ボールの行方を気にし過ぎるとヘッドアップする
インパクト時、クラブヘッドがボールに当たる前に目標方向を向いた頭が起き上がることを「ヘッドアップ」という。ヘッドアップによりアドレス時の前傾姿勢が崩れスイングの再現性が損なわれる。また、力の伝達効率も悪くなる。
打ったボールの行方を気にするあまりインパクト前に顔が上がってしまうことが一般的な理由で、初心者がミスショットをした時などに同伴プレーヤーから指摘されることもある。
インパクトまでボールを見続ける時は注意が必要。視線をボールに集中させ過ぎると、スイングの力が増して脊柱を固定してしまい身体を回旋させにくくなってしまう。
ボールを見る意識を弱めると期待できる効果
「素振りは良いのに、いざボールを打つとなると力んでかたい動きになってしまう」「素振りだと力まずしなやかなスイングができるのに、本番だとインパクトがあるためなかなかそうはいかない」といったゴルファーもいるだろう。
紙に文字を書き、その後文字の上をなぞってみて欲しい。すると、書いた文字はしなやかで美しいが、文字をなぞる時は筆圧が強くなってしまわないだろうか。これと同じ現象がスイングで起きている。最初の文字が「素振り」で、なぞる時が「本番」だ。本番でしなやかなスイングをするためには「意図的になぞる」のではなく、「結果、なぞっていた」が望ましい。
また、ボールをうまく打てない時もボールを見過ぎることは極力抑えた方が良い。「当てなければ」と思うあまり、自然とボールを見過ぎてしまう。その意識を弱めると、腕の力が抜けゆったりとしたスイングになる。
ツアー選手のスイング
ツアー選手のスイングを見ると、インパクト直後までボールの後方に頭が残る「ビハインドザボール」になっている。顔が地面を向いているのでボールを見ているように見えるが、そうではなく「結果、顔が地面を向いている」のだ。
クラブの遠心力を最大化させるため、タイミングよくクラブを走らせる方向と反対方向に身体のエネルギーを使う。これによりボールを見ているように見える。また、弾道イメージに浸って打つため、それほどボールに気を取られてはいない。
インパクトをアバウトにとらえることも必要
「インパクトはスイング軌道の一通過点」という言葉を聞いたことはないだろうか。意味は「ボールを打つためにスイングするのではなく、スイング軌道の途中にボールがある」だ。
しなやかなスイング構築を目指すにはインパクトを「一通過点」と捉え、ヘッドアップせず、視線をボールに集中させ過ぎないことも必要なのだ。
【関連記事】
・プロゴルファーやプロ野球選手が納得する「うで体・あし体」理論とは【ゴルフハウツー】
・親子ゴルフ実現に向けて 小学生がゴルフを始める際の提案【ゴルフハウツー】
・これからゴルフを始める人におすすめのゴルフクラブの選び方【ゴルフハウツー】