「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」

松山英樹と中島啓太、マスターズで日本人選手が2つのトロフィー独占へ挑む

2022 4/2 06:00akira yasu
プロゴルファーの松山英樹,Ⓒゲッティイメージズ
このエントリーをはてなブックマークに追加

Ⓒゲッティイメージズ

松山英樹、史上4人目のマスターズ連覇へ

日本人男子初のメジャー制覇から一年。松山英樹の、ジャック・ニクラウス、ニック・ファルド、タイガー・ウッズに次ぐ”史上4人目のマスターズ連覇”へ向けた戦いが始まろうとしている。

昨年は試合を重ねながら、試合勘が研ぎ澄まされた状態でオーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブに乗り込むことができた。しかし今年は、3月のプレイヤーズチャンピオンシップの初日スタート前に首痛を理由に棄権するなど、順調に調整やスケジュールをこなすことができていない。ショット練習を再開できたのも3月20日を過ぎてからだ。この時期に思うようにクラブが握れない状況は、マスターズ連覇に黄色信号が点灯しかけているといわざるをえない。

だが、明るいニュースもある。今季出場したこれまでの試合の成績は、昨季の同時期のものより良い。松山が3月27日時点で今季最後に出場した試合は3月のアーノルド・パーマーインビテーショナル。同大会までに松山が今季出場した試合は10試合で、内9試合が昨季も出場した大会だった。その9試合中7試合は今季の成績の方が良い。

今季のフェデックスランキングは4位。万全の状態でオーガスタ入りすることはできないかもしれないが、これまでの実績や経験もふまえると、優勝候補として名前を挙げて良いのではないだろうか。

松山英樹が今季出場した大会,ⒸSPAIA


松山以来のローアマを目指す中島啓太

2021年、日本男子ツアーのパナソニックオープンでアマチュア優勝を達成した中島啓太。アジアパシフィックでも優勝し、今年のマスターズ出場権を獲得した。世界アマチュアランキングは2位に大差をつけての堂々1位。2011年松山以来の日本人二人目のマスターズローアマを狙う。

今年1月の米ツアー、ソニーオープンインハワイでは2日目終了時点で「フィル・ミケルソン以来の米ツアーアマチュア優勝か」と注目されるほど躍動。成長は着実に進んでいる。

マスターズにはナショナルチームで切磋琢磨し合った、尊敬する金谷巧実も出場する。金谷とともに師事しているガレス・ジョーンズコーチも現地に帯同するようだ。アマチュア時代に出場も、ローアマとはならなかった金谷の想いを引き継ぎ、師のサポートを受けながら、アマチュアとしては最初で最後のマスターズを戦う。

あり得る、日本人選手のトロフィー独占

マスターズには2つのトロフィーがある。優勝者のものとローアマのものだ。もし松山の連覇と中島のローアマがダブルで達成されれば、この2つのトロフィーを日本人選手が独占することになる。

さらに、表彰式では優勝者に前年度優勝者がグリーンジャケットをかける、というのが慣例となっているが、前年度優勝者は松山。ファルドとウッズが連覇した時と同じであれば、松山が優勝した場合は、マスターズ委員会の上層部がグリーンジャケットを松山にかけることになる。つまり、松山優勝と、中島ローアマが実現すれば、マスターズで行われる表彰式に出ている選手は日本人選手のみとなる。実現すれば昨年の日本人初メジャーにも負けないインパクトがある快挙だ。

マスターズの開幕は4月7日。今年はどんなドラマがオーガスタで起こるのだろうか。

【関連記事】
日本人初米ツアー優勝の地で見えた 日本男子ゴルフの明るい未来
松山英樹の強さの秘密は素振りにあり? 世界屈指のショットメーカーに学ぶゴルフ上達法
女子ゴルフ界のシューズ「NN戦争」王者ナイキを稲見萌寧も使うニューバランスが猛追