黄金世代の渋野日向子らと日本勢2番手争い
女子ゴルフの東京五輪代表争いは、自ら「はざま世代」と呼び、今年4勝の21歳、稲見萌寧が急浮上で猛追して大混戦の展開になってきている。
堅実さと勝負強さが光るスタイルで、4月下旬のフジサンケイ・レディースでは通算12アンダーの201で優勝。今年のツアー8戦4勝の快進撃で、昨年と統合された今シーズンでは5勝目、通算6勝目となった。
5月17日付世界ランキングによると、米ツアーを主戦場にする畑岡奈紗は日本勢トップの12位。日本選手2番手争いは一段と激化しており、古江彩佳が25位、渋野日向子は26位、稲見萌寧は31位、鈴木愛は43位。稲見は現状で事実上残り1枚の五輪切符を古江や渋野と争う形で、日本勢2番手の背中も見えてきた。
五輪出場権は6月末の世界ランキングで各国・地域の上位2人に与えられ、世界15位以内であれば4選手まで出場できるルールだ。
「はざま世代」の勝負師、パーセーブ率トップ
タレントぞろいの1998年度生まれ「黄金世代」と2000年度生まれ「ミレニアム世代」と比較し、自らを「はざま世代」と呼ぶ1999年度生まれ。「はざま世代」の勝負師、稲見はそれでも逆転での東京五輪代表入りをあきらめていない。
5月上旬の国内四大大会、ワールド・サロンパス・カップでも2位に入り、今季賞金は既に1億円を突破している。
好調の要因は、座右の銘とする「忍耐」の言葉通り、トップに立つパーセーブ率だろう。ツアー屈指のショットメーカーで、簡単にボギーを打たない堅実なゴルフが強みだ。
パーオンしないホールで、パーかそれより良いスコアを獲得するリカバリー率もトップ。
平均ストロークでも賞金女王争いトップの小祝さくらに次いで2位。その勝負強さはデータに表れている。
キックボクシングの成果でスイング
今オフに取り入れたキックボクシングトレの成果も好成績に結び付いている。ショットの飛距離アップと安定感、下半身強化に成功。ツアーを戦い抜く上での体力がつき、体幹強化でスイングの軸がブレずに球筋が安定しているのが大きい。
年間最多優勝記録10勝も視野
女子ゴルフの年間最多勝利記録は2003年に不動裕理が記録した10勝。2015年にはイ・ボミ(韓国)が7勝してツアー史上最高の約2億3049万円を稼いだ。稲見の今年4勝目は、不動を上回るペースで来ており、勝利数、獲得賞金ともに歴代女王の記録を塗り替える勢いだ。
「理想像は不動裕理」と語る稲見。この調子を維持して勝利を積み重ねれば、東京五輪代表圏内の日本勢2番手に浮上する可能性も十分出てくる。
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