選手はキャディーと二人一組
トーナメントではツアー選手はキャディーとともにプレーする。キャディーバッグを運ぶことはもちろん、ターゲットまでの距離を算出したり、風やグリーンを読んだりするのがキャディーの主な役割だ。
ツアー選手のキャディーはプロキャディーだと思っている人も多いだろうが、実はそうでもない。試合会場となるゴルフ場で普段からキャディーをしているハウスキャディーや、選手のコーチがキャディーを務める場合もある。
トーナメントではツアー選手はキャディーとともにプレーする。キャディーバッグを運ぶことはもちろん、ターゲットまでの距離を算出したり、風やグリーンを読んだりするのがキャディーの主な役割だ。
ツアー選手のキャディーはプロキャディーだと思っている人も多いだろうが、実はそうでもない。試合会場となるゴルフ場で普段からキャディーをしているハウスキャディーや、選手のコーチがキャディーを務める場合もある。
プロキャディーやコーチにキャディーを依頼する場合は、選手個人が雇う。選手と一心同体のような関係性で、年間を通してツアーを転戦する場合もあれば、スポットでペアを組む場合もある。
資金的に余裕がなくコストを抑えたい選手は、ハウスキャディーに頼むことが多いようだ。ハウスキャディーは普段、試合会場となるゴルフ場で働いており、コースの特徴を知り尽くしているため、ツアー選手にとっては役立つ助言などが期待できる。
キャディーバッグは重い。キャディーはそれを担ぎ(もしくは手引きカートに乗せて)、練習ラウンドを含めると5~6日間、18ホール歩く。練習ラウンドは9ホールで引き上げる場合もあるが、練習場への帯同などもするため体力を要する。
1ヤード刻みで戦略を立てコース攻略を狙う選手たちにとって、ターゲットまでの残り距離の算出は重要だ。傾斜のアップダウンや風、グリーン上のラインの読みなどには知識や経験がものを言う。これらは選手本人でもできることだが、選手本人が迷う場合もある。その時にキャディーの見解が選手の助けとなるのだ。
東京オリンピックのゴルフ競技では、男子も女子も注目度が決して高くない”伏兵”が活躍。そして、その選手たちのキャディーバッグを担いだのは家族だった。
男子ゴルフで最終日に61を叩き出し、銀メダルを獲得したスロバキア代表のローリー・サバティーニや、7人でのプレーオフの末に銅メダルを獲得した台湾代表のC.T.パンのキャディーは、妻が務めていた。
一方、女子ゴルフでは、オリンピック前の世界ランキングが200位ながら優勝争いを繰り広げ、4位となったインド代表アディティ・アショクは、母親がキャディーバッグを担いだ。
アショクは、最終日最終組。同組で金メダルを獲得した、世界ランキング1位のアメリカ代表ネリー・コルダと、銅メダルを獲得した、世界ランキング11位のニュージーランド代表リディア・コといった世界トップレベルの選手に最後まで食らいついた。
飛距離は出場した60人中59位。コロナに感染した影響で落ちた飛距離が戻らない中での活躍となった。
プレーのコース攻略のサポートをするのがキャディーの主な役割だが、精神面のサポートをするのも重要な仕事だ。
実際、銀メダルを獲得したサバティーニは「妻がキャディーをしてくれたので、リラックスできたのも一因だ」と話し、パンは「とにかく、目の前の一打に集中して、妻と冗談を言い合っていた」と語っている。東京オリンピックのように、各国のプロツアーとは違った雰囲気となる大会では、家族の精神面でのサポートがより大きな力を発揮するのではないだろうか。
ゴルフはメンタルスポーツ。選手が平静を保ち、集中力を維持できるかどうかはプレー内容に大きく影響する。キャディーの動きを見ていると、選手が飲料を口にすべきタイミングでボトルを差し出したり、手の汗をふくためのタオルを言われなくても渡したりと、選手の集中を邪魔しない気配りがある。
プロツアーはキャディーの選手とのやりとりや、所作や動きに注目して見てみても面白いかもしれない。
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