の回転を止めない”など、自身のスイング全体のバランスを見ながら右肩の高さにも注目してみてほしい。
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