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フェアウェイウッドとユーティリティー クラブの特性の違いとセッティングの注意点【ゴルフハウツー】

2021 7/5 06:00akira yasu
イメージ画像ⒸFranz Pfluegl/Shutterstock.com
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ⒸFranz Pfluegl/Shutterstock.com

ウッド系クラブの多様化

最近は、ロングアイアンやミドルアイアンよりフェアウェイウッド(以下FW)やユーティリティー(以下UT)などのウッド系クラブを使用する傾向にある。ゴルフショップのアイアンセットの多くは6番や7番から販売されており、それより飛ばす番手はアイアンやFW、UTの中から単品を選んで組み合わせることになる。

ロングアイアンを苦にせず打てるゴルファーは、5番や4番までアイアンをセッティングして大丈夫だろうが、多くのゴルファーにとってロングアイアンは難しいもの。よって、FWやUTを組み合わせることになる。

では、FWとUTをどのように組み合わせればよいのだろうか。まずは、それぞれの特性の違いについて把握しておきたい。

フェアウェイウッドとユーティリティーの特性の違い

FWとUTの形状は似ているが、特性は異なる。

UTと比べてソール幅が広くヘッドが芝をすべりやすいFWは、ダフりに強い。また、ロフト角が同じ場合、重心が深い(ヘッドの重心がフェースから離れている)ため、つかまりやすく上がりやすい。そして、スピン量が増えやすい。

FWに比べてソール幅が狭く重心が浅い(ヘッドの重心がフェース寄り)UTは、FWよりも低弾道・低スピンのショットになりやすい。また、アイアンと同様に重心が浅いことから操作性が高い。

フェアウェイウッドとユーティリティーの特性比較ⒸSPAIA

クラブセッティング

ツアー選手のセッティングを見てみると、細かく距離感を出すというよりも「少しおおまかにその距離を飛ばす」場合はFW。スピン量を増やさずに、風が吹いても距離をきっちり合わせて打ちたい場合はUT、といったように決めているようだ。

6月10日~13日に開催されたサントリーレディスで優勝した青木瀬令奈のキャディーバッグには、ドライバー、FW4本、UT2本、と計7本のウッド系クラブがセッティングされ、アイアンは7番からだったようだ。

青木は身長150センチと小柄で飛距離が出る選手ではなく、今季(2020-2021)のドライビングディスタンスも218.03ヤードで90位(6月27日時点)。そのため、第2打ではピンまでの距離が他の選手よりも残りやすい。操作性が高いアイアンより、楽に飛距離を出せるウッド系を多く選びセッティングしたのだろう。

一般のゴルファーのクラブセッティングもいろいろなパターンが考えられる。女性などパワーがないゴルファーはFW多めの方が良いだろうし、パワーヒッターはUTの方が扱いやすいかもしれない。 FWとUTの両方をセッティングする場合、飛距離がかぶらないように気を付けながら、それぞれの特性にも目を向けたい。

練習はアイアンを中心

ウッド系クラブを多くセッティングする場合でも、練習はアイアン中心ですることをおすすめする。コースラウンドでウッド系をよく使うからといって、そのクラブばかり練習しても上達や平均スコアの向上は望みにくいからだ。

アイアンよりウッド系の方がミスヒットに強いが、裏を返せば「ミスヒットがぼやける」とも言える。ミスヒットをうやむやにしたまま練習し続けると、ミスになるスイングを固めてしまいかねない。ミスを明確に感じ取れるアイアンでしっかり打てるようになることが、ウッド系クラブの特性をより引き出せるようになり、ショットの安定感増にもつながるだろう。

より良いクラブセッティングと、それを活かす普段の取り組み。ウッド系クラブの特性を味方につけて、コースを攻めていきたい。

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